団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

校内犯罪は解決できるのか

2009-01-28 08:26:04 | Weblog
 ある高校のクラス内で盗難があり、担任の先生が生徒に白状させるため、何人かの指紋をとって大騒ぎになった、と新聞報道にあった。
 その教諭には処分が下されるそうだが、この問題はかなり深刻だ。
 つまり学内の犯罪をどう裁くかということで、いじめや荒っぽい暴力沙汰なら、表立っての処分も相応に思われるが、犯人が特定できない窃盗などをどう解明しどう裁定するのか、というマニュアルを学校側は持っているのだろうか。
 今回のケースは、携帯電話のメモリーカードが盗まれたわけだが、担任の先生はまず目撃者がいないか、ということで知っていることを紙に書かせた。なにも出てこない。
「やった者は正直に教えて欲しい」と生徒に訴えたが、これも反応はない。そこで生徒から自白を引き出すために、指紋をとった。むろん警察に提出する意思はなかったが、これによって盗んだ生徒があきらめて、白状すれば済んだわけだが、これも不発に終わり、表面化して担任の処分になった。
 生徒の人権、人道に反する行為、と校長はコメント。学内で指紋をとったぐらいで大袈裟とも思うが、新聞には、じゃあ、その盗難事件がどうなったかは触れられていなかった。
 メモリーカードを盗まれた生徒もさることながら、このクラスはずっと疑心暗鬼で学校生活を送ることになる。これでは生徒全員に暗い影を落とすことになる。ひとりの犯罪者を暴くことによってクラス全員が救われることもある。
 結局、この盗難の一件は分からずじまいに終わりそうで、先生ひとりを処分してもなんら解決にはならない。学内では犯罪は起こらない、という無謬性に立脚しており、犯罪に対する対応そのものの視点が欠けている。
 学校としては、どんな些細な犯罪も決して看過しない、必要とあらば警察を入れて捜査する、と決然とした意思表明をすべきであった。
 指紋云々の問題ではなかったのだ。学内から犯罪を一掃する決意こそが求められ、軽い気持ちでも人の物を盗むことが許されることではない、というルールを教育として徹底させることではないか。
 できれば盗んだ生徒が名乗り出れば解決したのだが、罪の意識もなく逃げられればやり得という気持ちだろう。そうした意識を作ったのは現代社会だが、学校がそうであっていいわけはない。
 学内の犯罪に対する徹底したマニュアル作りが求められ、それを生徒に知らしめる努力によって、犯罪への抑止力にもなるのではないか。

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