この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

劇団K.O.S旗揚げ公演『侍ロック』を観てきました。

2012-02-12 21:07:09 | 新作映画
 劇団K.O.Sの旗揚げ公演『侍ロック』を観に行ってきました。
 去年、何かとお世話になった不思議博物館の不思議子ちゃん(わかりやすく言えばメイド)の一人であるミシェルさんがこの劇団に所属しているのです。

 ずいぶん前のことになりますが、その時テレビで見た『世にも奇妙な物語』がつまらなくて、このブログで酷評したことがありました。
 すると、「このドラマを作った人たちも頑張って作ってるんだから、そんなひどいことを言わなくてもいいじゃないですか!」というようなことをコメントした人がいました。
 頑張って作ったんだから、その頑張りを評価してもいいじゃないか。
 一見すると作り手のことを慮った発言のように思えます。
 しかし、頑張りがそのままストレートに評価に直結するのは、幼稚園のお遊戯会まで、です。少なくともプロの仕事ではそれはありえません。
 つまり、頑張ったんだから評価しろ、というのは、幼稚園のお遊戯会と同じ評価の仕方をしろと言ってるのと同様で、一見慮っているようで、その実もっとも侮蔑した発言なのです。

 だから、、、今日観た劇についてもかなり厳しいことを言わせてもらいます。
 厳しいことを言う、というのは言い換えれば、今日観た劇がつまらなかったことに他ならないのですが…。

 まず、ストーリーが、絶望的につまらない。
 今から八十七年後の日本を舞台に、織田信長や豊臣秀吉、宮本武蔵、坂本竜馬(などの子孫)が天下統一する力が与えられるとされる黄金石めぐって、争いを繰り広げる、というお話です。
 しかし、織田信長と豊臣秀吉の子孫が登場するからといって二人が主従関係を結んでいるわけでなし、また宮本武蔵の子孫は別に二刀流というわけでもない。
 単純に名の知れた武将や傑物の名前を挙げていっただけという理由以外に、歴史上の有名人(の子孫)が登場する必然性がほとんど感じられませんでした。
 そもそも織田信長や豊臣秀吉ならともかく、男娼であったとされる森蘭丸や早逝した坂本竜馬に子孫がいたのだ、といわれても、例えフィクションであっても、はい、そうですか、とは受け入れられるものではありません。

 本作は妖艶な美女たちの踊りによって幕を開けます。
 それはいいのです。
 が、その踊りが本筋とは全く絡まない、というのは問題だと思いました。

 自分が脚本家か演出家だったら、美女たちの踊りは雨乞いのためのものであり、そして黄金石は雨を降らせるための重要なアイテムだった、というような設定にします。
 そういうふうに設定を工夫するだけで、本作から受ける印象はずいぶん違ったものになったのではないでしょうか?(逆に言えば本作には脚本上の工夫がまったく見られない)

 また、本作ではギャグがまた致命的につまらなかったです。
 そりゃ、大の男が女物のブラジャーをして、オムツをつけて舞台に出れば、受けはするでしょう。
 でもそれは舞台芸というより宴会芸でしょう。
 舞台において宴会芸で笑いを求めるというのはまったくもって感心しません。
 演劇では笑いは重要な要素だと思いますが、もう少しマシな笑いを期待したいです。

 先ほどプロの仕事では結果がすべてなのだ、というような主旨のことを述べました。間違ったことを言ったとは思いません。
 では経過はどうでもよいのか、というとそうは言っていません。
 なぜなら経過をおろそかにする人間が結果を出せる、とは到底思えないからです。
 結果かすべてだというのは、やるべきことをすべてやった人間だけが言えることなのでしょう。

 さて、本作は劇団K.O.Sの旗揚げ公演です。
 記念すべき旗揚げ公演ですから、少しでも観客動員を増やすべく、全団員はやれることをすべてやるべきです。
 しかし、それについても大いに疑問符が付きます。

 劇団K.O.Sには公式ブログが存在します。こちら
 プロの演劇は結果こそすべてだ、と述べましたが、観に行く以上はどのような練習風景なのか、また劇団員の横顔などには当然興味があります。
 さて問題です。旗揚げ公演が行われる前月、一月の公式ブログの更新回数は何回でしょう?
 答えは三回。
 では今月に入っての更新回数は?
 答えは0回。
 ビックリします。
 さすがに公演前日ぐらいは更新されるだろうな、と思っていたので。
 これで、俺たちは演劇が好きなんだ!!俺たちの演劇を一人でも多くの人に観てもらいたいんだ!!俺たちは旗揚げ公演に当たってやれることは全部やったんだ!!と言われても、へー、そうなんだ、としか言いようがないです。

 ずいぶん厳しいことを言ってしまいましたかね。
 自分としても、出演者の方々はみんな一生懸命頑張ってましたよ、とまとめた方がいろんな意味で楽です。
 とんがったことを言うと、後でしっぺ返しが怖いので。
 それでもあえて厳しいことを言ったのは、この劇団に、それなりに期するものがあるからです。
 だから、次回公演も観に行くつもりです。
 今回よりもつまらない、ということはさすがにないでしょうから。
 ただし、公演場所が福岡市近辺であること、ミシェルさんが出演されること、また本記事に劇団関係者の方からのコメントが付くこと(「お前は演劇の見方がまったくわかってない!」というような開き直りのコメントでも構いません)が条件です。

 あと、個人的に一番腹立たしいのが、パンフレットとHPのミシェルさんの写真写りが悪すぎること!!本人はすごくチャーミングな方なのに。パンフレットは手遅れですが、HPの写真だけでも一刻も早く差し替えて欲しいです。 


   


 ほらね、チャーミングな方でしょう?
 それがHPでは悲しいぐらいに写真写りが悪くて、、、その一事だけでも団長さんはやる気がないのかな?って思います。
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5 コメント

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えらい言われようですね。笑。 (せぷ)
2012-02-14 23:40:19
えらい言われようですね。笑。

まぁでもあの日同じ舞台を見て、同じような感想を抱いた人が自分の他にもいた、というのは嬉しいことですよ。

自分のレビューが拙いってことは充分自覚しています。
どうして自分が言いたいことを上手く言えないんだ!!って身悶えする日々です。

一つ反論をさせてもらうと、自分はキモオタではないのです。
いえ、「キモい」方を否定しようというのではないのです。
自分はいわゆる「オタク」じゃないんですよ。

自分は「オタク」とは求道者のことだと思っています。
好きなことを徹底的に追い求める人たち、それが「オタク」だと自分は思っています。
自分には、そこまで好きなものがないんですよねぇ、残念ながら。
平成ライダーも見たことない、プリキュアも見たことない、好きなアイドルもいない、モンハンもやらない、深夜アニメもほとんど見たことない(『まどか・マギカ』は薦められて見ました)、ほんと、ないない尽くしでハマれるものが何かないか、探しているところです。
一個人さん、何かお薦めのコンテンツってありますか?

ミシェルさんは可愛い方ですよ。縁があって知り合いになったので、出来るだけ応援をしてあげたいな、とは思ってます。
知り合いの夢を応援したいというのは、何もオタク特有の心理ではないでしょう。
でもそれだけですよ。
携帯電話の待ち受け画像がミシェルさんだとか、部屋の壁にミシェルさんのポスターを貼っているとか、そういうことはないです。
ま、信じる信じないはあなたの自由ですが。

>さて、あなたとどんなやり取りができるか、私はとても楽しみです。
いいですね!
とても楽しそうです。
ただ一つお聞きしたいのは、この場合の「やり取り」というのは、“対等な”やり取りのことですよね?
であれば、「一個人」などという捨てHNではなく、あなたが普段使っているHNと、あなたのブログを教えてもらわなければなりません。
そうでないととても対等とは言えませんからね。
それともあなたはブログなど持っていない!と仰るのでしょうか?
まさか!笑。
夜な夜な気に入らない人間のブログに捨てHNで好き勝手なことを書きこむあなたが、自らが主張したいことを主張する場をお持ちでない、などと誰が信じるでしょうか?誰も信じやしませんよ、そんな戯言。

何よりあなたの『侍ロック』レビューを是非とも読んでみたいのです。
勉強になると思うので。

あなたと対等なやり取りが出来る日が今からとても待ち遠しいです。
返信する
要するにこの記事は (一個人)
2012-02-14 21:36:04
自分が入れあげているメイドがないがしろにされたのに腹を立てたキモオタが、それを悟られないように精一杯背伸びした批評を書いてはみたものの、滲み出る自身の低俗さには結局気付けずに、醜く垂れ流された汚物といったところでしょうか?

同じ芝居を見たひとりの観客として、あなたの文章(先ほどは批評を書きましたが、その域に達してないことはあなた自身が白状しているのは、もちろんお分かりですよね)を読んだ感想です。

あなたがどれだけ破廉恥であるかについては、あなたが私の文章を公開する意気を持った人間であるかどうかを見極めた上で詳述したいと思います(でないとまったくの時間の無駄ですから)。

ただひとつお伝えしておきたいのは、私の「侍ロック」への評価も、あなたと大して変わりないということです。まさしく「金返せ!」なお遊戯会でした。

だからこそ、あなたの過ちについてはあなたが彼らに向けた言葉の厳しさと同等、もしくはそれ以上の言葉で指摘しなければならないのです。

さて、あなたとどんなやり取りができるか、私はとても楽しみです。
返信する
コメント、感謝です。 (せぷ)
2012-02-14 00:17:19
館長、achiさん、コメント、感謝です。

>館長
館長、昨日はお疲れ様でした!
もし昨日館長が来られなかったら、人には薦めといて自分は観に来ないとは!と館長のことを軽蔑していたかもしれません。
何だかんだ言っても館長はやっぱり人がいいですね。笑。

>というか、そこまで求めなかったのであまり考えませんでした。
自分はパフュームのコンサートを蹴って(という言い方には語弊がありますが)劇を観に行ったので、やはりどうしてもそれなりのものを求めてしまいました。

>特に脚本に関しては同感で、専門の人に書かした方がいんじゃないかと感じました。
同意です。
三島さんは役者としては才能がある方だと思いますが、昨日の劇を観る限りでは、残念ながら劇作家としては才能があるとはいえないと思います。

>このブログはけっこう検索で引っかかるので、関係者が見ると思うので期待しています。
どうなんでしょう?このブログって検索に引っ掛かっているのですか?
自覚が全然なかったです。

厳しい意見を書きましたが、関係者の方が読んだら、きっと有益だと思うんですけどね。
それともただ不快に思うだけかな…。

>あれは頭に来る話が多いのですが、100回に1回くらい、奇跡的に面白い事があります。
そうなんですよね。
『世にも奇妙~』はスペシャルだと、四本か五本あるのかな、そのうちの一本でも面白ければ御の字なんですけど、全部ハズレだと、「金返せー!」って言いたくなります(って払ってないけど。笑。)。

>achiさん
>自分は、作品が総合的に目指しているものに矛盾しない限りディティールはいくらか省いていいと思っています
そうそう、作り手の中に、目指しているもの、訴えたいもの、そういったものは不可欠ですよね。

時代を越えて、一つの世界に英雄や武将が結集する、というアイディア自体は全然アリだと思うんです。
今だと平野耕太の『ドリフターズ』とかそうですよね。アメコミでいえば『リーグ・オブ・レジェンド』や『アベンジャーズ』がそうです。
でもどの作品もachiさんが挙げたような、ヒーローが結集する理由や理屈があるはずなんです。
ただ何となく歴史上の有名人を集めてみました、では観てるこちら側としてはとても納得できるものではないですよね。
返信する
Unknown (achi)
2012-02-13 15:19:52
結果が重要なのはせぷさんのおっしゃる通りですね。

自分は観てもいないし劇団自体今知ったので大したことは言えませんが、もし観たらせぷさんと同じリアクションするかもしれないですね。
自分は、作品が総合的に目指しているものに矛盾しない限りディティールはいくらか省いていいと思っています…が、せぷさんの記事を読む限りでは、やはり受け入れがたいでしょうね。

自分としては歴史上に名を残す人物の子孫が87年後の未来でわざわざ戦う必然性があるのかが気になります。
実は黄金石はこの世のあらゆる願いを叶える願望器で、それを手にするには黄金石の力によって召喚された英霊を使い黄金石戦争に勝利しなくてはならないとか、早逝した奴らも含めて最強の戦士たる侍の遺伝子からクローンを作り出し、クローン軍団で日本統一を企む黒幕がいたとか、この時代に生まれた子孫が未来の技術で偶然出来たタイムマシーンを巡って争い、なんらかの拍子に戦国時代にタイムスリップ、そこで争った結果が現代の日本の歴史なんですよーとか、そういうアイディアがほしいところですね。

返信する
なるほどチャーミングですね (館長)
2012-02-13 04:45:25
だいたい同感です。
というか、そこまで求めなかったのであまり考えませんでした。
特に脚本に関しては同感で、専門の人に書かした方がいんじゃないかと感じました。
このブログはけっこう検索で引っかかるので、関係者が見ると思うので期待しています。

ちなみに「世にも奇妙な物語」TVのやつですよね。
あれは頭に来る話が多いのですが、100回に1回くらい、
奇跡的に面白い事があります。
脚本、原作が良かった回で、
それを期待して、結局見てしまうんですよね。
制作会社も様々なのでそんな時もあります。
元ネタの「トワイライトゾーン」や「ウルトラQ」はあんなに名作なのに残念です。
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