まだ途中で結論は早いとはいえ、アスリートの大会としては北京オリンピックは成功するだろう。世界記録のラッシュが続いているからだ。それにしても、中国は多民族国家なのに漢民族のオリンピックということがはっきりしたし、自国民の身びいきにはうんざりするほどの報道が続いている。
共産党一党独裁により、多様な価値観を体験してこなかった中国人は、欧米のように近代市民社会を経験していない。価値観はただ共産党が創り出した正義しかない。それゆえに、権力のいうがままに行動している。それが国家レベルで起こっているのが中国の現実だ。
以上を踏まえて、このオリンピックがこれからの中国になにをもたらすか、ということを考えてみたい。
まずオリンピックは国際大会だ。地球上のあらゆる国から地域から、多くのアスリートが集った。中国人の目の前で、勝ったり負けたりした。中国至上主義の中国人にとっては、あまり愉快なことではないが、眼前で行われている競技を認めないわけにはいかない。
それを認めることで、一種の相対主義の認識が高まる。中国絶対であった認識が揺らぎ、外国人もやるものだ、という感覚が生じる。それによって、世界への理解が促進される。
むろん為政者や中国共産党に毒されていない人々は、そんなことは知っている。問題は、共産党一党独裁下で純粋培養された民衆だ。そういう人たちに、世界は広い、という相対主義的な考えが浸透する機会になったのではないか。
そこから、世界のさまざまなことに関心が向く。中国の政治はどうなのか、共産党でいいのか、独裁政権に問題はないのか、と自分たちの足下を考えるきっかけになるだろう。
民衆のそうした認識が醸成されることによって、中国の政治になにかが起きたときに、従来とは違う対応ができる可能性が広がる。
確かに、北京オリンピックは国威発揚大会ではあったが、以上の意味から諸刃の刃であったことも事実だ。もうひとつは、さまざまな国を招聘したことによって、中国自体の国際化が推進されることも考えられる。
毒ギョーザ事件でも、最初から欺瞞的で独善的な主張を繰り返すだけだった。それが一転、自らの非を認めた。オリンピック前で、曖昧さを引きずることによって、諸外国の疑心暗鬼を解消したかった狙いはあるだろうが、それでも進歩ではあった。
絶対否定から、是々非々でも問題を解決しようとする姿勢が、オリンピックを契機に生まれたと考えることができる。たぶん中国は、このオリンピックを境にして変わるかもしれない。オリンピックを経験した民衆圧力によって、共産党がどう変質していくかにかかっている。共産党以外に反対勢力がないから、民衆をなだめるために共産党がなんらかの形で分裂し、一党独裁が崩れるかもしれない。楽観的ではあるが、それが中国の民主化のはじまりになるのだろうか。http://www.blogmura.com/ にほんブログ村
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共産党一党独裁により、多様な価値観を体験してこなかった中国人は、欧米のように近代市民社会を経験していない。価値観はただ共産党が創り出した正義しかない。それゆえに、権力のいうがままに行動している。それが国家レベルで起こっているのが中国の現実だ。
以上を踏まえて、このオリンピックがこれからの中国になにをもたらすか、ということを考えてみたい。
まずオリンピックは国際大会だ。地球上のあらゆる国から地域から、多くのアスリートが集った。中国人の目の前で、勝ったり負けたりした。中国至上主義の中国人にとっては、あまり愉快なことではないが、眼前で行われている競技を認めないわけにはいかない。
それを認めることで、一種の相対主義の認識が高まる。中国絶対であった認識が揺らぎ、外国人もやるものだ、という感覚が生じる。それによって、世界への理解が促進される。
むろん為政者や中国共産党に毒されていない人々は、そんなことは知っている。問題は、共産党一党独裁下で純粋培養された民衆だ。そういう人たちに、世界は広い、という相対主義的な考えが浸透する機会になったのではないか。
そこから、世界のさまざまなことに関心が向く。中国の政治はどうなのか、共産党でいいのか、独裁政権に問題はないのか、と自分たちの足下を考えるきっかけになるだろう。
民衆のそうした認識が醸成されることによって、中国の政治になにかが起きたときに、従来とは違う対応ができる可能性が広がる。
確かに、北京オリンピックは国威発揚大会ではあったが、以上の意味から諸刃の刃であったことも事実だ。もうひとつは、さまざまな国を招聘したことによって、中国自体の国際化が推進されることも考えられる。
毒ギョーザ事件でも、最初から欺瞞的で独善的な主張を繰り返すだけだった。それが一転、自らの非を認めた。オリンピック前で、曖昧さを引きずることによって、諸外国の疑心暗鬼を解消したかった狙いはあるだろうが、それでも進歩ではあった。
絶対否定から、是々非々でも問題を解決しようとする姿勢が、オリンピックを契機に生まれたと考えることができる。たぶん中国は、このオリンピックを境にして変わるかもしれない。オリンピックを経験した民衆圧力によって、共産党がどう変質していくかにかかっている。共産党以外に反対勢力がないから、民衆をなだめるために共産党がなんらかの形で分裂し、一党独裁が崩れるかもしれない。楽観的ではあるが、それが中国の民主化のはじまりになるのだろうか。http://www.blogmura.com/ にほんブログ村
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