MARCAやASなどマドリー系メディアだけでなく、スーペル他バレンシア方面でも報道されている、マドリーがアルビオルを狙っている、という話。例によって公式になるまで何も信用できないわけですが、キロンなど代理人の談話も混ぜて、こんな感じで進んでいるらしいという情報を、スーペルから。
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グアヘ・ビジャの移籍交渉の件で、フロレンティーノ・ペレスがバレンシアから拒否を受けたにもかかわらず、レアル・マドリーは再びバレンシアのドアを叩いた。今度はラウル・アルビオルの移籍の件だが、今度の結末は異なったものになりそうだ。スーペルが知る範囲では、バレンシアのオフィスにはマドリーから1200万ユーロの提案が届き、このオファーは受け入れられなかったものの、バレンシアからは明確な答えがなされた。もう300万ユーロの上乗せで、VCFはアルビオルの移籍を受け入れる。
この交渉は、良い方向に進んでいる。このため、近いうちに契約が成立する可能性がある。マヌエル・ジョレンテ会長は、この問題を長引かせないつもりでいる。現在検討している問題よりも多く、2つ以上のオファーが交渉のテーブルの上に乗るのであれば、時間がかかることになるだろうが。VCFの会長は、午前中の中頃にはこのことをウナイ・エメリに伝えて、パテルナのシウダ・デポルティーバでミーティングを行い、アルビオルの移籍による利害得失のバランスについて話し合った上で、1500万ユーロであれば利益があるとみなせるという点で一致した。アルビオルには2シーズンの契約が残っているが、これは同時に、クラブがアルビオルの移籍を進められなかった場合には彼と契約更新をせざるを得ないということを意味する。なぜなら、来シーズンには、契約が1年しか残っていない状態になるからだ。
アルビオルの代理人であるマヌエル・ガルシア・キロンは、この日の朝クラブのオフィスでハビエル・ゴメスに会った際(モヤの移籍の件で)、最初の時点では受け入れられなかった、マドリーからのオファーとその金額を伝えられた。そして近いうちに、もしフロレンティーノ・ペレスがオファーの金額を上げて1500万ユーロに到達すれば、アルビオルはコンフェデレーションズ杯から戻った後、レアル・マドリーに加わることになる。キロンはスーペルに対し「移籍不可能なフットボール選手はいない。アルビオルには大志があり、もしバレンシアがレアル・マドリーとの適切な合意に至れば、彼が成長を続けていくための最高の事態が作り出されるだろう。」 と語っている。
なぜVCFはアルビオルの売却を受け入れ、グアヘについては拒否するのか? 最終的に、両者の思惑が一致してこの移籍交渉がまとまれば、これはしかるべき経済的な指標を示すのであれば、メスタージャの組織が、自身の選手の誰一人としてフロレンティーノ・ペレスがアレンジするチームに売ることを拒否しているわけではない、ということの証拠になるだろう。ビジャの移籍を拒否したことが、収入を得るための必然的な損失とはならなかったことから、アルビオルの放出を正当化するための1500万ユーロは、直接的にバレンシアが抱える負債の一部を軽減することになるだろう。
グアヘに何が起きたのかということとは別に心に留めておくべきなのは、ウナイ・エメリがアルビオルをチームで一番のセントラルと考えていたことだが、エメリは彼の代わりとなるものを見ている。アレクシス、マルチェナ、マドゥロ、ダビ・ナバーロ(マジョルカから復帰)、デアルベルト。これらの選手たちが空いた場所を埋めるだろう。その反対側、攻撃の場所では、ビジャがゴールを保証する。
バレンシアは、マドリーが1500万ユーロの支払いに合意することでの利益を考え、内々の話し合いでは、ビジャの移籍はチームの様相を変えてしまうが、アルビオルの場合はそうはならないと見ている。ただ、アルビオルが23歳であり、既に代表で15キャップを記録していることは無視できないが。
彼らの行く先がどこになるかはわからないが、フロレンティーノ・ペレスが1500万ユーロの支払いを受け入れるなら、すべてのパーツが事態の終結に向かうだろう。アルビオルは交渉がどのように進んでいくかについて逐一報告を受けるはずだ。彼の意思はクラブを離れるというところにはないが、現れている問題を見たところでは、移籍を受け入れる以外の選択肢はないようだ。それが、このクラブをぐらつかせている負債の一部を経済的に助けることになるのだろうから。
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記事の中にもありますが、なぜビジャは拒否でアルビオルはOKなのか。もちろん価値も違うし、ポジションも違うし、ディフェンスなら代われる選手がチーム内に揃っている。でも、将来のバレンシアの中心になるはずのカンテラ出身の選手を、カルチョの言葉を借りるならバンディエラの一番の候補を、「1500万ユーロなら出せます」と首脳陣で結論出しちゃうのか……。ま、バレンシアお得意のちゃぶ台返し「○○は移籍不可の選手であります」で最後は終わるのかもしれませんけど。
代理人の発言もありますし、マドリーからアルビオルの獲得に対してオファーがあったこと、マドリー側が一定の上乗せをすれば移籍可能とバレンシアが考えていること、の辺りは本当のようです。ペレスがな……基本、ディフェンスにはケチだからどうだろう(ラモスにはちゃんと払ったけど)。
ビジャ
ついでに同じスーペルから、ビジャについての記事を。タイトルは「バレンシアはビジャに新しいプロジェクトを説明するだろう」ということで、バレンシアの評議会(要するに会長周辺の首脳陣)のスポークスマンによる発言。箇条書きでまとめますと、
○ビジャの件では、国内も国外も、どのクラブとの交渉も存在しない
○バレンシアの首脳陣は誰も、南アフリカにいってビジャに状況を説明する必要があるとは考えていない
○ビジャが厳しい時期をすごしたのはわかるが、今後、バレンシアのプロジェクトは野望に満ちたものであり、彼が戦力であるということを説明するだろう
○ビジャは我々にとって重要な選手だ
○我々は、ビジャがこれ以上、彼自身の状況について話をすることを望まない。それは彼のためにもクラブのためにもならない
何となくですが、いけすかないな、と思った。
ということで口直し
El Paisから、アルビオルについてのちょっと良い感じの記事。
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「ラ・ロハ」のメンバーたちは、チームの人間的な価値を保証するものとしてアルビオルを見ている
皆にチョリと呼ばれるアルビオルは、23年前、バレンシアのMarchantで生まれた。マドリーが彼を欲しているという噂も聞くが、彼自身は、コンフェデレーションズ杯の明日の試合でアメリカに勝つことと、プレステでピケやブスケツと対戦する時間を取ること以外は、気にかけていないようだ。「あいつらにはまったくうんざりするよ。あいつらといっしょにやれる奴なんていないさ。」 彼は5年前、その目で死を見た人間だ。
「ヘタフェへの道は雨が降っていたよ。」とアルビオルは回想する。車はカーブから逸れていき、アルビオルはヘリコプターの中で意識を取り戻した。17日間をICUで過ごし、脾臓を摘出して、彼は2ヶ月以上もの間休養することになった。「フットボールに戻ることはないだろうと考えていた。悪夢だった。あの日、僕は死ぬ可能性があったんだということを理解している。だからこそ、今、僕はたくさんのつまらないことで時間を無駄にはしない。人生はとても美しいものだ。僕は一分一秒を楽しんでいる。なぜなら僕は、その1秒が最後の1秒になるかもしれない、ということを知っているからだ。」「これは、どんな時でも、幸せになろうとすることと、自分を取り巻くものにどう挑戦していくかという問題なんだ。」
アルビオルは、両親から教え込まれた価値観を誇らしく感じると言う。アルビオルの両親は、地元の街で20年間に渡って宝くじの小売店を経営している。「両親は、努力するという文化を僕に教えてくれた。働くことなしには、何も得ることができないということだ。」
「チョリはフェノメノだ。」 そう言うのは、代表の中でも特に仲が良いアルベロアだ。この代表で、アルビオルほど愛されている選手はほとんどいないだろう。この点については、カシージャスが語っている。「彼が仲間のところに顔を出すと、その場の雰囲気が彼のものになる。アルビオルはこの代表の顔なんだ。このチームの良いところ全てを集めたのが彼なんだから。」とスペインのカピタンは言う。パブロ・エルナンデスは、アルビオルのことをバレンシアの下部カテゴリーの頃から知っている。現在、メスタージャと代表でチームメイトであるこのエストレーモは、「彼は静かで、騒ぎを起こしたりしないんだ」と知らせる。「彼の場合はね」とカソルラが続ける。「100%そうあるべきフットボーラーというより、優れた人物ということなんだ。でも、フットボーラーとしても最高だよ。」
だから、アルビオルはいるべき場所にいるのだ。ビセンテ・デル・ボスケによると「非常にスピードがあり、ボールを離す点に優れたセントラルだ。まぐれなのではない。ここにいるべき選手だ。ヘディングも非常に素晴らしい。いま23歳で、成長し続けていける。当分の間、このセントラルが存在していくのだ。」
その意味でシャビ・アロンソは、アルビオルが「この若さにしては驚くほど成熟している」ことを強調している。
アルビオル自身は、力強さをつけていきたいと思っている。「もっと強くならなければ。」「成長し続けていくために、多くの点を良くしていかないといけない。」 そして今は、心を落ち着けている時だと理解している。「このチームの中で、僕は一番混乱させられている人間ではないけれど、僕もそうなっているのは認めるよ。」
「間違いなく、人間としても素晴らしいし、フットボーラーとしても最高だね。」とチャビは言う。「速くて、へディングがうまくて、クオリティがある。本当に最高だ。」とピケが付け足す。
「僕は運が良い人間だ、というだけだよ。」 これはアルビオル自身の定義だ。「生きているんだから。」 彼はそう付け加える。「それに、こんな他と比べられないほど優れたチームにいるんだしね。」 そう締めくくったアルビオルは、3ヶ月前から自身の情熱を、映画から彼の人生の愛するものたちへと振り向けている。伴侶であるアリシアと、アサールと名づけられた娘だ。
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生まれたばかりの娘さんの名前、Azaharは「オレンジの花」という意味。バレンシアらしい名前。
アルビオル、すごく褒められていますね。昨シーズン後半、OGとかPKプレゼントとか、何かいろいろやっていたのは忘れておくことに……。
コンフェデでも出場チャンスを得て、きちんと力を示せているのは嬉しいです。今夜はセミファイナルのアメリカ戦。皆、口では「気を引き締めて」とか言っていても、意識はブラジルとやることに飛んでそうな気がするのが少々心配ではありますが。がんばれラ・ロハ。