
キャンプ場へ戻ったのは夜の七時半。
キタサンは待ちくたびれて、寝ていた。
二人のテントの間に、炭火の煙が上がっている。
テントを揺すって起こすと、ご飯炊けてるよぉと声がする。
鶏とラムを炭火で焼いて、食べた。
キタサン曰く、昨日より冷え込んでるね。
キタサンは10時には眠ってしまった。残された僕は、キタサンが買って来た備長炭の火にあたって暖をとっている。
果たして、今夜の寒さを凌げるのだろうか?不安がよぎる。
ピーン!と閃いた。天才の閃きってやつだな。
僕は炭台に残り、強烈な熱を発している備長炭を火鋏で一個ずつ取り出す。
そしてそれを運ぶ。・・・どこに?
テントの前室に入れるのだ。
入り口とは逆の前室に並べられた七本の備長炭。メラメラと熱を放っている。オリジナル暖房設備だ。
備長炭が放つ熱が、フライシートとインナーの間に溜まって行く。
テントが燃えるとか、一酸化炭素中毒とか、心配がないわけではないが、凍死との戦いなわけでね。一応対策は施したので大丈夫なはず。
テントの中に入ってみた。・・・あったかーい。実際、ものすごく暖かいのだ。
おれってば、天才。あぁ、天才で良かった。
ちなみにこれは、備長炭だから成せる業。備長炭は炎が出ない。木炭だと、間違いなくテントが燃える。
そんなわけで、寝袋にイン。昨夜とは比べ物にならない柔らかな寒さの中で、安眠しましたとさ。
ブログを書こうと携帯を握ったまま、前日眠れなかった分まで、眠ってしまいましたとさ。
おしまい。