今シーズン、リーガ・エスパニョーラの新加入選手お披露目で流行しているものは、
クリスチアーノ・ロナウド
カリム・ベンゼマ
ベティスからアトレチコに加入したファニート
バレンシア新加入のフランス人DF、マテュー
シュンスケ・ナカムラも
昨日お披露目したばかりの、バルサのマクスウェルも
スペイン語だとbeso al escudo、名詞になってbesaescudo、盾(エンブレム)にキスするという仕草。別に今シーズンに始まった話ではないのですが、スペインではこの仕草、賛否両論、な感じになっているようです。
批判的なコラムが、20 minutosのブログから。書いているのがどういう立場の人かわかりませんが、「お披露目のたびにエンブレムにキスして“このクラブに入るのをいつも望んでいた”とか言うのって、変じゃないか?」という感じの内容。このライターは、それを言う資格があるのはカンテラから上がってきた選手だ、とも言ってます。そうでしょうね。
たとえばクリスチアーノ・ロナウドがマドリーのエンブレムにキスしているのは、嬉しそうだし良かったねと思いますが、そうは言ってもマンチェスターUの彼を応援し続けていた人にとっては「うっ」とくるシーンに間違いはないだろうし。
このなんとも言いがたいもやもや感の最たるものが、この流行の火付け役になった(と思う)このシーンだろうと思います。
アルビオルです。お披露目の際、ベルナベウに集まったファンから再三「エンブレムにキスして!」というコールがあり、それに応えてキスをした、というシーンです。
どう書いても偏りが出るのでちょっと気が進まない部分もあるのですが、アルビオルの件については、このお披露目の後から既に話題になっていたんですね。たとえば、元の記事が見つけられませんが、スーペルには「キスを強制された」って感じの記事があり、これに付随したバレンシアファンからの書き込みがどっさり見られました。バルセロナのスポルト紙は、「アルビオルはマドリーのエンブレムへのキスに抵抗!」という見出しで、アルビオルがしばらくの間ファンのコールに応えなかった(ボールにサインするとか女の子にユニフォームを着せるとか、一応お仕事があったせいもある)あげくに、役員の人間だかスタッフだかに促されてしぶしぶキスをしたのだという内容の記事を書いてました。この辺り、書いているのがマドリーを批判する気満々の新聞なので、ああそうですねとしか言いようがない部分もありますが(とはいえ、一般紙プブリコも触れていた)。
この件については、アルビオルがかなり直前まで「でもでもだって」と移籍にすっきりしない様子を見せていて、これがマドリディスタたちを苛立たせたという点も大きかったかなと思います。生涯をここでと夢見ていたクラブから叩き売られ、売られた先は生涯の敵と思っていたところ。気持ちの整理がまだついてないのにお披露目に引っ張り出され、バレンシアファンの手前もあり、キスしたくなかったとしても、まあそうだろうなと思います。端的に言ってしまえば踏み絵かイニシエーションかってことになるかもしれませんが、お披露目に集まったファンから「エンブレムにキスして!」の要求が出たのは、これから5シーズンを過ごすクラブへの忠誠心を目に見える形で示してほしい、ということだったのかなと。
で、その後に続く他選手のお披露目でも、この行為が繰り返されるようになりました。本音かどうかはさておき、「私はこのクラブに加入できて大変に喜んでいます。がんばるよ!」をわかりやすく可視化した行為ということで、それをアピールしたい選手にも、アピールさせたい獲得したクラブにも、好都合なパフォーマンスなんでしょう。
ただ、日本で見ているこちらに限らず、現地のフットボールファンでも、違和感ある光景と感じている人は少なくないようです。20minutosのブログに限らず、他にいくつかひっかかったブログやフォーラムでも、「どうなのあれ」「アルビオルのはねえ」ってな感じでいろいろ意見が出ているようで(ちゃんと読んでないけど)。たとえばアルビオルがマドリーのエンブレムにキスしたことについて批判したバレンシアやバルサのファンも、マテューやマクスウェルの行為には、自尊心をくすぐられるか、トゥールーズやインテルのファンの気持ちに自分の気持ちを重ねたり…ま、そんな複雑なこと考えてないかもしれないけど。選手それぞれで、移籍の意味合いが違っているし。違和感ありながらも、わかりやすく可視化という意味では、このパフォーマンスなかなかなくならないだろうなあ。
とはいえ、エンブレムにキスするのしないのは、このシーズンオフ限定の問題だろうと思います。シーズンが始まれば、選手のクラブへの忠誠の評価は、そのプレイ内容、戦績に対して行われるだろうから。
エンブレムにキスの模範演技 by グティさん
クリスチアーノ・ロナウド
カリム・ベンゼマ
ベティスからアトレチコに加入したファニート
バレンシア新加入のフランス人DF、マテュー
シュンスケ・ナカムラも
昨日お披露目したばかりの、バルサのマクスウェルも
スペイン語だとbeso al escudo、名詞になってbesaescudo、盾(エンブレム)にキスするという仕草。別に今シーズンに始まった話ではないのですが、スペインではこの仕草、賛否両論、な感じになっているようです。
批判的なコラムが、20 minutosのブログから。書いているのがどういう立場の人かわかりませんが、「お披露目のたびにエンブレムにキスして“このクラブに入るのをいつも望んでいた”とか言うのって、変じゃないか?」という感じの内容。このライターは、それを言う資格があるのはカンテラから上がってきた選手だ、とも言ってます。そうでしょうね。
たとえばクリスチアーノ・ロナウドがマドリーのエンブレムにキスしているのは、嬉しそうだし良かったねと思いますが、そうは言ってもマンチェスターUの彼を応援し続けていた人にとっては「うっ」とくるシーンに間違いはないだろうし。
このなんとも言いがたいもやもや感の最たるものが、この流行の火付け役になった(と思う)このシーンだろうと思います。
アルビオルです。お披露目の際、ベルナベウに集まったファンから再三「エンブレムにキスして!」というコールがあり、それに応えてキスをした、というシーンです。
どう書いても偏りが出るのでちょっと気が進まない部分もあるのですが、アルビオルの件については、このお披露目の後から既に話題になっていたんですね。たとえば、元の記事が見つけられませんが、スーペルには「キスを強制された」って感じの記事があり、これに付随したバレンシアファンからの書き込みがどっさり見られました。バルセロナのスポルト紙は、「アルビオルはマドリーのエンブレムへのキスに抵抗!」という見出しで、アルビオルがしばらくの間ファンのコールに応えなかった(ボールにサインするとか女の子にユニフォームを着せるとか、一応お仕事があったせいもある)あげくに、役員の人間だかスタッフだかに促されてしぶしぶキスをしたのだという内容の記事を書いてました。この辺り、書いているのがマドリーを批判する気満々の新聞なので、ああそうですねとしか言いようがない部分もありますが(とはいえ、一般紙プブリコも触れていた)。
この件については、アルビオルがかなり直前まで「でもでもだって」と移籍にすっきりしない様子を見せていて、これがマドリディスタたちを苛立たせたという点も大きかったかなと思います。生涯をここでと夢見ていたクラブから叩き売られ、売られた先は生涯の敵と思っていたところ。気持ちの整理がまだついてないのにお披露目に引っ張り出され、バレンシアファンの手前もあり、キスしたくなかったとしても、まあそうだろうなと思います。端的に言ってしまえば踏み絵かイニシエーションかってことになるかもしれませんが、お披露目に集まったファンから「エンブレムにキスして!」の要求が出たのは、これから5シーズンを過ごすクラブへの忠誠心を目に見える形で示してほしい、ということだったのかなと。
で、その後に続く他選手のお披露目でも、この行為が繰り返されるようになりました。本音かどうかはさておき、「私はこのクラブに加入できて大変に喜んでいます。がんばるよ!」をわかりやすく可視化した行為ということで、それをアピールしたい選手にも、アピールさせたい獲得したクラブにも、好都合なパフォーマンスなんでしょう。
ただ、日本で見ているこちらに限らず、現地のフットボールファンでも、違和感ある光景と感じている人は少なくないようです。20minutosのブログに限らず、他にいくつかひっかかったブログやフォーラムでも、「どうなのあれ」「アルビオルのはねえ」ってな感じでいろいろ意見が出ているようで(ちゃんと読んでないけど)。たとえばアルビオルがマドリーのエンブレムにキスしたことについて批判したバレンシアやバルサのファンも、マテューやマクスウェルの行為には、自尊心をくすぐられるか、トゥールーズやインテルのファンの気持ちに自分の気持ちを重ねたり…ま、そんな複雑なこと考えてないかもしれないけど。選手それぞれで、移籍の意味合いが違っているし。違和感ありながらも、わかりやすく可視化という意味では、このパフォーマンスなかなかなくならないだろうなあ。
とはいえ、エンブレムにキスするのしないのは、このシーズンオフ限定の問題だろうと思います。シーズンが始まれば、選手のクラブへの忠誠の評価は、そのプレイ内容、戦績に対して行われるだろうから。
エンブレムにキスの模範演技 by グティさん