辻村深月著、『名前探しの放課後』、読了。
正直、最終の第十一章に入るまでは、これはハズレかな、そう思っていた。
何しろ「超常現象が起こり、主人公たちが自殺“した”クラスメイトを探す」というプロットが著者のデビュー作である『冷たい校舎の時は止まる』とまるきり同じなのだ。著者もデビュー六作目でネタ切れなのか、と思ってしまった。
だが、最終章を読み、プロットがデビュー作と同じ、と思わせたことすら実はミスリードだったと気づいたとき、著者の巧緻さには舌を巻いた。
一見同じに見えて、すべての真実を知ったあとに読み返すと、登場人物の一つの台詞、一つの行動が別の意味を持つようになるのだ。ただただ上手いなぁと感心するしかない。
自信を持って面白い!と断言できるけれど、ただし本書はこれまで刊行された辻村深月の全著作を(出来れば刊行順に)読んでからでないとその面白さがわからないだろう。
とはいえ、彼女の著作はまだ五作(本作を含めれば六作)、新時代を担うであろうエンターティメントの旗手の作品を出来るだけ早く読破することをお薦めする。
正直、最終の第十一章に入るまでは、これはハズレかな、そう思っていた。
何しろ「超常現象が起こり、主人公たちが自殺“した”クラスメイトを探す」というプロットが著者のデビュー作である『冷たい校舎の時は止まる』とまるきり同じなのだ。著者もデビュー六作目でネタ切れなのか、と思ってしまった。
だが、最終章を読み、プロットがデビュー作と同じ、と思わせたことすら実はミスリードだったと気づいたとき、著者の巧緻さには舌を巻いた。
一見同じに見えて、すべての真実を知ったあとに読み返すと、登場人物の一つの台詞、一つの行動が別の意味を持つようになるのだ。ただただ上手いなぁと感心するしかない。
自信を持って面白い!と断言できるけれど、ただし本書はこれまで刊行された辻村深月の全著作を(出来れば刊行順に)読んでからでないとその面白さがわからないだろう。
とはいえ、彼女の著作はまだ五作(本作を含めれば六作)、新時代を担うであろうエンターティメントの旗手の作品を出来るだけ早く読破することをお薦めする。