薄暮の時期から歩き始めると、夕闇が段々濃くなっていく。
最後まで夕日の中で頑張っていた入道雲も壊れていき、平らになっていく。
多分局地的には雨などを降らせながら・・・。
最後の残り火のような遠い稲妻が雲の中から漏れてくる。
やがて町の灯りや車の照明が目立つように・・・。
夕日と反対側の空もあかね色に染まる。
ポケットに入れていた蛍光テープを取り出してやおら両腕に装着する。
車のライトや外灯の灯りに照らされて私の存在を知らせる。
自分の行動(意図)を知らせる事の初歩は、存在の表明だ。
車の運転の合図も、領土の明確化も、表現を曖昧にすることから事故や紛争が始まる。
もはや暗くなってしまった堤防沿いの歩道を歩きながら、そう考えた。