団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

米国金融恐慌に見る栄枯盛衰

2008-09-24 09:04:30 | Weblog
 うちが発行している雑誌を印刷している会社の社長が「取引が500万円なくなってしまいました」と苦笑いをしていた。
「景気はもっと悪くなりますよ」と付け加えたが、つまりサブプライムローンの余波で、金融機関が不動産会社から資金を引き上げ、不動産不況となり、そして不動産のPRをするチラシの依頼がなくなった、という次第だ。
 銀行が自らを守るため、早期に資金を回収することはすでに常套的に行なわれているが、不動産、建設と不良債権の多い業界からはじめている。次はどこか、なんて取り沙汰されているが、景気はピンポン玉のように、こちらに当たれば弾かれた玉が、またどこかに飛んでいって弾かれる、という連鎖を起こす。
 印刷所では当然、経費の引き締めやリストラを行なうから、その影響を受ければ、その当該者が同じようなことをして、さらに広がっていく。
 社会は大きいから、その余波が広がっていくには時間がかかるにしても、じわじわとアメリカ発の金融恐慌が、日本の生活にも暗い影を落とすわけだ。
 とはいえ、あれほど栄華を極めたアメリカの金融業界が、サブプライムローンの破綻をきっかけに崩壊した。こうした金融パニックが見抜けなかったか、といえば、日本のバブル崩壊も誰も予想できなかった。
 アメリカの人々は家を買い替えることを日常にしているそうだ。だから高金利でもローンを組んで家を購入。ある時期が来たら、それを売ってまた新居を買う。だから高金利でも家が高く売れればローンが払えるし、たぶん利ざやで儲かる。安くしか売れなくなったら、買い替えできず、高金利を払い続けることもできず破産し、不良債権化する。その債権を証券化して世界中に売ってしまったのが証券会社だった。 
 つまり、ひたひたとアメリカは景気が悪くなっていたのだろう。その不況がまずサブプライムローンの人々を襲った。だからその破綻は読めないわけではなかったろうが、複雑で不可解な金融商品にしてしまいひとり歩きして、制御不能にまで拡大したのだろう。
 日本のバブルでも、不動産や株に浮かれて人々は舞い上がった。決して実態のあるものではなかった。実態のないことでは、今回のことと共通しており、金をおもちゃにする資本主義のいかがわしさを見る思いで、栄枯盛衰は必ずあることを想起する。
 またぞろ日本の金融業界がこれを機に、アメリカの金融機関に援助し、海外市場の拡大を目論んでいる。相変わらず懲りない面々である。http://www.blogmura.com/ にほんブログ村

 カメラ・写真、フォトギャラリーの動向に興味のある方は「Web写真人」をご覧ください。また拙著「団塊の世代の世間話」の案内ページにもアクセスできます。「Web写真人」で検索できます。アクセスをお願い申し上げます。首都圏のフォトサロン/ギャラリー一覧を掲載。


コメントを投稿