団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

個室ビデオ店でなぜ15名も死んだ

2008-10-02 09:08:28 | Weblog
 犯人が捕まり原因究明も進んでいるが、大阪の個室ビデオ店で15名もの人が焼け死んだ。かつて歌舞伎町であったピンクサロンの火事を思い出す惨事だが、どうして15名の多くの人が亡くなったのだろう。
 ビデオ店の防火関係の設備には問題なかったという。確かに1坪程度のスペースの個室、狭い通路で中は迷路のようになっており、しかも火災発生で停電にでもなれば、どこに避難していいかも分からなくなる。
 火災発生は深夜で、個室ビデオ店といっても、みんながビデオを見ているわけではなく、安い宿泊所というわけで、寝入っている人も多かったそうだ。
 火災報知器が鳴り響いても、すぐには気がつかなかった人が多かったに違いない。
 もうひとつは、たぶんこれが最大の理由だが、従来の防火設備では対応できなかったのではないか。というのは、死んだほとんどの人は、焼け死んだわけではなく、煙を吸っての窒息死だったからだ。
 新建材の毒煙がもうもうと噴き出し、すぐに部屋中に充満。それを少しでも吸えば、咳き込み呼吸困難に陥ってしまう。歌舞伎町の火災も、発泡スチロールの毒煙が原因だった。
 ということは、スプリンクラーのような熱に関知して水が出るものでは、毒煙には役に立たないということだ。
 密閉した空間では、火や熱よりも煙が怖い。だから、今回の死亡者もみんなきれいな顔をしていたという。その煙をどうするのか、という教訓がこれまでの火災から生かされなかった。
 たぶんもっとも効果のあるものは、脱煙装置であろう。これを煙に自動的に探知して屋外に煙を吐き出すように作れば、もっとも有効な救命装置になるのではないか。
 現在の脱煙装置は、たばこなどの排気に使われており大型のものはあまりないそうだ。要は超強力な排気ファンがあればいいわけで、それならさほど高額にはならない。ただ脱煙装置が動き出して風が起こり、火勢が増す恐れがあるかもしれない。
 消防署は火災を消し止める仕事である。火災さえ発生しなければ問題はないのだが、煙で人が死ぬことをもっと考慮してきてもよかった。
 不特定多数の人間が出入りする密閉された場所では、脱煙装置の設置を義務付けるようにすれば、たぶんもっと死者は少なくなるだろう。
 残業で遅くなり、泊まる場所がなく手持ちの金もわずかで、しかたなく個室ビデオ店を利用した人もいるだろう。泥酔して終電に乗り遅れ、そうしたところに泊まりそうな人はご用心を。
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