十二月二十四日(金)晴れ。
世の中はクリスマスイヴとやらで浮かれているが、そんなことと関係なくなってから久しい。この日の産経新聞に曽野綾子さんが「小さな親切、大きなお世話」というコラムの中に、クリスマスイヴについてこう書いている。
「昔はカトリック教徒たちは断食してイエスの生涯の重荷について考える日だった」と。その「重荷」とは、イエスがユダヤ教徒であり、自分が不義の子(ちょっと表現が古いか)であることの苦しみ、であるそうだ。まあ異教徒である私には、そんなことはどうでもよいが、一度イスラエルへは旅してみたいと思っている。
中学の一年の時に、読書感想文の宿題があった。その頃の私の愛読書といえば、「少年マガジン」と「少年サンデー」で、唯一お堅い?本といえば「陸上競技マガジン」だった。クラスで一番頭の良かった、ナカノマリさんの読書感想文が「旧約聖書を読んで」と言うもので、私は卒倒しそうになった。当時の私は活字恐怖症で、教科書すらろくに読んだ事がなかっただけに、同じ年の人が、「聖書」を隅々まで読んでいることが、信じられなかった。
そのナカノさんから貰った年賀状が、異性から届いた最初のものだったと思う。「今年も仲良くしましょうね」とあり、舞い上がってしまった。学校が始まってから、同じクラスで陸上部にいたイケダ君に、得意になって、年賀状のことを話したら、「俺にも来たよ」と見せてくれた。以来、キリスト教徒を信じられなくなった。ナカノさんは、中学二年のときに山手の名門女子高の双葉学園に転校してしまったが、その学校に続く山手の道を良く走っていたことが懐かしい。現在、私の事務所は、私が走っていた山手の道の途中にあるが、ふと、そんな昔の出来事を思い出すことがある。
午後から歯医者。夜は、陋屋で月下独酌。