白雲去来

蜷川正大の日々是口実

二・二六の今年は獄のほそ霙。か。

2017-02-10 09:17:08 | 日記
二月九日(木)霙。

朝から、霙交じりの雪が降っている。どおりで寒いはずだ。野村先生の『銀河蒼茫』の中に、二・二六の今年は獄のほそ霙 という句がある。監獄は、この霙で文字通り懲役泣かせの「寒」獄となる。

霙は、何だか中途半端で嫌だ。雨なら雨、雪なら雪と、どちらかはっきりしてもらいたい。一緒に降っていると、とても寒々しく感じて仕方がない。いや本当に寒い。雨や雪が降っているよりも、もっと憂鬱で陰惨な気がしてならない。

正午、新しい企画があるとのことで、雑誌の編集者の人と関内のルノアールにて待ち合わせ。先に着いて、窓際に座っていたら、昨日の酒の影響か、眠くて仕方がない。これで晴れていて、陽が射しこんでいたら、確実に寝てしまっただろう。コーヒーも眠気覚ましの役にはたたなかった。編集者の方と、四十分ほど打ち合わせをして別れた。

メガネ屋で、総額二十万円ものメガネを万引きされたお店が、犯人を映した防犯ビデをネットに公表(モザイクをかけて)していることが、話題となっている。その手口や、直後に、他のメガネ屋に盗んだものを売りに行っていることを見ても、常習性が感じられ、決して「出来心」とは思えない。メガネに限らず、書店やスーパーでの万引き(窃盗)は、それらのお店に多大な被害をもたらす。その被害によって、店を閉めざるを得なくなった書店やスーパーもあると聞く。

書店が、二千円の本を売っても、利益は一割に満たない。それが、一万円も二万円も被害に遭ったら・・・。メガネ屋だってそうだ。二十万もの利益を上げるのには、一体何本のメガネを売らなくてはならないのか。それを防止するために、万引き犯人が映った防犯ビデオを流すぐらいは、当然のことである。訳知り顔の弁護士や、一般人が、「人権」などを持ち出して、「やりすぎ」などと言うが、もし、そう言った被害が続いて、お店が倒産などしたら、その責任を、「人権」を口にする人たちが、取ってくれるのだろうか。本当に貧困ゆえの、出来心であったならば、更生の余地もあろうが、今回のように転売を目的とした、万引きを商売として行う連中に、同情はいらないように思う。

自分の国には、言論、表現、政党の自由どころか、人権だって一党独裁の政党から踏みにじられる国から日本に来ている連中が、笑止にも「アパの社長の歴史認識」に抗議する姿と、万引き犯の人権を擁護する連中の姿がダブって見えるのは、私の偏見だろうか。

午後に、公私共にお世話になっている方が来訪。ご迷惑をお掛けしているにも関わらず、お気遣いを賜り、本当に恐縮した。そう言った人たちの期待を裏切らないように、生きなければと、思った次第。感謝合掌。

夜は、久しぶりに七時過ぎに家族全員が揃った。下の子供は、入試だったが、「どうだった」と聞けば、「全然歯が立たなかった」とあっけらかんとしている。そのあきらめの良さを褒めるべきか、怒るべきか・・・。まあ性格が明るいから良しとするか。皆で、鍋を囲んだ。穏やかな時がゆっくりと流れて行く。

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