きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

とびしま海道のこと ~ もう一つの県境越え

2011-08-20 15:57:36 | 遠くへ~少しだけ非日常
しまなみではなくとびしまです。

どこにあるん?と云われそうですが、安芸灘とびしま海道が正式名で、この名称になってからもうすぐ3年になるようです。それまでは「裏しまなみ=ウラシマ」と呼ばれていたとの情報もあります。何でここに興味を持ったかというと、その正式名になってしばらく後、地元紙に「豊島大橋の完成で、岡村島から呉まで陸路で行けるようになった」みたいなことが書かれてあったのを見て何となく覚えていたからです。で、その約半年後に行ってみることにしたわけです。いつもの如く、前々から狙って準備はしていましたが、良し行こう!と決断したのはその日の朝です。もう1年以上前の話です。何で急に思い出したのかというと、先日、この時に乗った船の航路があった廃港の傍を通ったからです。

まだ薄暗い中、JRに乗って港まで行きます。早朝の便に乗るためにJRの駅まではRUN。これもいつもの如くということになるもしれません。港に着くと、目指す船が分からず、港の人にきくと、思っていたところと全然違うところに乗り場がありました。結構小さな船でした。役場の人やらいろいろな人が乗り込んで、船は満席一歩手前という感じになりました。

現時点でのとびしま海道の東端にあたる岡村島というところに着きました。さっそくスタート。すぐに集落がなくなります。海岸沿いを北上すると、やがて小さな島を挟んで2つの橋が見えました。

通常は呉側から数えるのかもしれませんが、今回は愛媛県側からということで、一つめの橋、岡村大橋です。

早速の県境越え。

橋を渡るとすぐにカーブします。

中ノ島は小さな島なので、すぐに次の橋になります。中の瀬戸大橋です。

もう一つ小さな島(平羅島)を通過し、平羅橋へと進みます。大崎下島という大きな島へと続きます。


島嶼部における橋の存在は、人や物が行き来しやすくなるという点で、単なる便利さにとどまらず、生活のスタイルそのものが変わるということも考えられるのではないかと思います。また、今回のようなとびしまの場合、それに加えて救急や消防関係の協力など、いろいろなことを県を越えて話し合ったようです。県を越えての合併はそうそう実現することはないのでしょうが(岐阜と長野でありましたか)、この辺も、地元の人にとってはいろいろ思いがあるようです。とびしま以外でも、広島と愛媛の島々は、まだ橋がない島であっても「県」という枠では整理できないものがあるようです。うまく記せませんが、そういうことを思いながら、島を次々と(というより橋を次々と)走っていました。

この島の南側には古い町並みがあり、結構な名所でのんびり眺めながら走るにはいいところのようですが、この時は、そんなに余裕がなく、最短ルートである島の北部の道を走りました。
行きのフェリーも便数が少ないのですが、帰りのフェリーもそう便数は多くないし、呉のJRが通っているところまでたどり着いたら、疲れ具合によってJRで港まで行こうと思っていましたので、気分的には先へ先へという感じでした。今考えるともったいない気もしますが、心配性なものですからこの先もたぶんどこへ行っても同じような感じになるのかなと思います。
で、豊島へと渡る豊浜大橋です。まだまだ序盤だなあという感じでした。残っている写真の少なさに余裕のなさを感じます。

豊島も島の北側の道路を走行。道幅とか起伏とか実は記憶が曖昧です(旅走記になりませんな、ははは)。遠くに、最も新しい豊島大橋が見えました。


橋を渡り、上蒲刈島へ。大きな橋に付随して大きな道路ができており、この大きな道路沿いに山の方へと走ります。傾斜があります。そして、島の南側の広い道路を走ります。迷うといけないのでとにかくメインルートです。行程も半分を過ぎ、少し景色が目に入るようになってきたのでしょうか。ごつごつした岩肌を見ながら水分摂取です。

海から少し山側に入り、ふと見ると中国語とハングル。何か妙な感じでした。

淡々と走り、ようやく蒲刈大橋が見えました。見通しがついたところで、橋の手前のであいの館で、塩アイス(全然塩じゃない気がした)と炭酸を採ります。塩アイスは記憶違いかもしれませんでも、結構な値段したのは覚えているので、アイスを食ったのは間違いないと思います。
しばし海を眺めた後、出発。蒲刈大橋を通過です。遠くに安芸灘大橋が見えました。橋から橋を眺めるというのもなかなかできることではないなと思い、気分良く通過です。


下蒲刈島も、最短ルートを行きます。きつい傾斜の合間に無人販売所がありました。買って帰りたいのですが、重くなるので止めます。残念だなあといつも思います。

でいよいよ最後の7つ目の安芸灘大橋です。車は有料らしいですね。
橋を渡ってようやく呉へ。といっても、呉市というのはでかくて、いくつもいくつも街があります。JRの駅もそれに合わせていくつかありますが本数が少ないのと、できれば港まで行きたいというのがあり、とことこと走り続けます。
見覚えがある愛媛行きのフェリー乗り場の近くまで来てようやく落ち着きました。見覚えがある、というのは、ここは単車に乗っている時から、私用公用を問わず本州に渡るときによく利用していたからです。時間が短くて安いので。
帰りの船の時間はかなり余裕があるので、コンビニを物色。500ミリリットル2缶とオムソバを購入。以前の記憶を頼りに港の方へと行くと、なんと2㎞先に移転していました。
もう走る気持ちにはなっていなかったので、500ミリリットル2缶とオムソバを持ったまま歩きました。途中、海が見えた辺りの道端で遅い昼食となりました。

港はここからまだ先にありましたが、道端とはいえ付近には何もなく、昼食をとるには支障はなかったです(自分がそう思っていただけかもしれませんが)。
そして、見慣れたフェリーに乗り込み、帰路へ。そして、港からJRの駅まで歩き、家路に向かいました。
後日談として、この数ヶ月後に、この航路が突然廃止になり(高速や橋の料金が下がった関係でしょうか)、最後に降りた港も閉鎖されました。港がなくなったことは、とびしまを走ったことと同じぐらいに、いろいろな想いでそのことを受け止めました。結構、よく利用していましたからねえ。

さて、その後のとびしまですが、安芸灘とびしま海道オレンジライドが昨年から開かれているようで、こういう感じで、チャリだけでなく走る方もしまなみ海道ウルトラ遠足みたいな大会が開かれると、なかなか楽しいだろうなあと思いました。
そういえば、明日は、中島のトライアスロン大会の日ですね。やってみたいけど、なかなかトライアスロンの世界に踏み込めない儂にとっては、する側ではなくあくまで見る立場の競技であり、しかも今のところ数ヶ月後のテレビ放映を見ているだけではあります。まあ、一度は生で見てみたいと思ったりもします。中島はアットホームな大会で人気があるときいています。参加される方の御健闘をお祈りします、っていうより正直、いいなぁという感じです。