この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

クレーム、その2。

2005-05-31 20:52:30 | 日常
以前、ある掲示板で障害者の方が「『健全な魂は健全な肉体に宿る』という格言があるが、これは障害のある肉体には健全な魂が宿らないという意味に取れ、障害者の差別に繋がるのではないか」といったことを述べていました。
実はこのクレームはいささか的外れといえます。
なぜなら『健全な魂は健全な肉体に宿る』という格言、正しくは『健全な魂は健全な肉体に宿れかし』であり、意味は「健全な肉体に健全な魂が宿ればよいのだが(そうとは限らないので嘆かわしい)」だそうです。
見た目がまともだからといって中身までまともだとは限らない、監禁王子の例を出すまでもなく、いわれてみればごく当たり前のことですよね。
『健全な魂は健全な肉体に宿る』という言い方は近代になってスポーツ振興に躍起になった筋肉崇拝者たちが勝手に元の格言を改変し広めたことなので、まぁ「かし」という助詞も使わなくなっちゃいましたしね、障害者の方もあまり本気になって相手をしない方が賢明といえるでしょう。
(端折って説明しましたが、元のラテン語の格言から英語、そして日本語と訳される間にあった変遷はもう少し複雑なようです。)

クレームをもう一つ。
日清カップヌードルのCMで、『NO BORDER』というシリーズがあります。
ミスター・チルドレンの曲も印象的な、子供たちが銃を持って海を眺めているCMですが、最近見かけないと思いませんか?
自分はこのCMを見て、銃なんて物騒なものは下ろして(争いは止めて)、のんびりと腹ごしらえしようじゃないか(平和的に行こう)という意味に解釈しました。
普通の人はまぁ大抵そう解釈すると思います。
しかしコラムニストの天野祐吉氏によれば、幼い子供たちに銃を持たせること自体が非常識であり、戦争を美化している、という見方をする人たちがいて、その人たちのクレームでこのCMがオンエアされなくなったらしいのです。
どーしてそういう歪んだ解釈が出来るのか、理解に苦しみます。
別にカップヌードルなんて好きでも嫌いでもないですが、あのCMが一日でも早く再び放送されるようになればいいなぁと思います。

クレームをさらにもう一つ。
このたびハリウッドでの映画化が噂される『MONSTER』の原作者浦沢直樹が『MONSTER』の前に手掛けた『MASTERキートン』という漫画が絶版になったとのことです。
絶版とは読んで字の如くそれ以上版を重ねないことで、通常売れなくなった漫画や小説などの書物がそういった憂き目に会うのですが、売れっ子である彼の漫画が売れてないわけがありません。
絶版に到った経緯についてはこちら。
まったく何といってよいのやら。。。

一口にいってクレームといっても当たり前ですが様々ありますよね。
自分がクレームする場合は(出来るだけ)筋が通ったクレームをしたいものだと思います。
コメント (11)
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