小学校の頃遠足の行き帰りに休憩のため立ち寄る神社があった。
神社の脇からは、こんこんと水が湧き出ていて、水筒の水をほぼ飲み干していた子供達にとっては適度な場所の給水ポイントだった。
ネコヤナギを探して、とうとう昔懐かしい場所まで足を伸ばしてしまった。
ところが湧き出している神社は昔のままだったのだが、辺り一帯は湧き水を利用した公園になっていて、芝生やらあずま屋などで整備され自然の植生は見当たらず、浦島太郎の気分を味わった。
太郎の気分で辺りを見回すと、山羊が2頭柵の中で餌を食べていた。
日本ではあまり見たことも無い珍しい種だと思うが、何やらオレンジ色のものをムシャムシャ食べている。
オレンジの皮のようにも見えたが、山羊とオレンジは変だなと思い望遠レンズ越しに覗いて見るとどうやら人参のようである。
後方の黄色の容器にはまだ満タンの人参がどっさり積まれており、山羊は2頭しかいないので、当分人参を食べることになるのだろう。
人参は綺麗に洗われていて、裁断されたものばかりのようなので何処かで調理の際の残菜なのか、製品として不揃いなので裁断して処分したかのいずれかだろうと思う。
賞味期限の問題だの、残飯だので捨てられる日本の食品はカロリーベースで何処かの国の消費量に等しいなどと以前聞いたことがあるが、もう少し食品リサイクルを考えてもいいのではないだろうか。
畜産や、バイオエネルギーなど活用の方法は有るはずである。
消費拡大・経済効率ばかりを追い求める社会はいつかその廃棄物に埋まってしまいそうだ。