この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ダークではないヒーローものだった『ヴェノム』。

2018-11-03 22:57:24 | 新作映画
 トム・ハーディ主演、ルーベン・フライシャー監督、『ヴェノム』、11/2、Tジョイ久留米にて鑑賞。2018年39本目。


 マーベルスタジオ作品最新作である『ヴェノム』を公開初日に観に行きました。
 レイトショーで観たのですが、まぁまぁの客の入りでしたよ。

 本作を観てまず思ったのはダークヒーローって成立させるのが難しいんだな!ってことでした。
 オフィシャルサイトには本作のキャッチコピーがこう書かれています。
「最も残虐な悪(ダークヒーロー)が誕生する」と。
 そんなふうに煽られたらヴェノムってどんなに残虐で最悪な奴なんだろう、そう思うじゃないですか。
 でもこのキャッチコピーが思いっきり嘘なんですよね。

 確かに主人公のエディに寄生した地球外生命体(ヴェノム)は人喰いではあるのですが、共生関係にあるエディの言うことはよく聞き、エディが「食っていいのは悪人だけだからな!」と言うと「わかった!ヴェノム、悪人を食う!」みたいな返事をして、素直に言うことを聞くんですよ。
 これでヴェノムが悪だとか、ダークヒーローだとか言われてもイマイチ説得力に欠くと思います。
 人を食うシーンも直接的な描写は避けられているし、自分には本作はフツーのヒーローものにしか思えませんでした。
 
 エディとヴェノムがなぜ上手く共生関係を築けたのか、正確には共生関係を築ける人と築けない人がいたのはなぜか、その理由も知りたかったですね。
 そこらへんが何だか上手く誤魔化されていたような気がします。

 あと、考えさせられたのは権利関係の複雑さですね。
 前述の通り本作はマーベルスタジオ作品最新作です。そしてヴェノムは元々『スパイダーマン』に登場するヴィラン(敵役)です。
 その『スパイダーマン』は『スパイダーマン:ホームカミング』でマーベルシネマティックユニバースの仲間入りを果たしています。
 にもかかわらず『ヴェノム』にはスパイダーマンは登場しません。
 何で?って思いますよね。
 正義であるスパイダーマンがいてこそ、悪であるヴェノムの存在意義があると思うのですが。
 まぁそこらへんは難しい大人の事情があるのでしょう。

 まぁいろいろ文句も言いましたが、単純にアクション映画としては出来は悪くないと思います。
 フツーのヒーローものとして観に行けば損はないんじゃないでしょうか。


 お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする