この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ、最大の謎といえば…。

2015-02-05 23:55:33 | 読書
 三上延著、『ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~』読了。


 忘年会の帰りに買ったビブリア古書堂シリーズの新刊を読み終わりました。
 さすがに『わたしはロボット』と違い、揚げたてのコロッケの如くさくさくっと読めちゃいました。
 ちなみにこの小説では一ページが縦に38文字、横に16行でした。『わたしはロボット』が縦に43文字、横に19列だったのに比べるとかなり違いますね。これに慣れていたら『わたしはロボット』本文の字が小さく感じられるはずだよ…。

 閑話休題。

 本シリーズも第六作目になりました。これほどの人気シリーズともなれば、その人気に馬乗りして最終巻が延々と先延ばしにされそうなものですが、あとがきによると、作者は次か、その次の巻で終わりにしようと考えているとのことです。これは好ましいことだと言ってよいと思います。シリーズ全体を通してきちんと構想が練られているってことですからね。

 前巻で付き合いだした主人公の「俺」こと五浦大輔とビブリア古書堂の店主である篠川栞子ですが、本巻で二人は中学生並みのイチャイチャぶりを見せつけます。まぁそれもギリギリ許容範囲内だったかな。
 あまり付き合い方があまりにアツアツすぎたら、それだけで本を投げつけたくなるところだったので助かりました。笑。

 本巻のミステリーとしての出来はかなり上質なものだったと思います。
 47年前に起きた、稀覯本の盗難事件。わずかなヒントからその真犯人と真相にたどり着く、栞子の推理は実に鮮やかなものでした。
 本巻はそれにとどまらず、二重、三重にツイストが効いていて、いい意味で展開が読めず、非常に自分の好みでした。
 次巻もとても気になりますね。
 
 さて、本シリーズを読んでいていつも疑問に思うことがあります。
 本シリーズは五浦大輔という人物の一人称なんですよ。その文章は非常に読みやすく、語彙も豊富で、表現も的確です。
 しかしながら彼は子どもの頃のトラウマが原因でまともに小説は読めない体質という設定です。
 まともに小説が読めない人間がこうも上手な文章を紡げるものなのか?
 読んでいていつも疑問に思います。まぁそれなりに本を読んでいるはずなのに、ろくな文章を書けない人間の嫉妬かもしれませんが。笑。
コメント
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