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バーミンガムロイヤルバレエ「眠りの森の美女」 2011年5月21日ソワレ プロローグまでの感想


昨日はバーミンガム・ロイヤル・バレエの「眠りの森の美女」を観てきました!
チケットはソワレ(佐久間奈緒&ツァオ・チー)を持っていたのですが、
よくよく考えたらワタクシ、昨日はお休みだったので、マチネも追加で買えばよかったかなー、
などと思ったり。

というのも、マチネはカタラビュットがデイヴィッド・モース、カラボスがマリオン・テイトという、オールド・ファンにとってはたまらない素敵ご夫妻が出演でしたので。。。

でもソワレのマイケル・オヘアも大好きですし、なんとマリオンがソワレも出てくれたので、
思わぬ僥倖でした。(キャスティングされていたサマラ・ダウンズが大事無いことを祈ります)

お友達にとっていただいたチケットはレフトサイドの前の方の列、一桁台のお席。
ありがたやありがたや~、とても観やすくてよかったです。

客席はほぼ埋まっていたのですが、わたしの近くのけっこうよいお席、5つくらいがガポっと抜けていて、ご事情でこられない方がいらしたのか、ちょっともったいないなー、と思いました。

コヴェントガーデンのロイヤル・バレエの眠りは何度か観たことがありますが、
BRBの眠りは初めて(だと思う、たぶん)

ちょっとびっくりするくらいテンポが速い曲とかあったんだけども、それがライト版なのか、
今のビントリーの意向なのか、そこらへんはよくわからない。

ロイヤル・バレエの衣装はロンドンもバーミンガムもとても繊細で重厚で素敵で、
今回も大期待していました。
概ね舞台装置にしても衣装にしても、美しくて品がよくて好きですが、
6人の妖精たちの衣装はもうちょっと華やかな色合いでもいいんじゃないかなー、と思いました。
あとは、、、3幕の罰ゲームか?と思っちゃうくらいのモンブラン鬘とか(笑)ツッコミどころは色々ありました~♪

タイムスケジュールとしては、プロローグ 休憩 第1幕・第2幕 休憩 第3幕
という構成。
2幕の「幻影の場」のあとの「パノラマ」は、そこではカットされて、2幕の最後にオーロラ姫と王子の目覚めのパ・ド・ドゥとして使われています。

わたしの左隣のカップルさんたちが、どうやら全幕バレエは初めて観るという方々でした。
男性はプロローグはがんばって起きていたのですが、
男性「誰がオーロラ姫なのかよくわからない」
女性「えー?オーロラ姫はまだ出ていないんじゃないかなあ、あの赤ちゃんみたいなのがそうでしょ?」
的な会話をなさっていて、
第1幕のオーロラ姫登場での観客の拍手で「ほら、やっぱりね!」みたいな雰囲気でした。
しかし、男性、ローズアダージオであえなくダウン。
熟睡なさっていましたねえ。
観客の拍手のたびにお目覚めし、拍手に参加、踊りが再開されるとまたダウン、という感じ。

まるでCMカットしながらチャプター編集していたのを、うっかり、消すべきCMを残して、
残したいチャプターを消去しちゃうような(苦笑)

でも彼はえらかった!幻影の場は頑張って起きていたのですよ。

しかし3幕は撃沈していました。。。。

これに懲りず、またバレエを観てくださいね、お兄さん!と思ったのでした。

ではでは感想です。
プロローグ
最初に会場入りしたときに緞帳の類は降りていなくて、舞台装置の一部である幕がかかっていました。
これが引き幕みたいな仕掛けになっていて、物語が始まると上手から登場した侍従がそのまま幕の前を横切って下手に移動し、
その幕を彼が上手側に移動しながら開けていく、、、という仕掛けになっています。

侍従やカタラビュット、宮廷の男性たちはだいたいハイドンみたいな鬘スタイル。(バロック調なカツラのことです)
でも妖精のお付きの騎士は地毛
衛兵は2人で鎧甲冑ですが、兜はふっさふさの飾りが付いていて、思わずペトゥホフんとこの、甲冑4人の王子を思い出しちゃいました(笑)(あれ、懐かしいねえ。また観たいもんだ)

最初に幕が開いたばっかりは、ものすごく照明も抑え目で、装置とかは重厚で豪華なんだけども
特にマイケル・オヘア演ずるカタラビュットの錫杖なんか、やたらと豪華だったりするのですが、
いかんせん色調が全体的にシックで抑え目(黒、濃紺、濃緑、深紅、金が基調カラー)だもんだから、
一瞬「あれ?ライト版の白鳥の湖第1幕かや?」(父王の死の後、喪も明け切らないなかでの王位継承、みたいな暗さ)と思うくらい、かなり暗い。
ロイヤルナース(2人)も黒い衣装なんだもん。

王様&王妃さまも、そんな抑え目の色調の中では、わりと豪奢なのだが、とびっきりど派手というわけでもなく。

ダウエル版のまるでファッションショーさながらに現れる王妃さまとはえらい違いでありますよ。

まあ、このシックな色調だからこそ、妖精ちゃんたちがキラキラ輝くのだろうね!

と、思って観ていたのですが、

これがまた、妖精ちゃんたちの衣装の地味なことったら!

いや、ほんとに、ロイヤルの衣装って、美しくて手が込んでいて、好きなんだけども、
ここはもうちょい派手でもいいんじゃないか?と思ってしまいましたよ!
派手というか、、、もちっとそれぞれの妖精がわかりやすいカラーというか、、、

バーミンガムのプロダクションの中の、ライト版の「くるみ割り人形」、あれの2幕の各国の踊りなんかの衣装のほうが、よっぽどキラキラなんですよね。

ここの版ではリラの精は踊らない役柄。(というか原典は踊らない役だったのを、その後、あまりにも優美なリラの精の曲を使わないのはもったいないということで踊る役になっていったのですが)
じゃあ、あの、リラの精のヴァリアシオンはどうすんのか?
ということで、ライト版ではリラの精を除いて妖精のソリストを6人にしちゃっているのであります。合理的解決。

ですので「別格扱い」のリラの精がリラのお付きの妖精ちゃん達とも現れますし、
パ・ド・シスは6人のソリストによって踊られるし、
5人の妖精とリラのヴァリアシオンもきちんと踊られるのでした。

やっぱり、リラの曲は、、、踊ってほしいよね~。

NBSも方針が変わったのか、以前はキャスト表もパンフレットも、日英二ヶ国語表記だったんですが、この頃は日本語のみってことも多くなってきちゃいました。(英語表記のキャスト表は、カウンターに行けばもらえるはず)(前はキャスト表は両面刷りで片面日本語、片面英語だったんですよね)
今回はパンフレットにはキャスト表は記載されていませんでした。


パ・ド・シスのときから1人、容姿(美しい黒人系の女性の方)、踊り的にも際立っていたのが、通常の版でリラの精が踊るパートを担っていた、「喜びの精」のセリーヌ・ギッテンス。
抜群のプロポーションもさることながら、身体能力も素晴らしい。
見惚れてしまいました。
いや、ほかがちょっとお疲れモードというか、(マチソワってのもあるでしょうが、来日してからちょうど疲れが出やすい日にちのような気もしましたよ)
そんなに際立ってすごい!という感じでもなく
(というか、アンブラ・ヴァッロはカナリアかビオランテで観たかったような気もするよ)
だからよけいに彼女が目立っていたといいますか。
いちいちアチチュードの足とかに見惚れてしまったわよ。
体操ちっくだとか、えいやっていう感じでもなくてですね、
まあ、たぶんに身体的にものすごく恵まれた資質があるとは思いますが、
品のよさもありましたし、お上手でしたし、なんてったって、綺麗な人でしたよ。
彼女はいろんな役柄で各幕出ずっぱりでしたが、どのお衣装でも鬘でも美しかった!

さまざまある「眠り」の妖精ちゃんたちの役柄名ですが、
ちょちょっとまとめてみました。
まあこれにしたって、ほんの一部ですけども。。。

・バーミンガム・ロイヤル・バレエの役名/
その下にほかの版で見られる役名

で並べてみました

・美しさの精/
元気の精、夾竹桃の精、桜の木の精、Candideなど

・誇らしさの精/
優しさの精、三色ヒルガオの精、松の木の精、Coulante 、 Fleur de farine

・謙虚さの精/
鷹揚の精、パンくずの精、カーネーションの精、Miettes - qui tombent

・歌の精/
暢気の精、カナリアの精、歌鳥の精、Canari - qui chante

・激しさの精/
勇気の精、とねりこの精、 Violente - échevelée

・喜びの精/
リラの精、善の精


リラの精を演じたジャオ・レイもカラボスを演じたマリオン・テイトも決して背が高いわけではないのですが、(マリオンよりはジャオ・レイのほうが大きいけど)
そしてリラにいたっては全く踊ってはいないのですが、
はっきり言って、妖精のソリストさんより、ものっすごく圧倒的な存在感でした。
もう、プロローグはこの2人に(というかマリオンに)完全に支配されちゃっていましたね~。
仕草や表情で観客へ訴えかける技量が半端じゃなかったですね。

カラボスが登場したときは、カラボスお付きの騎士たちの被り物や衣装がとっても素敵で、
「さすがは被り物のロイヤル!」と心の中で快哉を挙げてしまいました(笑)
そしていきなりの「ラスボス」登場みたいな、かっちょいいお神輿にかつがれて、
カラボス登場!

「どう観ても、マリオン以外の何ものでもないじゃん!」

わたしはけっこう前の席だったので、オペグラはしまいっぱなしでしたが、
思わず取り出したくなってしまったくらいでした。

いやー、あの演技力、存在感、場を支配する強さ、(プラス小柄さ)から見ても、
マリオンじゃなくて、誰だっつーの?


配役変更のアナウンスとか、全然聞いた覚えがなかったのですが(まあギリギリまで外にいたんですけども)、休憩時間にはまっさきにロビーでキャスト変更の張り出しがないか、確認しちゃいましたもんね。

いやー、わたし、女性がカラボスを演じる、もしくは踊るバージョン(井脇さんとか)は決して嫌いではないものの、
やっぱりこれは、男性が演じるほうが慣れているのですが、
こと今回は。

まるでマリオンが演じるために作られたかのような素晴らしいカラボスにゾクゾクしちゃいました。
あー、もう、これを観られただけでも、チケット代のもとが取れるってもんですよ。
ああ、ほんとに幸せですわ~。


最近のマリオンは、こういうキャラクター役を「嬉々として」「怪演」しているお方ですが、
今回のカラボスは「ぶっ飛んで」という雰囲気は無く、(まあ存在感ではぶっ飛んではいたけども)「悪の精」の冷徹っぷりで、こちらをシビれさせてくださいました。
気高くておっかなくて、雪の女王みたいだったな~。

ちなみにお隣の男性は「魔女、すげー」と(笑)


とりあえず明日も早いので今日はここまで(スイマセン)
ちょっと祖母の米寿のお祝いで疲れちゃった。。。。






英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団2011年日本公演
「眠れる森の美女」 
プロローグ付全3幕

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付:マリウス・プティパ、ピーター・ライト
演出:ピーター・ライト
衣裳・装置:フィリップ・プラウズ
照明:マーク・ジョナサン


国王フロレスタン二十四世:ドミニク・アントヌッチ
王妃:アンドレア・トレディニック
オーロラ姫:佐久間奈緒
フロリムンド王子:ツァオ・チー
カタラビュット(式典長):マイケル・オヘア
カラボス:サマラ・ダウンズ→マリオン・テイトに変更
リラの精:ジャオ・レイ

-- プロローグ --
美しさの精:ヴィクトリア・マール
お付きの騎士:ロバート・グラヴノー
誇らしさの精:アンブラ・ヴァッロ
お付きの騎士:マティアス・ディングマン
謙虚さの精:レティシア・ロ・サルド
お付きの騎士:ジェームズ・バートン
歌の精:ローラ・パーキス
お付きの騎士:ベンジャミン・ソレル
激しさの精:キャロル=アン・ミラー
お付きの騎士:オリヴァー・ティル
喜びの精:セリーヌ・ギッテンス
お付きの騎士:トム・ロジャース
カラボスのお付きの騎士:
ジョナサン・カグイオア、ファーガス・キャンベル、益子 倭、
ショーン・マクラフリン、クリストファー・ロジャース=ウィルソン、ルイス・ターナー
リラの精のお付き:
アランチャ・バゼルガ、ジェンナ・キャロル、ローラ・ダベンポート、
淵上礼奈、ジェード・ヒューゼン、アビゲイル・プルーダムズ

-- 第1幕 --
4人の王子:
マシュー・ローレンス、ヴァレンティン・オロヴィヤンニコフ、
ジョナサン・ペイン、トム・ロジャース
オーロラ姫の友人:
ジェンナ・キャロル、ローラ・ダベンポート、淵上礼奈、ジェード・ヒューゼン、
アビゲイル・ブルーダムズ、ローラ・パーキス
ガーランド:
アランチャ・バゼルガ、ダスティ・バットン、セリーヌ・ギッテンス、
レティシア・ロ・サルド、カリー・ロバーツ、ジャン・イジン、
ジェームズ・バートン、エンガス・ホール、ロリー・マッケイ、
タイロン・シングルトン、ナサナエル・スケルトン、オリヴァー・ティル

-- 第2幕 --
伯爵夫人: カリー・ロバーツ
王子の側近:ジェームズ・バートン

-- 第3幕 --
パ・ド・カトル:
レティシア・ロ・サルド、ローラ・パーキス、
ファーガス・キャンベル、オリヴァー・ティル
長靴をはいた猫と白い猫:ジョナサン・カグイオア、イヴェット・ナイト
青い鳥とフロリナ王女:マティアス・ディングマン、アンブラ・ヴァッロ
赤ずきんと狼:アランチャ・バゼルガ、トム・ロジャース
グラン・パ・ド・ドゥ:佐久間奈緒、ツァオ・チー

指揮:フィリップ・エリス
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
協力:東京バレエ団


◆上演時間◆

プロローグ 18:30-19:10

【休憩】 15分

第1・2幕 19:25-20:30

【休憩】 15分

第3幕 20:45-21:25










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