暑さ対策のため夕方から歩きに出ることが多い。
明暗によって、景色の見え方が変わるのは当然だが、音の世界も一変する。
(暮れ始めた堤防道路)
まだ明るさが残っているので、河原一面に繁茂している蔓性の植物もよく見える。
歩くにも涼しいし快適である。
1時間半以上は歩くが、日の入りからの景色の変化は著しい。
空の雲の色や形の変化を見ながら歩くのも楽しい。
(怪獣)
怪獣が見える頃までは、歩くのに不安はない時間帯である。
やがて、この怪獣も暗い闇の中に吞み込まれてしまう。
(ナイターの草野球)
田んぼの向こうの野球場で、草野球の練習や試合がある日は照明が点灯される。
すると田んぼ沿いのコースは、ナイターの照明に照らされて足元の不安はなくなる。
ただこれらの条件が満たされない夜の時間帯は、別の世界になる。
用水路の水の音が大きく聞えはじめる。
虫の声の他に、聞き慣れない音がボコボコだのゴソゴソだのと聞えたりする。
時々はギャ~っというアオサギの鳴声が聞えたりもして驚かされる。
特に田んぼコースの水音混じりの独特の音は、ミステリ映画の様相を呈する。
目からの情報が減った分だけ、耳からの情報を得ようと感覚が鋭敏になるのだろう。
夜の田んぼや畑は、動物たちに明け渡す時間帯なのだと、最近つとに思う。
夜はやはり人間の住む街中を歩くのが良い。
「氏素性わからぬ風が纏いつく」・・・しろ猫