普段は、記事訳みたいなものも多くて、あまり自分の意見を書いたりしない(と思っている)方なのですが、ちょっと最近の移籍動向を見ていて思うことがたまったので、どばっと。十分に情報リサーチができているわけでもないし、妄想・想像の産物みたいなところも多々ありますので、その辺は適当に見流してください。ていうか、グダグダと長いだけなので、見ないで流していただいてもよろしいかと。
あらかじめ明記しますが、この記事に書かれていることはひとつの考えでしかありません。また、バレンシアがマテューを獲得したこと、マドリーがカカを獲得したこと、クリスチアーノ・ロナウドと交渉していること(正式に獲得したという記事は出ていないはず)以外に、公式に発表された内容はありません。
諸々のエクスキューズはこの辺にして、
マドリー&フロレンティーノ・ペレスがいきなり
大暴れ大活躍とはいえ、まだ夏の市場は始まったばかり。残り2ヶ月半の間に何が起こるかはまだまったくわからないのですが、バレンシアがどうなるか・・・というのもやっぱり気になる。
先日バレンシアは、マテューというフランス人選手を獲得しました。3年契約、若い左ラテラルです。左ラテラル。バレンシアには、モレッティ、デルオルノ、カルレト、そしてマテューの4人の左ラテラルがいることになります。当然全員は置いておけない。
報道上ですが、放出の第一候補はモレッティ。ジェノアやローマなど、セリエAからのオファーが届いているようです。数日前のバレンシア紙、モレッティは「スペインに来た最初の年からイタリアが懐かしかったよ」と認めながらも「何年も噂はあったけれど、そのたびに僕はここに残ってきた」とコメントしています。でも、クラブとウナイ・エメリはファーストチョイスはマテューと考えているようです(チームの中で評価していないのに変な話ですが)。
カルレトは、まだ若いし使わないならレンタルという手段もある。デルオルノは、シーズン終了直後に、癖になっているアキレス腱を手術しました。手術したばかりの選手を他チームへ出すのは簡単なことではないだろうし、シーズン末期、ウナイ・エメリはデルオルノを使う様子を見せていた。出しても良い、金になるのは…で、モレッティが出される可能性が最も高くなる。
他に放出の可能性があるといわれているのが、ミゲル、ウーゴ・ヴィアナ、エドゥ、アングロ。14日のMARCAの
ある記事内には、バレンシアはどの選手も移籍対象と考えている、というような記述がありました。この辺りはMARCAですから、バレンシアファンからしたら「信用できるかそんなもの」というところかもしれませんが、経済状況からいったらそうなるでしょう。「シルバは移籍の対象ではない」という発言もありましたが、これも満足できるオファーがあり(そしてシルバが承諾するなら)、バレンシアはGOサインを出すだろうと思います。また、同記事内には、特に2シーズン内で契約が切れる選手から移籍交渉が行われる、とありました。
残り1年の選手(エドゥ、バラハ、アングロ)は、バレンシア自身が契約を更新する気がなければ(実際ないと思う)、残り半年を切ったところで自由に移籍交渉ができるようになり、1年後に移籍金はゼロになります。さらに、現時点でも残り半年の時点(冬)でも、選手と他チームで交渉がまとまったら(たとえ契約を解除してでも)移籍させた方が、バレンシアは給料分を節約できる。
このような事情を見透かされて、現時点で既に、残り1年の選手の移籍金は足元を見られる可能性があるわけですね…。「今移籍させないとゼロになる」「契約切れてタダになるのを待ってもいい」と言われたら、たとえ不服な金額であっても、クラブに金が入ってくる方が良いと判断せざるをえなくなる。さらに、契約を2年残している選手も、1年後には同様に、足元を見られて現在よりさらに価値が下がる可能性がある。なので今売れるなら売った方が良い、という思惑がバレンシアにはあるだろう……。
というのが、そのMARCAの記事の内容なのでした。2年後に契約が切れるとして名前が出ているのは、アルビオル、マルチェナ、ビセンテ、ウーゴ・ヴィアナです。使われなかったウーゴはともかく、アルビオルやマルチェナ、ビセンテなら、バレンシアは契約を更新すれば済む話では? という考え方もあります。でも、契約を更新しチームに縛るなら、それなりの上積み(選手の待遇)が必要になります。たぶんそれが今のバレンシアには無理なんだろうと。で、もう縛っておけないなら、お値段高いうちに、買い手がいるうちに……。
現実といえば現実ですが、悲しい話です。もちろん、契約を更新できる選手もいるだろうし、クラブ的なプライオリティというか、選手の移籍を許容できる順位みたいなものもあるとは思いますが、マルチェナ、アルビオル、ビセンテにビジャも加えて、今シーズンのカピタネスです。第1から第4まで、チームの中心にいた選手が、ずらっと市場に並ぶかもしれないとは。
昨シーズンの、クーマンの騒動の頃にも少し書いた気がしますが、お家の事情(=お金がナイ)があるとはいえ、やっぱりバレンシアは人に優しいクラブではない、と思います。もちろん選手のためにクラブが犠牲になるのは本末転倒、クラブは何十年にもわたって存在し続けていき、選手はそこを通り過ぎていくだけの存在。でも、クラブの存在を今現在象徴している選手、骨組みになるような選手が次々放出されていく(または放出して良いと思われている)事実も、また空しい。
と、バレンシアの話を始めたわけですから、当然ながらビジャの話まで。
マドリーとバレンシア間でのビジャの移籍の話。いったんはほぼ合意という内容の報道があり、そして、マドリーのオファー内容をバレンシアが不服とし、この合意をバレンシア側が破棄した、という一件がありました。ビジャの獲得に対し、ネグレド+2500万ユーロのオファーをマドリーが出していたそうです。マドリー側はネグレドを1800万ユーロの価値と見積もっての提示だったそうですが、バレンシア側はその価値付けに納得せず、まとまりかけていたらしい話を白紙に戻しました。スーペルをざっと見ましたが、スーペル読者はバレンシアの判断を大いに支持、ビジャなら5000万ユーロ以上を得るべきだという意見が75%を占めています。
確かにマドリーは、いきなりカカとクリスチアーノ・ロナウドにあれだけの大金をばら撒いたわけですし、それ以外の選手の交渉の場でも「もっと払えるでしょ?」と絞り取られるのも当然かと。バレンシアとマドリーの間が決裂したということで、バルサとマンチェスター・ユナイテッドが、5000万ユーロ以上の金額を提示しつつビジャ獲得に乗り出してきました。バレンシアは移籍金を吊り上げることができ、ここまでは期待通りかもしれません。
さらにバルダーノは、マドリーはそこまでの金額を出すつもりはない、と公言しました。あとはバルサか、プレミアか。
ただ、マドリーとバレンシアの交渉はまだ終わらないのではないか、とも思っています。バレンシアは、希望通りの金額であるなら、バルサでもプレミアのクラブでも良いだろうし、ビジャが移籍を承諾すれば契約は成立。ですが、そうなるとバレンシアがずっと狙っていたネグレドの獲得はもう無理でしょう。モリエンテスもビジャもいなくなった上に、エメリはジギッチを戻す意図はさらさらナシ。となれば、FWを複数、しかも即戦力レベルの選手を獲得したい。しかしバレンシアはCLに出られるわけでもなく、さらにシーズン終了後にW杯があることを考えると、各国代表レベルの選手が移籍して来る可能性は低い。となると、リーガでステップアップを狙っている選手、しかもリーガである程度結果を残している選手。ネグレドは条件に当てはまる最高の人材だろうと思います。でも、マドリー相手に今回の交渉を(しかも報道では一方的に)破棄した、そんなバレンシアが欲しがっている選手を、マドリーがすんなり移籍させてくれることはないでしょう。バルサがビジャの獲得条件に、ボージャンを絡ませているようですので、バレンシアはボージャンかネグレドかを選べるとも言える。ですが、バレンシアは、ボージャンよりネグレドの方が欲しいはず(しかもボージャン、レンタルらしいし)。ということで、バレンシアは、完全にマドリーとの交渉を打ち切れないのでは、という予測が1つ。
一方で、マドリーの事情。そもそも、本当に新しいFWを取る必要あるのか?という疑問はあるのですが、現在所属しているFWたちへの評価を考えると、確かにまだ補強できるならクラックであるFWを獲得するべきだ、という点はあると思います。ルートは万全なら最高のFWですが、年齢が上がっていることと膝が信頼できるほどに完治しているかわからない(膝の怪我、手術は後を引くこともある)。また、過去2シーズン、大切なとき(CL決勝トーナメント時)にいてくれなかったというネガティブな面もある。フンテラールは、あれだけの短期間で判断されるのはかわいそうですが、ハマらないと取れないというか、クラックとは言えない。イグアインはこの先まだまだ成長が見込めるFWだし、戦うメンタルも評価は高いと思います。でも、やっぱりまだ中心にはならないだろう。ネグレドは、戻す可能性もあるかもしれませんが、今のところ移籍の駒扱い。ラウルは・・・なんかもうFW扱いされてない気がします。CFWのサポート役兼ピボーテのお手伝い、みたいな。逆に言えば、そうでないとラウルも生き残れない。
フロレンティーノ・ペレスは、ビジャに拘っていないと思います。バレンシアがビジャの件での合意を破棄したといわれてから、即座に次の目標をフォルランに絞った、と報道がされていました。会長就任前は、スペイン人中心で行くようなことを言っていましたが、所詮ペレスだし。「値段高すぎて取れなかったの」という理由でビジャから手を引いて、じゃあ次~、と思っているのではないかと。
問題はファン。MARCA紙調べ、ではありますが、75%を超えるマドリディスタが、ビジャの獲得を望んでいるとのこと。ここまで確かに派手な補強に見えていますが、カカ&クリスチアーノ・ロナウドという補強に、マドリディスタは満足していないだろうと思います。怪我がちでまだ輝きを取り戻せていないカカ、チーム内や外での態度に疑問があるクリスチアーノ・ロナウド(しかも負傷を抱えている)。それにカカもクリスチアーノ・ロナウドも純粋なFWではない。
そこでビジャが市場に出ている。やっぱりスペインを代表する選手は、マドリディスタは欲しいはず。現在代表に、GKと右ラテラルと守備の2人しか出していないのも、不満だろうと思います。しかもここでバルサが乗り出してきたとあっては、「バルサには絶対に取られたくないマドリディスタ的心理」が生まれてしまったのではないかと思います。
でも、もしビジャがバルサに移籍したら。そしてバルサで大活躍し、またマドリーが差をつけられるようなことになれば。大失態として、ファンはフロレンティーノ・ペレスを許さないだろうと思います。
ま、この辺は、大いに私の想像の部分ではありますが。
ということで、ビジャの件ではまだまだいろいろあるだろうな、と予想しているわけです。
私はご覧のとおりマドリー寄りで、ビジャのマドリー加入についてはいろいろ思うところはあります。全般的には、来てくれたら嬉しいと思っています。ただ、それによってじゃあ前線はいったいどうなるんだとか、余剰人員は誰と誰なんだとか、ラウルはどこにいればいいんですかとか、そういう疑問も当然あります。カカにクリスチアーノ・ロナウドとペレスが大砲をぶち上げている中で、仮にビジャがマドリーに加入しても、現在スペイン最高のFWなのに存在が蔑ろにされそう、という心配もしてます。勝手に。
ま、そんなマドリーファン的気分は置いておいても、南アフリカでビジャはどんな気分なんだろうか。今回の件で、ビジャの真意はどこにあるんだろうか、と思います。バレンシアの今回の移籍話の破棄は、ビジャの意図を汲んだものだったのか。以前、ビジャは国内で動くならバルサを希望している、という報道もありました。だから、バルサで話がまとまるなら、ま、よかったね、とも言えます。でも、もしビジャがマドリー移籍を(それなりに)了承した上で、クラブ間の交渉が行われていたのに、バレンシアがこれを破棄したのなら。このクラブはやっぱり選手の意図は二の次だ、と思っていたことになる。
また、仮にビジャの意図が入る以前のクラブ間での交渉であれば、それもまた問題だなと思います。これだけの高額の移籍金がかかる移籍話が、自分の意図とは無関係でもクラブ間で合意し、後はビジャ自身がOKなら契約成立だよと言われたときに、もし嫌だとしても、その合意をひっくり返すような発言ができるんだろうかと。バレンシアのためにできるだけ多くの移籍金を稼げるなら、どこでもいいやなんて割り切る…のなんて、無理だよなビジャ。
一番幸せなのは、バレンシアに残ることだろうとは思いますが……うーん、でもそれも幸せかどうかは微妙だよなあ…。