書店に行くと、必ず覗くのは、きもの関係のコーナーです。
出かけると、ほとんど書店に立ち寄るので、結構頻繁に覗いています。
それでも、この本、いままで気づきませんでした。
美しい、美しい、「池田重子・美の遍歴」(大和書房)。
2012年の12月発行になっていますから、一年以上経っています。
池田さんの書籍は何冊か持っていますが、
これは、これまでの帯留・帯・きものといった「物中心」より、
自伝的、池田さんご自身に傾いています。
貴重な池田さまの振袖に日本髪の写真。
「池田重子コレクション・THEBEST・きもの美の神髄」(大和書房)は、
彼女のコレクションを、ひたすら眺めるのも
ため息ものなのですが、
この本はもう少し、人間的といおうか、
池田さんの美に対する考え方が出ていて、
「きもの道」修行中の私には、とても参考になります。
たとえば、
「きれいな人」はいても、「美しい人」はめったにいません。
しかし心がけひとつで「美しい人」になれるのです。
ふーむ。そうなんだ。
「美しい人」とはどんな人なのか。
同じ内容を話すにもできるだけ美しい単語を選ぶ~~。
なるほど、それって、きものだけのことに限りませんね。
道は遠いようです(泣)。
離婚なさったとき「家を買うように」と渡された慰謝料で帯留を買う。
家よりきものという、きもの熱、群ようこさんとも似ていますね。
池田さんの人生が、たった一つの帯留から
大きく変わっていったように、
「美」は人生をも変えていく力を持っているのですね。
今月の「きものサロン」にも、
池田さんとIKKOさんの交友の記事が載っています。
「三月号」より。
「美」を追求するお二人ならではのきもの美は、
こちらもため息ものです。
「美の遍歴」のなかの言葉を、
もう一つご紹介すると、
「~きもののコーディネイトをするときに忘れてはならないのは、
そのきものの背景となる環境です」
これは池田さん、展示会でもよくおしゃっています。
一つ一つの言葉が、だんだんというか、
ようやく身に染みるようになりました。
「すごい恰好をした人がやってくる」のではなく、
すれ違って「どんなものを着ていたのか覚えていないけど、いい感じだった」
と思われるくらいがおしゃれです。
なるほど、おしゃれの神髄かも。
しかしどんなにいい言葉も、
それを受け取る側に感性と受け皿がないと
素通りしてしまうんですね。
私みたいに~~?
すべてを実行するのは、とても難しいことですが、
せめて、それを一度は受け入れるお皿だけは
用意しておきたいものです。
またいつか取り出せるように。
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