同じブログ村の「永遠のJガール」さんが
紹介されていた「夜の谷を行く」
(桐生夏生著・文藝春秋)が
気になっていて、読みました。
勝手ながらリンクさせていただきます。
Jガールさんは、まだ50代。
この本のテーマである「あさま山荘事件」や
「連合赤軍」などの事件には遠い世代、
だと思うけど。
私は、この事件をよ~~く覚えていて、
強く印象に残っています。
本は、連合赤軍に参加した女性の60代に
なった時を描いています。
服役後、塾の教師をしていたので、
年金がもらえる。貯金もあるということで、
平日はスポーツジム、土日は読書三昧という、
ある意味、「優雅な生活」に見えないこともない。
住まいは、狭いアパートだけど。
この辺り、もっと詳細に描いてほしかった。
そこに過去の知人から連絡がきて、
一気に過去が押し寄せる~~。
私が前に住んでいた高層マンションに、実は
このかつて連合赤軍に参加した方が住んでいた!!
やはりご自分で塾をやっていて、生徒をつぎつぎと
有名校に入れると有名だった。
もちろん過去は隠していて、
私はあることから偶然知ったんですね。
学生運動に参加した人は、高学歴の人が多く、
逮捕歴ある人は塾などやって生活している。
いい学校から有名企業にというコースに疑問を
もって参加したはずなのに、皮肉ですね。
怖いのは、「犯罪マニア」なる人々。
これは一度犯罪を起こした人を、
「何をしているのか」など
ずっと追っていくんだって。
それを今ならSNSで公開するとか。
「許せない」のか、単なる好奇心か。
こういう心の在り方も怖いよね。
もう一冊は、
「黒革の手帖」や「紙の月」の
モデルになっているという
滋賀銀行9億円横領事件を描いた
「裁かれた銀行」(角川文庫・和久俊三著)
この事件、なんと競艇狂いの男に
「言われるままに」、
横領した金のほとんどをつぎ込んだ。
男は、豪邸は建てるは、車は買うわ、
競艇に使い果たすわで、彼女自身は
ほとんど使っていない~~。
逆にいうと、だからできたのかも~~??
彼女は、温情判決で5年の服役。
その後、獄中に手紙のやり取りをしていた男性と
結婚したとのうわさも。
どちらも服役後は
「とにかく目立たないで生きる」
奥村は整形までしたそうです。
もともときれいな人で。
こちらはむしろ三和の伊藤素子がモデル。
彼女は、マニラで捕まったけど、二年後に仮釈放。
その後やはり一般男性と結婚したそうです。
普通の、むしろまじめな人たちが
犯罪を犯すのって、一概には言えないけど、
「普通の生活」のなかに
面白さを見いだせないことも
大きいような気がする。
日常に笑いがない~~。
「矮小化」するなと「総括」か?
若い頃は、私自身、
「同じような毎日」にイライラして
いた時期もある。
子どもたちだって、
アブナイ時期はあった。
いや、今からだって~~。
若い頃はエネルギー満ち溢れていて、
それが辛いこともある。
恋愛や革命!!という非日常が絡むと
どんどんそっちに行ってしまう~。
人との比較、常に自分の立ち位置の確認。
プライドと劣等感~~。
お金やランク付け~~など
わかりやすい場所で「戦う」?
「あさま」の事件など、まさに
立ち位置の戦いだものね。
それがリンチという悲惨な事件にまで発展した。
いや、これは年齢関係ないかも~?
年取ると、このエネルギー減っていくけど、
むしろ幸いなことかも。
「夜の谷~~」の主人公は、現在69歳。
奥村は87歳。
伊藤素子は69歳
彼女たちは、老後の、自分の生きてきた道を
考えるとき、自分のやったことを
どう思ったんだろう。
こうしか生きられなかったと思うのか。
思い切って命を燃やしたと思うのか。
人生ドブに捨てたと思うのか。
ただ、何も起きず、毎日ご飯を食べて、
些細なことが嬉しい。
そんな生活が有難いと感じているのでは
ないでしょうか。
それはわたしのことです。
二冊の本読んで、私自身の過ぎし日々も、
よみがえってしまった~~。
いや、犯罪は犯してませんけど。
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