せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

ゴミを出さない家づくり

2008年11月29日 | 模型・実験・見学・講習・イベント

今日は建築士会の木造塾。木造の工法の勉強会。

金物を使わない「渡り腮構法」の仕組みや研究成果を聴く。

住まいづくりを考えることはもはや環境問題と切り離せないが、今の作り方はゴミを先送りにしているだけという講師の指摘。

漠然とそう感じながらも、現実に何から手をつけていいのか分からないような昨今の状況。

既成の住まいづくりの流れに抗うことは、相当の覚悟と忍耐と研究が必要ということがひしひしと伝わって来た。

実現出来るかどうかまだ分からないが、私自身も勉強しながら住まいづくりを通じて未来を考えることを真剣に取り組んで行きたい。

具体的な構造の話は複雑なのでここには記さないが、印象に残ったのが「廃棄物のことは設計者よりも現場の大工さんはもっと切実な想いだ」という話。

ものづくりに真剣になればなるほど、作ったものが将来ゴミになる、あるいは作る段階で相当に出るゴミ問題を真剣に捉えている。その気持ちに設計者も、もっと寄り添って行きたいと思った。


地域につながる住まいと暮らし

2008年11月27日 | まちづくり

昨日は、女性建築技術者の会に所属する友人が企画したワークショップに参加。

普段は企画する側なので、参加者として何をするのかなぁ、、とちょっとドキドキしながら、会場の男女共同参画センターに足を運ぶ。

テーマは「地域につながる住まいと暮らし」

近隣関係、、現状、何が問題?解決策は?工夫は?地域につながるためには・・・
年長者の方には対処法の知恵を教わりながら、、、

世代の違う参加者同士での意見交換と発表。
私たちのグループが短い時間で出した結論は「地域には働きかけが大事」ということ。

その中でも、キーワードは
1)知り合うきっかけや「媒介」(ペットや子ども)
2)出会う「場」
3)感情の「積極性」
4)じっくり「話す」
5)「時間」がかかる(かける)
ということだった。

他のグループのテーマも面白く、とても参考になった。

その後、実際に住まいを地域活動につなげている事例のパネル展示を見ながら意見や情報交換も。

とにかく、ポジティブな女性の集まりなので、その中に居るだけでもパワーをもらい、励みになるのだった。


家庭用燃料電池

2008年11月20日 | 模型・実験・見学・講習・イベント

11月というのは建築関係の展示が多い月なのか、様々なところから、展示会やショールームへのお誘いが来る。

なかなか全ては参加出来ないし、興味や収集したい情報がないと仕事の合間を縫って足を運ぶのも億劫になりがち。

しかし、今日はその合間を縫って、、、行ってきました。

家庭用燃料電池の展示&説明会。

いよいよ、来年の市販だそうだ。値段はまだ未定。実際のところは、こわくて聞けない(←高価ということが予想される)

商品の素晴らしさ、仕組みはよく分かった。

本当にエコを考えているという部分が見かけだけでなく、エネルギーロスを減らして、生活の快適さを保つというものはGOOD。

難点は、広い設置スペースの確保が都心部で可能なのかということと、
夜型生活ではその特性も生かしにくいので、現代生活にマッチするか、
初期投資出来る建主でないと採用は難しい、という辺りか。

設計者としては、どのメーカーや業界をひいきすることなく、公平な立場でユーザーの生活スタイルや指向に合わせ提案して行きたいが、エコと名がつくモノ程、その上辺に紛らわされやすいもの。

あまり批判はしたくないが、疑問を持っている商品も中にはある。いずれ自身のHP上でその辺りのことをユーザー向けに、まとめたいのだが。(質問も多いし)

今回は本物かなぁ、、という感想だが、もう少し詳しく知りたいな。


景観法とまちの美しさ

2008年11月16日 | まちづくり

景観法が制定されて、3年

私たちのまちの風景は美しくなっただろうか

日本の都市において、そのカオス的な街の風景は、、、

時としてめまいを催すし、またその醜さをあえて視界に入れないようにして、我々は暮らしていないだろうか。

ああ、また何か新しいモノが建つ。人間のスケールを超えた資本主義の象徴のようなものを見て見ぬ振りをしていないだろうか。

私自身、統一感のあるヨーロッパのまち並を観て帰国した折りには、空港から電車から見える我が国の風景に吐き気を催した程だ。

しかし、生活の便利さ、快適さを一旦身に俟とうと、すぐにその感覚は薄れ、いまでは平静を装っている。

昨日は、大変お世話になった大学の研究室の先輩がパネリストということもあって、神奈川県下に置ける「景観法を生かしたまちづくり」のシンポジウムを拝聴した。

景観法以前からの長年の行政の踏ん張りと、現実とそしてこれからの展望の話に耳を傾けた。

個人の力ではどうしようもないもの、行政の指導でも強制力のないもの、しかし、最後は市民の想いや力という各自治体からの報告。

そしてうまく行きかけている事例は、市民の活動が発端で10年経って成果が出て来たと言う。

市民として、創る側の立場として、希望を失わず、あきらめず、脚元を見つめ、美しさを取り戻す、あるいは失わない手だてを探っていきたいと、各パネリストの発表と討論に刺激を受けたのだった。


杭の位置出し

2008年11月14日 | a05監理_神奈川県 藤沢市H邸新築工事

今回は地盤改良を行うため、監理者として杭の位置出しに立ち会う。
081114
場所と本数に間違いがないかを確認後、レベル調整や工程の件を打合せる。

道路と高低差のある敷地であり、傾斜もあるため、杭のレベル出しに調整が必要である。

杭を打つ(杭工事)
基礎の根切り(建物工事)
杭のレベル調整(杭工事)
基礎工事(建物工事)

と工程が交錯するため、その辺りを両者に上手にやって頂くためにその間の調整役となる。

業者間で決めてもらうのは簡単なのだが、こうした手順をはっきりさせたり、話合いに立ち会う監理者がいることで、責任範囲や工程が明確になる。

工事がスムースになることで、最終的には建主の利益になると考えている。