乙一の新刊『ダンデライオン』を読み終わりました。
乙一は自分にとって新刊が出たら無条件で購入する数少ない作家の1人です(他は森見登美彦と伊坂幸太郎)。
無条件で新刊を購入する作家の新刊は無条件で絶賛できるかというと必ずしもそんなことはないのです。今回もちょっぴり辛口になっています。
本作は主人公の11歳と31歳の意識が一日だけ入れ替わるという変則的なタイムリープものです。
アイディア自体は悪くないと思いますが、正直そこまで出来がよいとは思いませんでした。
31歳の“僕”が20年前に起こった殺人事件の真相を探るというのがメインストーリーなのですが、そもそも20年前に戻れるのであれば事件そのものが起きないように努めるのが当然じゃないでしょうか。
いや、実際主人公も警察に電話はしてるんですよ(イタズラ電話と思われる)。
でも事件を未然に防ぎたいのであれば、殺人事件の被害者家族に連絡を取るのが一番手っ取り早く確実だと思うんだけど、そうする様子がまったくないんです。
別段被害者家族が連絡の取れないところにいたわけでもなければ、主人公が電話を掛ける時間がなかったというわけでもないので、そこの点はすごく不自然に思えました。
主人公が殺人犯と対峙するシーンも武器がアイスピックだけというのもやはり如何にも不自然でした。
主人公は野球少年という設定なのだから、武器を選択するとなれば当然金属バットを選択するのが当然のような気がするんですけどね。
武器がアイスピックであることは後々の伏線にはなっているのですが、無理矢理な伏線は正直読んでいて感心しませんでした。
事件には一応意外な真相が用意されているのですが、本作は長編といっても大作というわけではなく、サクッと読める分量であり、登場人物もそれほど多くはないので、用意されていた真相も「あ、やっぱりね」ぐらいにしか思えませんでした。
本作は正直自分にとって面白くないことはない、程度の作品でした。
この作品を持って乙一のファンを止めようとは思いませんが、新人作家の作品と知らされて読んでいたら、その作家を追いかけようとまでは思わなかったでしょうね。
熱烈な乙一ファンであれば読んで損はないと思いますが、そうでないなら敢えて読む必要もないかと思います。
乙一は自分にとって新刊が出たら無条件で購入する数少ない作家の1人です(他は森見登美彦と伊坂幸太郎)。
無条件で新刊を購入する作家の新刊は無条件で絶賛できるかというと必ずしもそんなことはないのです。今回もちょっぴり辛口になっています。
本作は主人公の11歳と31歳の意識が一日だけ入れ替わるという変則的なタイムリープものです。
アイディア自体は悪くないと思いますが、正直そこまで出来がよいとは思いませんでした。
31歳の“僕”が20年前に起こった殺人事件の真相を探るというのがメインストーリーなのですが、そもそも20年前に戻れるのであれば事件そのものが起きないように努めるのが当然じゃないでしょうか。
いや、実際主人公も警察に電話はしてるんですよ(イタズラ電話と思われる)。
でも事件を未然に防ぎたいのであれば、殺人事件の被害者家族に連絡を取るのが一番手っ取り早く確実だと思うんだけど、そうする様子がまったくないんです。
別段被害者家族が連絡の取れないところにいたわけでもなければ、主人公が電話を掛ける時間がなかったというわけでもないので、そこの点はすごく不自然に思えました。
主人公が殺人犯と対峙するシーンも武器がアイスピックだけというのもやはり如何にも不自然でした。
主人公は野球少年という設定なのだから、武器を選択するとなれば当然金属バットを選択するのが当然のような気がするんですけどね。
武器がアイスピックであることは後々の伏線にはなっているのですが、無理矢理な伏線は正直読んでいて感心しませんでした。
事件には一応意外な真相が用意されているのですが、本作は長編といっても大作というわけではなく、サクッと読める分量であり、登場人物もそれほど多くはないので、用意されていた真相も「あ、やっぱりね」ぐらいにしか思えませんでした。
本作は正直自分にとって面白くないことはない、程度の作品でした。
この作品を持って乙一のファンを止めようとは思いませんが、新人作家の作品と知らされて読んでいたら、その作家を追いかけようとまでは思わなかったでしょうね。
熱烈な乙一ファンであれば読んで損はないと思いますが、そうでないなら敢えて読む必要もないかと思います。