柳広司著、『ジョーカー・ゲーム』、読了。市立図書館蔵書。
リアリティがまるでない。
通常貶し言葉であるはずが、本作に限って言えば、そこが最大の魅力。
こんなスパイやスパイ養成機関は存在するわけないんですよ。
存在したら日本が太平洋戦争で負けるわけがないんだし。
しかし、逆にいえば彼らぐらい有能なスパイが存在したら、もしかしたら日本は太平洋戦争に勝てたかもしれない、そんな禁断の『If』すら想像させるダークな魅力が本書にはあります。
おそらく、作者なりに突き詰めたスパイ像なのでしょう。
その究極のスパイ像は、凡百なスパイ小説が作り出した、定番のそれを覆しさえするものです。
「殺さず、死なず」を信条とするスパイたちの暗躍を確認するだけでも本書は読む価値があると思います。
とはいえ、それ以外の部分、例えば本書を純粋なミステリーとして読むとどうしても物足りなさを覚えます。
不可能犯罪を扱った最終章『XXダブルクロス』の真相は正直かなりショボイもので、これが謎解きを主題にした作品であったら、到底及第点を与えられるものではありません。
作者には同じ世界観、同じ設定を生かした、本格的な長編ミステリーを読ませて欲しいです。
リアリティがまるでない。
通常貶し言葉であるはずが、本作に限って言えば、そこが最大の魅力。
こんなスパイやスパイ養成機関は存在するわけないんですよ。
存在したら日本が太平洋戦争で負けるわけがないんだし。
しかし、逆にいえば彼らぐらい有能なスパイが存在したら、もしかしたら日本は太平洋戦争に勝てたかもしれない、そんな禁断の『If』すら想像させるダークな魅力が本書にはあります。
おそらく、作者なりに突き詰めたスパイ像なのでしょう。
その究極のスパイ像は、凡百なスパイ小説が作り出した、定番のそれを覆しさえするものです。
「殺さず、死なず」を信条とするスパイたちの暗躍を確認するだけでも本書は読む価値があると思います。
とはいえ、それ以外の部分、例えば本書を純粋なミステリーとして読むとどうしても物足りなさを覚えます。
不可能犯罪を扱った最終章『XXダブルクロス』の真相は正直かなりショボイもので、これが謎解きを主題にした作品であったら、到底及第点を与えられるものではありません。
作者には同じ世界観、同じ設定を生かした、本格的な長編ミステリーを読ませて欲しいです。