十月八日(土)晴れ。
今日は、三時から、神宮の日本青年館において青年思想研究会の主催による「亡き同志(とも)を偲ぶ会」があり、大熊雄次氏と待ち合わせて出席。その案内状には、「死友に背かず」との言葉があった。友との約束は、たとへその友が死んでも、果たさねばならず、決して忘れてはならない。という意味のことを、近藤勢一先輩が話しておられた。いい言葉である。
三時に開会。会場には、児玉誉士夫先生の遺影を中心にして、北上清五郎、筑紫次郎、高橋正義、中村武彦の諸先生、いや戦後の民族派運動を指導なされた重鎮の先生方の遺影が置かれている。
児玉先生以外は、謦咳に接した方ばかりである。中でも、北上先生には可愛がって頂き、良く、酒席に同席させて頂いた。
随分前に、北上先生の事務所を、先輩の阿部勉氏と一緒に訪れた時に、北上先生が、「おお憂国の志士が来たか」と言われたので、テレて、「いや、そんな言葉は、もったいないです」と返すと、「何を勘違いしているの。特に阿部ちゃんは、夕方になると私の事務所に来て、酒に誘うから、「夕刻の志士」と言ったまでだよ」。これにはギャフンだった。
そんなことを思い出しつつ諸先生の遺影に白菊を献花し、阿形充規先生、犬塚博英先生の次に、指名され登壇。野村先生が、獄中で恩師である三上卓先生が亡くなられたとの電報を受け取って詠んだ句、「白菊の 白が 溢れてとどまらぬ」の話をさせて頂いた。
その後、直会。お世話になっている先輩方と懇談しながら軽く飲んだ。
夜は、我が家に、友人の京子ちゃんと、娘のアイリちゃんが泊まりに来ているので、慌てて帰宅し、皆で一献会。愚妻と京子ちゃんはワイン。私は、麦焼酎の四合瓶を一本空けてしまった。