白雲去来

蜷川正大の日々是口実

酔うて寝ん撫子(なでしこ)咲ける石の上

2015-07-14 12:51:09 | 日記
七月六日(月)雨。

梅雨だから当然と言えばそれまでだが、連日の雨に体中がかび臭くなるような錯覚を覚える。七月に入ってから子豚の風鈴を居間の鴨居に吊るしてみたが、こう雨ばかりだと活躍の時がなく、心なしかしょんぼりしているように見える。そう言えば、野村先生の『銀河蒼茫』の中に、風鈴を詠んだものがあることを思い出して頁をめくれば、あった「風鈴を吊るや倖とは鳴るものか」。刑務所で最も感じることの無いものは「風流」である。「倖せ」とは鳴ることがない。と感じた獄中の先生の悲哀が伝わってくるようだ。

残念ながら女子サッカーの「なでしこ」はアメリカに完敗。実力の差を見せつけられた。蓮舫の迷?台詞ではないが「二位ではだめなんですか」。いやいや同胞が世界の舞台で頑張ったのだ。称えてあげようではありませんか。私たちは無責任な傍観者でしかないのだから。

夜は、仕事の話を兼ねて西横浜の居酒屋「加一」にて友人と待ち合わせ。このお店も板場を仕切っているおじいちゃんが引退したらどうなるのか。そんなことを考えては酒が不味くなる。いざ我が友よ、まず一献。しかし友人は下戸である。私だけ飲んで大言壮語のおまけつき。二時間ほどで店を出て、友人を改札で見送り、帰ろうと思ったが、ここまで来たのだからと「やまと」へ顔を出した。常連さんから先日の「アド街ック天国」のことを大いに冷かされる。少し飲んで、タクシーでそおっと帰宅。酔うて寝ん撫子咲ける石の上。は芭蕉の句である。

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