白雲去来

蜷川正大の日々是口実

シドニーで、麻婆豆腐や酢豚を食べる馬鹿。

2011-10-06 00:10:45 | インポート

十月三日(月)曇り。

 朝から、忙しかった。見沢知廉君の映画のパンフの原稿や、「実話ドキュメント」「実話時報」の原稿を、午後二時過ぎまでかかってようやくメールで送った。今月のノルマは、これで終了。

 どうでも良い話なのだが、「週刊文春」に、「劇団一人」とかいう人がエッセイを連載している。その第250回めに、二年前に彼が家族でシドニーへ行った話しが書いてあった。その行きの飛行機の中で、彼の母がCAから「美味しい中華屋さん」を紹介して貰ったという。

 その中華屋に行くと「一口食べただけでそれまで食べてきた中華との違いは明確であった」。と書いてあるので、どんな料理を食べたのか興味津々だった。彼曰く、「麻婆豆腐も炒飯も今まで食べたどんなものより美味だった。驚いたことに、普段は誰からもいらないと毛嫌いされている酢豚に入ったパイナップルもが美味いのだ。あれを食べてやっと酢豚にパイナップルを入れる意味を知った。結局その店があまりに衝撃的で予定していた他の店は全てキャンセルして三日間連続でその店に通い続けたほどだ」とあった。

 この人は、かなりの田舎者なのだろう。せっかく、シドニーの中華料理屋へ行ったのならば、何で、麻婆豆腐や炒飯、酢豚などしか頼まないのか。恐らく彼は、中華料理といえば、その三品に加えて、牛ピー、エビチリの五品くらいが中華料理の王道と思っているのだろう。

 彼が行ったシドニーの中華屋がどの程度の店かは知らないが、支配人やコックも、麻婆豆腐や炒飯、そして酢豚といった、まともな中華料理屋では口に出してオーダーができないような品物ばかり食べている日本人の家族をどう思ったのだろうか。私だったら、コック長のおまかせで、シドニーの名産の海の幸や地元の旬のものを使った料理を出してもらう。

 以前、馴染みの中華街のお店で、女の子を二人連れた男の人が、その女の子に向かって、「この店の五目焼きそばは絶品なんだよ」と蘊蓄を垂れていた。それを聞いていた友人でお店の支配人が、私に小さい声で、「五目焼きそばなら、うちよりも下町の中華ソバ屋の方がもっと美味いよ」と囁いた。中華街に来て、五目焼きそばだけを食べて帰るアホがいるくらいだから、シドニーまで行って、麻婆豆腐と炒飯、酢豚を食べても、おかしくないが、いや個人の自由だが、こんな所で、本人の「貧しさ」が出てしまうものなのだ。

 まあどうでもいいか。てなことで、胃の痛みも治まり、喉もと過ぎれば何とやらで、夜は、「いいちこ」を軽く飲んで寝ました。


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