この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ヒットマンズ・レクイエム。

2010-06-24 23:59:12 | 旧作映画
 マーティン・マクドナー監督、コリン・ファレル主演、『ヒットマンズ・レクイエム』、DVDにて鑑賞。


 男はその街に着くなり吐き捨てた。
 クソみたいな街だぜ。
 しかし男は知らなかった。
 その街、ブルージュが男の死に場所として用意されたということを…。

 日本でもそれなりの知名度を持つ(はずの)コリン・ファレルの主演作がこのたびめでたくDVDスルーと相成りました(しかもレンタルのみ。なぜ?)。
 海外ではそれなりに高い評価を受けている本作がなぜ日本ではDVDスルーの憂き目に合うのか、興味があったので見てみました。

 コリン・ファレルが演じるのは喧嘩っ早く、口が悪くて女癖も悪い、情緒不安定な新米の殺し屋レイ(つまり、殺し屋というところ以外は素の彼。笑。)。
 レイのお目付け役なのがベテランの殺し屋ケン。
 ケンは仕事でヘマをしたレイを始末するようにボスに命じられるのだが・・・。

 まぁ、DVDスルーになるのもわからないではないかな。
 一言で言うと派手さがない。
 例えば銃一つ取っても、殺し屋が主人公の映画なのだから派手な銃撃戦があるかというとそんな気の利いたものはない。派手な爆破も派手なカーチェイスもない。もちろん派手な濡れ場もない。
 映画の配給会社も何をウリにしていいか、わからなかったのだろう。

 しかし、個人的にはかなり味わい深い映画だった。
 特に、ケンがボスの命令に背いてレイの命を文字通り命懸けで助けようとするくだりは、ちょっと泣けてしまった。

 また、ブルージュの街の観光PRビデオとしてもよく出来ている。
 その手のPRビデオというのは、仲のよさそうな恋人たちが手と手を繋いで街並みを歩く、みたいな、見ていて吐き気を催す構成になっているものだけれど、本作ではむさ苦しい野郎二人が、しかも一人はクソだクソだと繰り返しながらブルージュの名所を巡るので、逆にブルージュのよさが伝わってきた。
 という見方はひねくれすぎですかね?笑。

 ともかく、一風変わった作品が見たい、という方にはお薦めです。
コメント
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