白雲去来

蜷川正大の日々是口実

自衛隊の危機管理を問う。

2011-10-27 13:35:29 | インポート

十月二十二日(土)晴れ。

 午前中に細々とした用事を済ませてから、夕方は東京行き。今日は、お世話になっている山口申先生の勉強会があるので、五時十五分に御徒町駅にて、群青の会の大熊雄次氏と待ち合わせた。早目に着いたので、「アメ横」を冷やかした。大熊さんから「知らない店では買わないように」と、いつも釘を刺されているので、眺めるだけにしたが、好物の「松茸」が店頭に出ていて、誘惑に負けそうになったが、意志を強くもって諦めた。

 

 暮に近づいたせいか、商店街の人の動きが、こころなしか慌しく感じる。私は、下町の商店街の雑踏が好きだ。街も人も、生きている。という思いを実感する。その後、大熊氏と合流。

 

 六時に勉強会開始。講師の民族革新会議の犬塚博英議長からとても貴重な話を伺った。それは、過日の、3・11の東北大震災において、皆さんも目にした事があると思うが、自衛隊の松島基地が津波に襲われ、自衛隊の戦闘機など28機が東日本巨大地震の被害を受けた。航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)の被害総額は、航空機だけで最大2300億円にも上るそうだ。

 

 航空幕僚監部によると、同基地では、隊員1人が死亡したほか、基地内にあったF2戦闘機(1機約122億円)18機、T4練習機4機、U125A救難捜索機2機、UH60J救難ヘリ(1機約47億円)4機の計28機が、津波に流されたり、水につかったりして壊滅的な被害を受けた。また、津波で、滑走路を含む約363ヘクタールの基地全体が水没した。同基地は海岸から1・5キロほどに位置。11日の地震発生後、高さ4メートル以上の津波に襲われ、施設は1階部分が水没した。T4の中には、曲技飛行隊「ブルーインパルス」の1機も含まれていた。

L ※こんな状態でした。

 確かに、今回の災害における自衛隊の活躍は賞賛に値し、全国民から信頼され、自衛隊の存在意義がこれほどまでに認識されたことは、過去になかったことだろう。しかし、上記の松島基地における失態を誰も指摘しないのは不思議でならない。地震も津波も原発事故も、皆「想定外」として、「しかたがない」ということに落ち着こうとしている。

 

 民間人なら「想定外」として、その責任を回避することはある意味で許されるかもしれないが、常に「想定外」の「有事」に備えていなければならない自衛隊が、その意識のカケラもないとしたら、これはある意味で恐ろしいことではないか。

 

 今回の津波は、地震と共に襲来したのではない。少なくとも三十分以上が過ぎて陸地に来たのではなかったのか。テレビのニュースなどでは、海上自衛隊の飛行機や船舶が、迫り来る津波の様子を伝えていたのを見た人も多いはずだ。なぜその情報が松島基地に伝わらなかったのか。私は、専門家ではないので、疑問に思うのだが、大地震イコール津波という危機意識が徹底していれば、すぐにでも飛行機を飛ばして非難させる。という考えに至らなかったのか、一度基地の責任者に聞いてみたいものだ。

 

 百歩譲って、滑走路が使用不能になったとしても、ヘリコプターなら飛べたはずだ。そうすれば、被害は少く済んだのではないだろうか。国民の尊い血税2300億円を失った、その責任を一体、自衛隊はどうするつもりなのだろうか。


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