せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

発表はするだけでなく聴く方も学びが多い。〜オンラインの中で試行錯誤〜

2022年06月13日 | オープンデスク、設計演習、共に学ぶ


紫陽花が美しくなってきた今日この頃です。

本日は、この春から、
大学で、設計演習を教えているなかでの
私自身の気づきについて綴ります。

コロナ禍になってから、各教育機関で
オンライン授業がなされていることと思います。

私の場合も、ご多聞に漏れず、同じ状況です。

少し特殊なのは、演習なので、学生さんが隔週で
対面授業もあるということです。

学科によっては、実験などはオンライン授業期間でも
大学に行くといったことと、同じです。

ここでは、授業の内容を公にすることが目的ではなく、
新生活様式での学びの仕方、あり方についての考察になります。

交互に、対面ということは、
同じクラスでも、顔を合わせないメンバーがいる訳です。

昨年の学生さんの模型作品を見せてもらった時
偶然にも対面時に同じ席に座る学生さんが
同じような案になっており。。。

入学時からオンライン授業だから、お互いに知らないのに
不思議だね〜という話になりました。

顔を合わせたり、話したりしていないのに。
それくらい、学生さん同士の交流というものが、減っています。

そのエピソードから、
せっかくのクラスでの学びがもったいない
と感じました。

そこで、私の授業では、
オンラインの人も、対面の人も
なるべく話す機会を作るということを、
取り入れる事にしました。

今、社会では、特に、プレゼン能力も問われる時代。
小学校でも、ディベートの授業が始まっていると伺います。

1)人前で話す訓練

最初は、自分が参考にした建築や住まいの本を
紹介してもらうということにしました。

名前と、本のタイトルと、気に入った点など
簡単に1分程度で。

やはり、普段そういう機会がないのか
名前から話すという時点で、戸惑う方もおられました。
やはり、慣れていないのですね。


2)1回の授業で、最低一言は話す。

マスクもしているし、距離をとっての着席なので
当てても良いですか?
と尋ねたところ、大学側からOK。

そこで、画面を見ながら、クイズ形式で質問。
席順表をもらって、順番に、
間違っても問題無いような内容で、
リラックスして答えてもらっています。

その後、本題に入り、大事なところを説明。

聞きもらすと、当てられて答えられないと
まずい、という微かな緊張感から、
集中して聞いてもらうのも狙いです。

3)設計作品を皆に説明する。

これまで、1回目の作品からの発表はなかったそうです。
(時間的にも)

しかし、せっかくの皆さんのアイデァや
バリエーションに富んだ設計。
そして力作の模型など。

ぜひ、皆で共有したいと思い、
画面で図面や模型写真を見ながら
一人3分の説明時間を割り当てて話してもらいました。

オンラインだと、自分の発表以外は席を
離れてしまう恐れもあると、
過去の学生さんの反応も踏まえて、

各自の発表内容の評価を行ってもらい、
提出してもらうことにしました。

これが、、、、
本当にやってよかった!と思う内容でした。

各自で、自身の作品の振り返りまで行ってもらうのですが
クラス全員の発表をしっかりと聴けていただけではなく、
互いの評価から、思いやりまで感じる内容となっていたのです!

批判ではなく、良いところを見つける作業。
自分にはないものに、感心する作業。
その人の個性や感性を感じる作業。

脳と心で評価する。

そして、冷静に客観的に相対的に
自分の作品と比べてみる。

ほとんどの学生さんが、その事ができていました。

お互いに会えなくても、こうやって
クラスの皆が一緒に学んでいるんだよ!

ということを学生さん同士が、
きっと実感してくれたのではないでしょうか。

その手応えに、私自身が感動しました。

各自への評価はまとめてデータで集計し、
本人のみに渡すことにしました。

こちらのまとめの作業は、手間がかかりますが
オンラインの中でも、学生さんが
発表して、聴くということで、得たものを
教員が独り占めにしておくわけには、参りません!

これからも、
演習をオンラインで行う、という試行錯誤は続きます。

不自由な中でも、のびのびとした学びを
どうか、学生さんに提供できますように。。。



熊本のきれいどころ

2013年07月12日 | オープンデスク、設計演習、共に学ぶ

一昨日は、素敵な出会いを頂戴しました。

熊本の女性起業家、資格者の集まりに参加させて頂いたのです。

いわゆる「士業」応援の場であるところです。

お仲間に迎えて頂いたことに感謝です。

活動の支援をする場でもあるので、セミナーにも急遽参加。「自分のパーソナルカラーを知る」でした。実際に、熊本で開業されて軌道に乗られている女性が先生です。

私がとても興味を持ったのは、やはりその先生の振る舞い方。

素晴らしい笑顔で、一度に好意を持たれる方ですね。

講座が終わって、参加者がいろいろと聞かれていて、囲まれておられました。

私もファンになりましたよ。

それにしても、地元で頑張る女性の美しいこと!

えっ、ここはミスコン選定会場ではないよね?

と帰ろうかと思いましたが、名刺を頂いて思いとどまりました。

紹介下さった地元銀行の男性は、そんな女性パワーを束ねるまるで「くまモン」

人懐っこく優しいキャラで、笑いも取られて、こちらも見習いたい振る舞いです。

優しい空気と美しいものに触れて、ここのところの睡眠不足でのぐったりが吹き飛びました!

有り難いことです。私も積極的に活動に関わりたいと思います。

余談

会場は、開発の進む駅前の最新ビル。

その名も「森都心プラザ」

しかしながら、、、

木が使われていない。どこが森?

熊本はモリのミヤコと呼ばれますが。

都市部ではビルも木造化がブーム。

ちょっと前に流行ったクールなビルですね。

その先を行って欲しかった。というのが本音。

ここの開発には、諸先輩方も関わられているので、恐れ多いのですが、せめて内装は木質か出来たでしょうにね。

惜しいなと思ってしまいます。

 


周りに感謝して

2013年06月27日 | オープンデスク、設計演習、共に学ぶ

今回の出張の目的は3つ。

1)仕事、現場の監理、見学会開催など。

2)これまでと違う分野の方に多くお会いする。多くの方とお会いして今取り組んでいることを説明し、共感してもらったり意見をもらう。

3)家族、友人になるべくあって話をする。

です。

お陰さまで今のところ、順調です。

また予定していなかった流れも出来て、沢山のご縁を頂いています。

昨夜は、ちょっと早めの誕生日お祝いを家族にしてもらいました。

久しぶりの日本酒生酒です。(←本当は大好き、控えているだけ、笑)

友人にも、初めての方にも臆せず、自分の夢を語ったり出来るのも、家族のお陰ですね。「ひとりではないよ。誰かと繋がっている」という感覚は、人を強くします。

家族がまだ居られない方は、いつか出会う家族。この世に必ず存在すると言われるもうひとりの自分に意識を向けると良いのではないかと思います。

孤独感の強い時は、私はもうひとりの自分に話しかけたりしてます。内なる自分ってやつかもしれません。

私など、夢のことをしたり、チャレンジしたいことがあって家族に話しても大反対を受けるという人生を長~く生きてます。(建築をやることだって、最初から賛成してもらった訳ではない。)

なので、無理して皆の応援を得なくちゃ!と焦る訳ではなく、やって行くうちに、「あ~、やりたいのね。何だか生き生きしているから応援するわ。」と周りに思ってもらう流れが、自然で良いなと思えるようになって来ました。

それに、人って思った以上に支えられているものです。

一人暮らしでも、会社で孤独な仕事でも、お友達とうまく行かない時だって、生きているというだけで、大地と大空と海あっての人間という生き物。

都市にいると、忘れがちですが(人間は何でも出来る錯覚に陥りそう)熊本に居ると凄く実感。なので、横浜に居ても、感謝!感謝!の気持ちを忘れないように心がけています。





小満に万物の成長を祈る

2013年05月21日 | オープンデスク、設計演習、共に学ぶ

初夏の季節、最近は半袖を身に着ける日が増えている熊本生活です。

↓朝散歩ではひっそりと人知れず咲く山の花々に心癒されています。
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今日は、24節気の一つ、秋に撒いた麦の種が実りほっと安心する日。

あなたの半年間の種まきは実りましたか?

万物が成長し実りをつけ始めるといえば、、、

先の日曜日は、雨霧の中、我が子の運動会でした。

朝から雨が降り、肌寒さも増す気温。運動会は中止であろう予測を大きく裏切られ、濡れながらの演技と応援でした。

山の学校であるので、それはそれは天候が、、、運動会には適さず。

それでも熊本のどの中学校も開催するのだからここだけ中止は出来ないという開会式の挨拶に県民の「体育会系」体質を感じながら、子ども達の気合いにも圧倒されました。

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ひと学年ひとクラスのため、小中合同での運動会。

一年生など、風邪を引いてしまうのではないかしら?湿ったグランドで転んで泥だらけになってしまうのではないかしら?という予測も大きく裏切られ、誰しもが生き生きと、山に大きくこだまする声で、精一杯応援歌を歌い、走り、楽しんでいました。

山の子ども達の逞しさを垣間み、そして我が子の成長の実りも感じた一日でした。

大人が心配する程、こどもはか弱くありませんね。

自然と共に成長し、自然に包まれて、、、

おおらかに、そして、タフになって行くのでしょうね。

ご近所の一年生のお子さんは最初通学の山道に高学年について行くのがやっとで、体調を崩されたことも。一年生は最初は泣きながら登ると聞きます。

私も一度歩きましたが、先の見えない山道。空しか見えず、永遠と続くのではないかと思われる階段道。

途方に暮れる気持ちがよく分かります。

入学して一ヶ月経ち、終着地点が楽しい学校ということが分かったのでしょう。

一年生もすっかり山っ子ですね。運動会の様子で安心しました。

登っているときは、不安で心配で、、、けれど到着したときの達成感は、過程を経験した人間にしか味わえないものです。

私は、建築の設計をしていて、カタチになるまでの道のりが果てしなく遠くに感じたり、目の前の課題(壁)が大きくて、乗り越えられないのではないか?と一瞬迷うこともあります。

それでも、進んで行けるのは、到着した先の完成の喜びを知っているからです。過程のどんな苦労も厭わないのはその為です。

一つの山を越えて、そして、また新たな山登りが始まります。

どの仕事も、どの人生もそうなのではないでしょうか?

そして年齢も関係ありません。

こどもには、こどもの。

大人には、大人の。

常に、そこに山頂(目的)があって、過程が有るから喜びが有る。

今日は、少し自分に満足して、そしてまた実りを目指してゆきましょう。

皆さんの実りある成長を願って。

追伸:雨の中の運動会の開催。先生方やPTA役員の方々のグランド整備、テントの設営、準備も後片付けもご苦労が大きかったと思います。当方は役が有りませんでしたのでお弁当づくり&立ちっぱなしくらいのささやかな労力で済みましたが、ご尽力頂いた皆さんには感謝申し上げます。


一流とは何か考えてみる

2013年05月14日 | オープンデスク、設計演習、共に学ぶ

最初に、巷にあるような一流の男とは、、、みたいな話しではないです。

一日に何十通も頂戴するメール、読むだけで相当時間を取られる時代。

ちょっと休みが長く、パソコンを開くと、どどど~と受信されるそれは、

建築材料のDMだったり、メルマガだったり、所属する会からのイベントの案内だったり、、、

その辺りは件名で判断します。内容を全て読める訳ではないですね。

そんな中、仕事のやり取りや、名刺交換をした方から連絡をもらったりする時、これは仕事ができる方だなとか、この方は一流になられるわと予感がある方は、どんな方かというと、、、

それは、そこに「相手への思いやり」を感じるときですね。

サービス精神旺盛にアレコレ書くのとは逆に、

●相手に時間を取らせないための工夫
●間違って解釈されないような工夫
●読みやすいように、箇条書きやナンバリング
●上手な余白や間の取り方。
●添付ファイルの説明

その人独特の書き方があって、案外、メールって人柄が出ますね。

私自身も最初から何もかも出来た訳でないなく、いろいろとやり取りの中から日々学んでいます。

心がけているのは、件名に用件を省略すること。
そのまま返すことは、まずしません。
それから一つのメールに一つの用件をしぼる。

分かりやすさは、一流だわ~と感心する方の真似をしています。

状況説明は、圧倒的に女性がうまいです。これはおしゃべりにも似ていて。

失敗は、用件に添付ファイルのことが書かれていなくて見落としてしまったり、用件がいくつも書かれた長文で記憶に残らなかったり、読み飛ばしていたり。名前がローマ字の方も、実は迷惑メールと判断されてしまうことが。

旅館やレストランなども一流のおもてなしは、洗練されていて相手に不快感を与えないことに尽きます。

自分自身がサービスを受けたり、やり取りしながら、私も洗練されていければと思います。