この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

フツーに面白かった『花とアリス殺人事件』。

2015-02-10 23:32:34 | 読書
 岩井俊二原作、乙一著、『花とアリス殺人事件』、読了。


 四ヶ月ぶりの乙一です。
 四ヶ月というと週間連載漫画の単行本出版のスパンですから、一小説家の新作を拝むにはずいぶん短いな、と思います。
 乙一、ミルク代を稼がなければいけないせいなのか、最近はかなり真面目に仕事してますね。笑。

 前作の『僕は小説が書けない』の出来があまりにもアレだったので、今作もどうかなぁと心配だったのですが、さすがに前作ほどひどいってことはありませんでした。フツーに面白かったです。あくまでフツー。
 作者の、『GOTH』やら『ジョジョの奇妙な冒険』のノベライズのような傑作に比べたら、大したことないというか。
 まぁ岩井俊二監督の同名作の映画公開に合わせたノベライズなので、そこまで期待するものではないのかな。

 岩井俊二監督の作品はこれまで一作も見たことがないのですが、見た方がいいんでしょうか? 
 岩井俊二作品って何だかオシャレでトレンディーな感じがして受け付け難く、これまで避けてきたのですが、それって喰わず嫌いなんですかねぇ。
 本作を読む限りはそこまでオシャレでトレンディーって感じはしません。

 まぁいろいろ疑問は起きましたけどね。
 例えば、苗字が「黒柳」で名前が「徹子」の一般人っているのかなぁとか、登場する男の子の名前が「光太郎」で前作の主人公と同じなんだけれど、そのことに意味はあるのだろうかとか、「渡邊勘治」という老人についてかなりページが割かれているんだけど、結局あの老人って何だったんだろうかとか、正直内容についてはあまり感心しなかったのです。結末もそれほど意外ってわけではなかったですしね。
 でも、アリスにしても花にしてもキャラはいいなと思えたし、二人の会話は読んでいて楽しかったので読後感は悪くなかったです。
 次回作は内容の伴ったものであれば、と思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする