ウオーキングも時にコースを変えて気分転換をはかろうと、幾つかのコースを設定しています。
そんなコースの一つに町の北側の台地状のところを歩くコースがあったのですが、そこに最近新たな別の区間を開発しました。
まだ開通していない町道がかなり長く伸びているのです。
かろうじて歩道と車道の区別が出来ている状態で、センターライも道路標示もない建設途上の車は一台も通行しない道路です。
従来の道路に接続する数メートル手前で舗装工事も中断しています。
反対側の橋梁工事とその先の既に出来上がっている道路との接続が未完のため安全上通行できないよう障害物が設置されています。
つまり、私にとってはとんでもない広々とした気分のスカッとする専用道路なのです。
最近は同じ思いで歩いている人達を見かけるようにはなりましたが・・・・・。
中には軽トラックで障害物のせまい間をすり抜けて進入し、ちゃっかり専用道路気分を味わっているとんでもないドライバーも見かけるようになりました。
国道や県道と違い、町の予算にも限度がありますから進捗率もイマイチです。
しかし、この道路のコースを俯瞰すると町の意思が見えてきます。
街中を通るメイン道路は1本だけ、しかも昔からの道で家も立て混み拡幅工事は絶望的です。
町の北側には空港から市内に伸びる4車線の立派な道路があるのですが、空港道路の定時制というか、利便性向上のため町道の接続はおろか開発も制限された市街化調整区域なのです。
市街化調整のかかった我が町と隣接する市の境界は一目瞭然です。
建物が建っている市街化地域と、畑しかない市街化調整区域がきっちり曲がりくねり相互に入り込みながらも境界であることを示しています。
町としては、旧道と空港線の中間に道路を並行させてもう1本造成して、独自の町造りを模索するしかなかったのでしょう。
県は、空港線を自動車専用道路にするとか、別の交通手段を設けるとかすることで、定時制や利便性を求めれば良かったのに、普通の道路を造っておいて車の通行量が増えるような施策や開発は認めないというのは、ちょっと無理のある構想ではあるのです。
こうしたある特定の中心地域の利便性のため他方が犠牲にされたり、放置されたりすることは日本の政治においては日常茶飯事なのですね。
かくして5~6キロ程度の長さながら、新しい町道はもう竣工から十年以上経ってもまだ開通することなく、乏しい予算のなかで続けられているのです。
せめて私としては、日本の縮図のような、この道路が本来の道路として供用が開始されるまで歩き続けたいと思っています。