カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

短編は一枚の写真

2014-11-18 08:57:54 | 本と雑誌
 長編は時間と根気の問題でちょっと遠慮したいときがある。
 せいぜい200ページ以内がいい、・・・などというときが。
 
 で、87ページしかない、「鑑定士と顔のない依頼人」ジュゼッペ・トルナトーレ著 柱本元彦訳 2013年11月人文書院刊
 イタリアの映画監督トルナトーレの作品。原作として書かれた物でも、映画の後で書籍化されたものでもないらしい。
 ただし、映画を作ることを目的として書かれているので実に30章にわたるカット割りのイメージが強い。
 一つの章が平均2ページちょっとで、人物や部屋の特徴や調度品の説明が具体的で映像として浮かんでくるようだ。
 場面展開がスピーディーなので退屈する暇はない。ただし映画のテキスト的な要素が強く、一般的な小説の読後感とはちょっと趣を異にする。
 
 これも141ページに13編の短編が収められている。1編は5~10ページである。
 「対岸」フリオ・コルタサル著 寺尾隆吉訳 2014年2月水声社刊
 1937~1945年にかけて書き連ねられた、短編13を収録したもの。収録作品もさることながら、巻末の付録として収められた「短編小説の諸相」がいい。
 1963年にキューバで講演されたものの内容だが、東西冷戦の時代革命の旗手カストロの地元という場所で行われた講演の内容には、革命の中にあって文学というものの有るべき姿が気迫を込めて語られている。

 長編は映画、短編は一枚の写真という説明の仕方が分かり易い。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大切なものから使う | トップ | 芋の子を洗う »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本と雑誌」カテゴリの最新記事