こういう話題が続きます。
ごめんなさい。
興味のない人はスルーを。当然か。
食事をしたあと、帰り際に友達が
「これ読んで」と貸してくれた。
友達が読んでと言わなければ、
手に取ることもなかったでしょう。
2008年のある日、夫が若年性認知症と診断。
まだ56歳。
妻である南田佐智恵さんは、まだ49歳。
南田さんは、作家渡辺淳一の秘書をしていて、
夫は実業家。子どもはいない。
休みには海外に出かけ、
ブランドものを惜しげもなく買う
つまり絵に描いたようなセレブ。
元気な頃のパリ旅行。
夫が若年性認知症と診断されたことで、
生活は暗転。
それまで家事などほとんどやらなかった彼女が、
二重、三重の苦難を一人で背負うことになる。
キツそうだったので、後日、外で読むことに。
カフェで一時間、そのあと電車で。
ツラいなあ、と何度も閉じてしまいそうに
なりながら、いつのまにかどんどん引き込まれて
降りる駅を通り越して、乗りっぱなしで最後まで。
タイトルの「明日はわが身」(新潮社)は、
渡辺謙主演の「明日の記憶」という認知症
になる男性の映画を二人で観たとき、
「このカードだけはひきたくないわね」
との妻の言葉に、
「明日はわが身、かもしれないよ」と
夫が言った言葉から。
それが現実になった。
社会的な地位にある人だけに、周りに
夫が病のことを話せず、三年もの間一人で
抱え込んだ。
夫はすでに事業を整理していた。
孤独な介護、精神的も肉体的にも追い詰められて、
駅のホームでわめいたり、自殺、心中しようとしたり
セブ島介護詐欺に遭ったり~~。
当然、保険のことも支援制度もことも知らず。
ああ、活字を追うだけで胸が苦しくなる~~。
しかし、あるとき、介護に詳しい人を知り、
「~~よく一人で頑張りましたね。
これからは私たちがお手伝いしますからね」
と言われたときには、どっと泣き崩れた~~。
私には夫がいないので、このような事態に
なることはないのですが、いつ自分が
そうなるか。
というより、これは「家族」の話だと思った。
夫が病気になったとき、
「夫は私にとっていい人じゃなかった。
最低限のことしかしない」という妻。
さっさと離婚の手続きを取る人。
だから、介護のコツ9条、
相手を否定しない。
プライドを守るなどなど
家族や周りの人への対し方と同じ。
オシャレを忘れない、というのもあったよ。
う~~ん、反省しきり。
私がそうなったとき、子どもたちに~~かも?
いきなり優しくしたりして~~。
そして、彼女が燃え尽きそうになったときの
渡辺淳一先生の
「親友を大切にしなさい」との言葉に
「今の私には親友なんていません!」と反発。
すると先生、
「いや、だれでも一人だけはいるんです。
それは自分です」
さすが作家だわ。
涙でる。
言葉の力ってすごい。
外を見ようと、本から目をあげると、こんな広告が。
「みんな一生懸命生きている」...。
彼女は、その後自分で
認知症のデイサービス「さくらサロン」を開設。
ブログも
暗さを明るさに、辛さをパワーに、
地獄を生きがいに反転させたんだね。
この本はシニア版ラブストリー。
若い頃のラブストリーもいいけど、
シニア版もより切実に胸に響きます。
友達が貸してくれた本。
元気あげるつもりが
こちらがもらってた。
いつも応援ポチ
ありがとうございます。
励みになっています。