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バーミンガムロイヤルバレエ「眠りの森の美女」2011年5月21日ソワレ感想②



休憩はさんで第1幕。
編み物の踊りはカット。
どうでもいいですが、リーズの結婚などをレパートリーに持つバレエ団ですから、
「小間使いたちの編み物の踊り」ってすごくフィットすると思います。
しかしながら、あの、重厚なBRBの「眠りの森の美女」の舞台美術の中にあっては、
超浮きまくり・・・・・。

だからカットされたんだ!

というのは嘘です。

全体的にサクサク進んだ印象のプロローグでしたが、
第1幕もサクっと、というかいきなり始まる~(苦笑)、といった印象なのは、
たぶん編み物の踊りという幕間の出来事がないからでしょうね。

ガーランド・ワルツは男女6人ずつ、計12名。
硬めでしっかりしたガーランド(アーチみたいになってるやつ)ではなく、
タラ~ンとした柔らかい素材のガーランドを使っていました。
もちろん子役はナシ!

ガーランドワルツを踊るダンサーの合間合間を縫って、4人の王子が順番に登場します。
一応舞台の真ん中を奥から突っ切って出てくるのですが、
若い王子、、、ってよりは、けっこうオッサン化(失礼)というか、
オーロラの設定が16歳としたらかなり大人の花婿候補だなあ、という雰囲気でした。

鬘はややロココ調、、、モーツアルト鬘みたいな、サイドにロールがあるアレです。

あ、宮廷の女性たちはプロローグもそうでしたが、だいたい鋭角的といいますか、
かなり尖がったタイプのヘッドドレス、、、というのか、冠というのか、ティアラというべきなのか、、、
日本家屋ならば鴨居に絶対ひっかかるような頭飾りでしたよ。

花のワルツさんたちはほんわか、柔らかい感じの衣装でしたけども。


ガーランドの男の人も女の人も、総じて、働き者といいますか、
まあ、決して大所帯ではないカンパニーなので、必然的にコール・ドさんたちは出ずっぱりなんですけども、
けっこう、1幕では男の人たちが(注:4人の王子は除く)やらかしていました。
花のワルツのときは大丈夫だったんだけども、幕が進むにつれて、ひゃー!みたいなところがいろいろ。

1人、わりと小柄な、、、マールイのミヤスニコフをそのままぎゅっとつぶしたような(縮小ではなく、ぎゅぎゅっと縦にギュギュギュっとした感じ)男性は、よくもまあ転ばなかったもんだ、
というくらいバランスが危なかった。

ただまあ、そういうのも、自分が1人であわあわするようなところで、あわあわしていて、
決して、他のダンサーと一緒に組んでいる時とか、もちろん女性をサポートしている時は、
全くあぶなっかしいところなんてのはなくて、
みんな、偉いよなあ(涙)。。。とか思ってしまった。(ってか、それが当たり前ですけども・苦笑)

ガーランドが少ない、子役がいない、というのは別に、そんなに気にはならなかったのですが、
楽隊さんがいないのはちょっとさみしかったかな~。


4人の王子、最初の一人目が宮廷に現れて、カタラビュットにようこそおいでくださいました、
みたいに下手にいざなわれていくのですが、
二人目の王子は、見るからに「鼻持ちなら無いやつ」といいますか(笑)
ツンツンえばりんぼさんでした。
最初の王子が「こいつは気に食わないが一応挨拶しとこうか」と、挨拶しようとしたのに、
かる~く、無視(笑)

・・・・アンタ、一応、花婿候補なんだから、もちっと人柄のよさをアピールしたほうがいいんじゃ(笑)

三人目はイエロー(黄レンジャー)さん気質?お笑い担当かしら。

四人目はフライングで王様&王妃さまに勝手にご挨拶しにいっちゃいそうになるし。

なかなかユーモアな小芝居満載で楽しい王子たちでした。

オーロラ姫役の佐久間奈緒さんの登場。
階段はなしで、広間の奥(オベリスクみたいなのがドドーンと固定)から軽やかに♪

ちょっと、この日の奈緒さんは出だしが固かったというか、いつもよりナーバスになっていたような気がします。ちょっとだけ、ですが。。。
でも2幕、3幕と進むにつれてずっとよくなりましたね。

ローズアダージオでは驚異的なバランスをアピール、、、、というようなものではなかったですが、
しゅっとポワントで立った軸の綺麗さ、アチチュードの姿勢の美しさが素敵でした♪

そうそう、いろんな曲で「は、速い~」と感じましたが、
ローズアダージオやオーロラのヴァリアシオンは通常、だいたいみんなが慣れているであろうテンポでしたねえ。
普通は楽隊さんたちの肩に手を添えてアラベスク、パンシェを繰り返すところは、
もちろん奈緒さんお1人でなさっていました。

速いテンポでのアラベスク、パンシェっていうと、下村(篠原)由里恵さんを思い出しますね。

奈緒さんのオーロラは、16歳の初々しい幼いお姫さま、ってよりは、
もうちょっと年齢が高め、しっとりとしたおしとやかなお姫さま、と感じました。

それでも、4人の王子たちはじゅうぶんおっさんに見えるというのがすごい(笑)


奈緒さんの踊りって、もちろんものすごく技術が高いのも、見どころなのかもしれませんが、
見ていてこう、心がこもっているというか、ひたむきさが伝わってくるような、
ちょっと涙腺がウルウルしちゃうような踊りなんですよね。不思議なんだけど。
楽しい場面でも、ちょっとウルウルしてしまうのです。


だから、オーロラが糸紡ぎで指を刺してたおれてしまう場面、
ママ王妃と一緒になって、しんみりしちゃったわー。
ママがオーロラのチュチュの裾の乱れを直してあげるところもグっときた!


楽しい宴の席に現れたカラボス。
小柄なマリオンが、身をかがめて黒マントで正体を隠していますが、
オーロラが毒に倒れ、「なんということをしてくれたんだ!」と宮廷中の人の非難を浴びながら
衛兵に引っ立てられて行く間、そのときはほんとにほんとに小さな腰の曲がった老婆に過ぎないのに、
マントを払いのけ、漆黒のドレス姿をあらわにしたときのカラボスの大迫力!
威圧感、ゾッとするような雰囲気が凄まじかったです。
「あんたたち、アタシの呪いをお忘れかい?」と、みんなを嘲笑する姿にゾクゾクしちゃいました。


リラの精が現れて、全ての人々に眠りの魔法をかけて、お城を木々で隠していきますが、
このときオーロラが運ばれるのは、ベッドではなくて、
舞台中央おくのオベリスクの前にしつらえたフワフワクッションみたいなものに、
もたせかける感じでした。

第2幕
貴族たちも最小限。
伯爵夫人や貴族のお仲間がフロリムント王子のお付きを目隠しでからかう踊りはあり。
八百長ダーツはなし。
ファランドールもなし。
そのかわり、王子のソロが楽隊の音に合わせる形であります。

ツァオ・チーの踊りは全く隙が無くて、素晴らしかったですね~。
上手いなあ、やっぱり。すごいよー。


幻影の場での奈緒さんとチーの踊りもとっても美しくてうっとりしちゃいました。

ただ、プロローグや1幕では我慢できたんだけども、、、
幻影の場は、もう少し妖精の人数が多いほうが好きかなあ。。。。

BRBの「白鳥の湖」なんかでは、そんなに人数の少なさが気になった覚えはないので、
ただ単に、この眠りに関しては、かなりコール・ドはコンパクトにしてあるんだろうけども。。。

眠りの中で、とても好きな場面なんですよね、この幻影の場って。。。。。


とりあえず、今日はこのへんまで。













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