ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

お見舞い金翼ライダー。4

2014-09-25 23:30:02 | Weblog


先日うちの母ちゃんがね、「めちゃ落ちくん、要る?」と言いながら、「激落ちくん」らしき物体をかざしたわけ。
それは、めちゃ落ちくんじゃなくて、激落ちくんだよ!間違えてるよ!と想いながら、「要る、要る」と答えて、置いていってもらったわけ。

さっき、母ちゃんが台所に置いて行った激落ちくんをチラッと見たらさ、「めちゃ落ちくん!」て書いてあって、メチャメチャびっくりしたんだよ。
激落ちくんの類似品だったんだよ!

うちの母は正しかった。って話。


豊頃のノノサンの家の話。

家具付きの一軒家。必要な物は全て揃っている。それはそれは素晴らしい家で・・・実際、ため息が出た。

庭がある。畑がある。見える景色は、一面のトウモロコシ畑。庭に立って空を見上げると、タンチョウが視界を横切って行く。

こんな所に住めたら、毎日「ひゃっほー!!!」と叫んでしまうよ。

ノノサンに、焼きそばやらトウモロコシやらコーヒーで歓待され、ご機嫌になるのである。
何よりも、こんな暮らし方もあるということを知れたこと。教えてもらえたこと、それが素晴らしいではないか。

ノノサンは、近くの農家やら何やらで、暇つぶしのアルバイトなんかもやったりしながら、北海道ライフを満喫している。と。

体験期間が終わったら福井に戻って、また来年、北海道のどこかの街に来るかもね。って、そういうスタイル。

つまりそれは、また来年、北海道のどこかの街で会えるってこと。
旅の楽しみ、人生の楽しみが増えたってこと。

いろんなスタイルの旅があって、いろんなスタイルを持つ旅人がいる。

六十代にして、キラッキラと輝きを放つノノサンは、僕が憧れる人の一人となったのである。

つづく。

お見舞い金翼ライダー。3

2014-09-25 16:33:53 | Weblog


北海道でのノノサンの家は豊頃にある。
別荘ではない、と書いた。では、何か。

北海道というところは、いい所だ。間違いない。
自然も豊かだし、食べ物も美味しい。
でも、住むとしたらどうか?
自然は想像を超えるほど厳しい。一年のうちの半分近くは雪。雪に閉ざされた世界だ。

北海道では、札幌以外のほとんどの都市で過疎化が進んでいる。人口の減少が急速に進んでいる。

極端な話をすると、歌志内市は、ピーク時4万6千人人いた人口が、今では3千9百人しかいない。日本で一番人口が少ない「市」として名を馳せている。

北海道に限ったことではないが、過疎や人口減少に悩む自治体が行っている政策の中に、移住者募集というものがある。
秩父別では、一坪1円と謳って話題になったし、中頓別あたりでは「土地をあげます!」という看板を見かけたし、どこもかしこも、自治体維持のためにしのぎを削りながら頑張っている。

そんなしのぎの中、「移住体験」の希望者を募っている自治体があったりする。

これが答だ。

ノノサンは、移住体験、体験移住で豊頃に住んでいるのだ。四ヶ月。
だから、豊頃の家は紛れもなく、「うち」なのである。

国道沿いのコンビニから脇道に入って間もないところに、可愛い赤い家が二軒建っていた。
平屋と二階屋。平屋の方が、ノノサンの家。

ノノサンは、家の前で手を振りながら僕を迎えてくれた。

つづく。

お見舞い金翼ライダー。2

2014-09-25 16:01:42 | Weblog


よっぽどのシングブログマニアの人は覚えているかもしれない。
去年の九月の第3週くらいに書いたブログに、金翼のおじさんという名が登場したことを。

書こう書こうと思いながら、早一年。時が経つのは、驚くほどに早い。

シング属するTrash Box Jamの演目に、金色の翼という名曲があるのはご存知か?

ノノサンが駆る、超がつくほどのどでかいバイクの名前はHONDAゴールドウィング。つまり、金色の翼。
詳しくは知らないが、安く見積もっても400万円は下らないという、目にすることの少ない高級車なのである。

ノノサンは福井県から来ている。

福井県から来ているのに、北海道で「今晩、うちに泊まりにおいで」と言う。その心は?

そう、そりゃあ、そうだ。

400万円の超高級バイクに乗っているお金持ちだとしたら、福井に本宅、北海道に別荘。いいなぁ、それ。

そう、そりゃあ、そうだ。その発想は普通だと想う。

でもね、違う。ブブー。ブブブブー。違う。

そう言う普通の金持ちは、行きずりのライダーを家に泊めたりはしない(個人的見解です)。
そういう普通の嫌味な金持ちとは、行きずりの極貧ライダーは波長が合わないのです(個人的見解です)。

ノノサンのおうちは、帯広から30キロほど離れた町、豊頃にあるのです。

豊頃といえば、日本で一番美味しいスイーツのお店。アメリカンドーナツで有名な朝日堂がある町じゃないが。と。

どうせ、寄るじゃないか。と。
何がなんでも、寄るじゃないか。と。

そんなわけで、ノノサンと会った翌日、帯広を出た僕は豊頃を目指して走り始めるのであった。

お見舞い金翼ライダー。

2014-09-25 15:49:52 | Weblog


去年の北海道の話を。

天空へと続く道、ナイタイ高原。

どでかいバイクに乗った、ある人と知り合った。
名前をノノサンという。

どでかいバイクのどでかさに驚く僕を面白がるように、ノノサンは、バックギアに入れてバックしてみてくれたり、機械をパチパチっといじってみたりしてくれる。

ノノサンは言う。

「今日、うちに泊まりにおいでよ」

僕は言う。

「いや、今日はちょっと。おれ、帯広に泊まってて、そこに帰らないといけないんで」

ノノサンはまた言う。

「いいじゃん、うちに泊まりにおいでよ」

僕はこう言う。

「いや、無理だって。荷物が帯広にあるし」

ノノサンは言う。

「そうか・・・残念だ」

せっかくの誘いを無下に断ってしまい、僕もちょっと気まずいってもんじゃないか。

そんでもって、僕は言う。

「明日、釧路に向かうんで、その途中でノノサンの家に寄りますよ」

そんなわけで、ノノサンとメアドを交換し、ナイタイ高原を後にしたのである。

ちなみに、ノノサンのバイクのナンバーには「福井」の文字。

ノノサンの家ってどこなんだぁ!って話なんだね。

つづく。