この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

これが男の生き様ってもんだろう、映画『トロール・ハンター』。

2013-07-23 21:09:22 | 旧作映画
 S.K.ラッセルさんお薦めの『トロール・ハンター』を見てみましたよ。とてもよかったです。

 先日の『風立ちぬ』のレビュー記事で主人公の堀越二郎にはまったく共感できない、好きにもなれないというようなことを書きましたが、じゃあどういうキャラクターになら感情移入できるかというと、その答えが『トロール・ハンター』にあります。

 本作の表向きの主人公は、熊の密猟事件を調査する大学生三人組のリーダー格トマスなんですが、真の主役は他でもない、ハンスというトロール・ハンターです。
 ハンスはノルウェーただ一人のトロール・ハンターで、政府の指示に従ってテリトリーから抜け出したトロールを狩っています。
 彼には家族がなく、恋人と呼べる存在もなく、(おそらく)友だちもいない。
 ひたすらトロールを狩り続ける日々です。
 彼は自らの仕事に誇りを持っているが、同時に「今のままでいいのか」という疑問も抱いている。
 というのも政府はトロールの存在をひた隠しにしているのです(勿体ない。観光資源にすればいいのに。笑。)。
 なので、偶然知り合ったトマスたちにトロール狩りの撮影を許可するのです。

 ともかく、このハンスがカッコいいのですよ。
 初登場時は単なる胡散臭くて(そしてトロール臭い)怪しげなオッサンなのですが、物語が進むにつれ、その存在感を増していきます。
 そしてクライマックス、六十メートルの身長に達する巨大トロールとの一騎打ちに望むハンスのカッコよさといったら!!
 
 本作はこの手のモンスター映画にしては珍しく登場するモンスター(本作においてはトロール)の細かい設定が決められています。
 そこが本作の魅力の一つと言っていいと思うのですが、ただその設定に穴がないわけではないんですよね。
 だいたい六十メートルの巨大トロールを目撃したことがあるのがハンスただ一人っていうのはありえないですよね(他の目撃者は全員踏まれて死んだ?)。
 とはいえ、本作のトロールの存在感は『ウルトラマン』の世界に怪獣が存在する以上のリアリティがありました。
 他のモキュメンタリー映画とは一線を画すといわれるのがよくわかります。

 惜しむらくは幕の引き方かな。
 最終的にフィルムが回収されたのであればああいう終わり方にはならないと思うんだけど。

 本作はその出来の良さからハリウッドでリメイクされるらしいです(またかよ!)。
 止めとけばいいのになと思わずにはいられません。だいたいどこを舞台にするつもりなんだろう?ロッキー山脈を舞台にしてもこの作品のリアリティは出せないと思うんだけどなぁ。
 まぁ基本的にリメイク作品は見ない主義なので自分には関係ないといえば関係ないんですけどね。
コメント (2)
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