先日、あるきもののお店を覗いたときのことです。
たまたま、その店で購入したきものを、
でも、これに合う帯がないとかで、
相談にきていた人がいました。
同じテイストの帯を、
ほかの店で探してみつからなかったようです。
20代後半くらいの若い女性でした。
お店の人の一人がコーディしたものを見て、
「これでは地味なのではないですか」と、もう一人の方。
ほかの明るい帯を置き、
「これがいいと思いますよ」
本文とは関係ありません。
私の置きコーディです。
では着てみましょうということになって、
実際に着用したら、最初の「地味コーディ」のほうが、
似合っているんですね。
彼女の顔だちは、どちらかというと、
清楚で大人しい感じ。
そのお顔立ちに、若いからと「明るい」あるいは「派手め」な
コーディはしっくりこなかった。
きもののほうが目立ってしまうんですね。
彼女は、最初の地味なほうの帯を購入していました。
そばで見ていた私は、
「プロでも、平置きコーディ(置きコーディ)って難しいんだな」
と実感しました。
洋服のスタイリストさんと話す機会があったので、
何気なく聞いてみると、
「ファッションには、
着るものを素敵に見せるコーディと、
着ている人を素敵に見せるコーディ、
あとスタイリスト自身の好みもある」とのこと。
「~~一番難しいのは、
もちろん着ている人を素敵に見せるコーディです」
それは、「着る人のパーソナル・カラー、
雰囲気など、その人をよく知っていないと難しいから」だそう。
「~趣味と雰囲気を大事にする女優さんのコーディは一番難しい」
そうです。
なるほど。
ということは、似合う似合わないを知るには、
当然ですが、まず「自分を知る」ことが大事ということですよね。
置きコーディ、プロだから難しい~、
とも言えるようです。
自分を知っている人は美しい。
雑誌のコーディを見て、特にきものの場合、
「あれも素敵、これも素敵」と思ってしまいますが、
着用してみると、「どうもしっくりこない」
これもある意味、当然で、
雑誌のコーディは購買意欲をそそるために、
「きものを素敵に見せる」コーディだからですね。
雑誌の置きコーディは、
「それ自体で完成しているような気がする」と
スタイリストさん。
きものの集まりに行くと、
「わあ、この帯素敵!」
「このきもの、00のものじゃない?すごいわあ」と、
皆さん、言い合っていますが、
「ものすごく似合っているわあ」というきものは、
意外に、「普通のきもの」
それって、ほかに褒め言葉がないからかなあと
思っていましたが、
「似合う」って、ホントは一番大切ですよね。
結婚式など場所によっては、
「似合うより、いいきもの」が大切なこともありますが、
それもまたきものの難しい(楽しい?)
ところではあります。
自分を生かすきもの。
道は遠いものです。
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