白雲去来

蜷川正大の日々是口実

新宿、ゴールデン街のこと。

2012-08-18 14:48:24 | インポート

八月十七日(金)晴れ。

家で、過日なくなられた地井武夫さんの「ちい散歩」の後釜で、若大将こと加山雄三の今日の「散歩」は新宿。歌舞伎町はもとより、懐かしい「ゴールデン街」や花園神社を巡っていた。ゴールデン街は、その昔に行ったことのある「クラクラ」が出ていた。ここに連れて行って貰ったのは、元楯の会の故阿部勉さん。いや阿部ちゃんの方が呼びやすい。確か、現在池袋の東長崎という所で「おでん屋」を経営している笠原正敏さんも一緒だった。何度か訪れた時に、ボックスにに座ったら、テーブルの下に誰かが寝ていて、ヒェーっと驚いたら、何と、タコ八郎だった。マスターが可愛がっており、阿部ちゃんとも仲良しだった。帰りに、タコちゃんが、私にお土産だと言って、背広のポケットに何か入れてくれた。こちらも酔っぱらっているので、適当にお礼を言って、そのままタクシーで帰った。

翌日、着ていた背広を見ると、両方のポケットが、シミで変色しているではないか。慌てて、中を見たら、「豚足」が入っていた。タコちゃんが、私にお土産にくれたのはこれだったのか・・・。結局、背広の上着はパァーになってしまった。

野村先生が、愛したゴールデン街のお店は、「カルガァンチュア」と「ル・マタン」の二軒。いつも、阿部ちゃんが待ち構えていて、先生が帰る時に、必ず阿部ちゃんに支払いとカンパの意味を込めて五万円を渡す。それが、度々なので、ある時私が、「先生、ゴールデン街の店何て、いくら飲んでも一人、二三千円程度ですから、阿部ちゃんに五万円何てやり過ぎですよ」と言った。

不思議と、先生がゴールデン街に行くと、阿部ちゃんが匂いを嗅ぎつけてやってくる。しばらく飲んでから、帰る時に、先生も私の忠告もあってか、今回は、三万円を阿部ちゃんに渡した。すかさず、阿部ちゃんは、「先生、二枚足りません」。これには先生もギャフン。仕方ないので、「そうか悪かった」と二万円追加して渡した。後で、車の中で、「まったく阿部には勝てねぇなあ」と大笑い。

「だらしないがゆえに愛される」という浪人は、阿部ちゃんで最後だろう。その阿部ちゃんが亡くなってから、早いもので十三年が過ぎた。十月は、十一日が阿部ちゃん。十四日が、「風の会」の選挙を共に戦った松本効三先生。二十日が、野村先生。二十五日が三上卓先生と縁のある方の命日が続く。

若大将の「散歩」で、花園神社のお囃子と太鼓を練習している女性たちが出ていた。あれ、見たことのある女性だなぁーと思って画面を良く見ると、何と、盟友で若くして亡くなった渡邉康司氏のお二人のお嬢さんではないか。渡邉氏が亡くなられた時は高校生だったお嬢さんも、今はそれぞれ結婚されて母親となっている。久しぶりに渡邉氏の奥さんに電話をした。

そういえば、渡邉氏のお世話で、花園神社にて「経団連事件」や「檜町義挙」の支援集会をしたことを思い出した。渡邉氏の上のお嬢さんが生まれたばかりで、奥さんに抱かれた彼女を初めて見た時だった。

夜は、相変わらず、月下独酌の日々である。一杯やりながら、ツタヤ・ディスカスでレンタルした「ワイルド・ギース」を見た。随分前に見た映画だが、好きな映画だ。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする