カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

秋の夜長は・・・

2012-09-30 11:12:42 | 本と雑誌

台風接近の影響だろうか風は吹かないものの雨がシトシト・・・と。

秋の夜長でなくとも、昼間っから本でも読んで過ごすしかない。

今度の土・日は徹底的に読書と決めた。

で、まず土曜日の分としては、これ「デニーロ・ゲーム」(著)ラウィ・ハージ(訳)藤井光(2011白水社)

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冒頭の書き出しが印象に残る。

「一万の砲弾が降り注いだ街で、僕はジョルジュを待っていた」・・・・ああ、こりゃもう、次を読まざるを得ない。

ところはレバノン内戦下のベイルート。

カミュの「異邦人」に似た香りのする文体で、少年の内面が描かれていく。

オマケに、この主人公がパリのホテルでの時間つぶしに、客が忘れたという本の束の中から選んでベッドで読む本が「異邦人」

書き出しの「きょう、ママンが死んだ。もしかすると、昨日かも知れないが、私にはわからない」が主人公の心に響いたという設定もおもしろい。

革命の実態、隣国・大国の思惑などを噛み合わせながら、内戦の最中にあってベイルートの街の人々の様子がテンポ良く描かれていく。

恨みが新しく生まれ・更新され、そして復讐の連鎖は国際政治に利用される。

尖閣・竹島・北方四島の問題も・・・・恨みの基点を何処に置くかの話に過ぎないのに・・・。

紛争の芽の発芽を抑制する人間としての知恵はないのだろうか。

答えは簡単なんだけどね・・・・「相手の視点を持つこと」だけ。

それが出来ないようなシステムなんだろうなあ、人間の脳の仕組みが。

出来の悪い脳で、久し振りに考え込んでしまったぞ。

コメント
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