小学校の頃遠足の行き帰りに休憩のため立ち寄る神社があった。
神社の脇からは、こんこんと水が湧き出ていて、水筒の水をほぼ飲み干していた子供達にとっては適度な場所の給水ポイントだった。
ネコヤナギを探して、とうとう昔懐かしい場所まで足を伸ばしてしまった。
ところが湧き出している神社は昔のままだったのだが、辺り一帯は湧き水を利用した公園になっていて、芝生やらあずま屋などで整備され自然の植生は見当たらず、浦島太郎の気分を味わった。
太郎の気分で辺りを見回すと、山羊が2頭柵の中で餌を食べていた。
日本ではあまり見たことも無い珍しい種だと思うが、何やらオレンジ色のものをムシャムシャ食べている。
オレンジの皮のようにも見えたが、山羊とオレンジは変だなと思い望遠レンズ越しに覗いて見るとどうやら人参のようである。
後方の黄色の容器にはまだ満タンの人参がどっさり積まれており、山羊は2頭しかいないので、当分人参を食べることになるのだろう。
人参は綺麗に洗われていて、裁断されたものばかりのようなので何処かで調理の際の残菜なのか、製品として不揃いなので裁断して処分したかのいずれかだろうと思う。
賞味期限の問題だの、残飯だので捨てられる日本の食品はカロリーベースで何処かの国の消費量に等しいなどと以前聞いたことがあるが、もう少し食品リサイクルを考えてもいいのではないだろうか。
畜産や、バイオエネルギーなど活用の方法は有るはずである。
消費拡大・経済効率ばかりを追い求める社会はいつかその廃棄物に埋まってしまいそうだ。
今日は立春、暦の上ではなどと言わなくとも昨日までは春だった。
なにしろ21度もあって4月下旬頃の陽気であったという。
この立春を前に江図湖の畔や、近くの河原から古里の川までうろついて、ネコヤナギの芽吹きを写真に撮ろうと走り回ったがお目にかかれなかった。
きっと時期がもう少し後になるのだろうと諦めた。
ところがどうだろう、今朝の朝刊の一面にネコヤナギの写真が掲載されていた。
場所は先日私も歩き回った江図湖の畔とある。
バックに歩く人が映っているところをみると特別な場所ではなさそうだ。
さすが新聞社だなと思う。
ちゃんと季節を表すに適切な植物の生息地を掌握して必要なときに撮影・掲載できる準備をしているのだろう。
少し残念な気持ちで窓の外を眺めると、鉢植えの「庭梅」の枝から新芽が芽吹いているのが見えた。
ちゃんと我が家でも春の芽吹きは確実に始まっていたのだ。
それに玄関に待避させていた花々も蕾が開いて満開の状態で香りが漂い始めた。
暖かかった昨日はPM2・5を含む大気汚染物質の飛来で、近くの里山も見えないほどだったが、立春と共に訪れた寒波の襲来で寒い朝を迎えた今日は空気も澄んで山もくっきりとその姿を見せている。
さてと・・・「この頃は地球規模だね春霞」
三寒四温や春の贈り物の飛来物に一喜一憂しながら、遠くない本格的春を待つことにしよう。
菜園に種を蒔いたときには、何をどこに蒔いたかが直ぐ分かるように購入した種の袋を、蒔いた列の端に立てて表示しておくことにしている。
今度の大根は、いつもとは名前が違うなと思いつつ表示を見ると「かいわれ大根」と読めた。
「かいわれ大根」は大根の成長過程の双葉の時期の収穫物であって、大根の種類ではないだろう、などと思いつつよくよく見ると「かわいい大根」とある。
「かわいい大根」??、これだって相当に妙な名前の大根である。
そして今日はその収穫である。
ネーミングとおり相当にかわいい大根だった。
最近はベランダ菜園などもあるくらいだから、きっと浅いプランターでも栽培出来るように改良されたのだろう。
青首大根だの時無し大根などは昔から聞く名前だが、どうやら大根の世界も珍種がぞくぞくの時代に突入したらしい。
コーヒーカップと比べてもかなり小さな大根なので、3~4本で通常の大根1本分位がやっとというところだろうか。
ただしかし、考えて見ると少人数では料理によっては1本では多すぎて何度かに分けて使うこともあるので、このサイズは使い易いともいえる。
冷蔵庫の野菜コーナーを満タンにせずとも、必要な分だけ収穫して使えば鮮度の保持に関しては数段こちらが有利かな等と考えている。
菜園仲間の隣りの畑には、通常の大きな大根がすくすくと成長しちょっと羨ましい感じもするが、食べる段階では負けちゃいないさと配偶者と強がりを言い合っている。
収穫したばかりの大根を薄くスライスして、ラディッシュ・金柑をこれもスライスして、昆布と酢と砂糖少々に混ぜておけば一日でちょっとした酢の物が出来上がる。
これがまた美味しい。
自分で言うのも何だが我が配偶者もこの分野ではかなりの腕を上げてきた。
それに葉っぱの方も利用して、チリメンジャコ・削り節を醤油で炒めながら余分な水分を飛ばした佃煮風の妙なやつを開発したが、これまた旨くて食欲をそそる。
調子に乗って大量に作ってしまい、試しに冷凍したものを自然解凍して食してみたら味も食感も変わらず長期保存も可能な感じになってきた。
よって我が配偶者に対して、「大根の酢の物と葉っぱの佃煮のマイスター」の称号を与えることに決定した。
おめでとう!
今日から2月、二月は逃げるそうなので撮り逃がさないようにカメラをもって歩く事にした。
春を告げる草花や、陽気に誘われた猫たちや鳥たちも顔を出す。
実はネコヤナギを求めて近くの河原に出たのだがサッパリお目にかからなかった。
一足早く、立春前から花を咲かせている代表的な花をUPする。
(黄色の花が辺りを明るくする蝋梅)
(水仙の花も見頃)
(椿の花)
花便りに誘われて、水仙の名所とか椿の自生地とかいろいろ訪ね歩いたこともあったが、最近はもっぱら近間の散歩道で楽しませてもらっている。
子供の頃遊んだふる里の河原にはネコヤナギが沢山あって、その柳の根元にうなぎ捕りの仕掛けを括り付けておいて、学校が終わった後友達と仕掛けを見に行ったことを思い出すが、あのネコヤナギはどうなっているのだろう。
思い立ったが吉日で、通りかかってもなかなか寄らない川に行ってみようか。
さて、今日の一句・・・「落ちてなお辺りを照らす藪椿」