白雲去来

蜷川正大の日々是口実

水村 山郭 酒旗の風。

2017-02-04 12:39:48 | 日記
二月三日(金)晴れ。

節分か。子供たちが小さい頃は、私が鬼のお面をかぶって、豆をぶつけられたものだが、子供が大きくなるにつれて、いつしかそんな習慣も我が家ではなくなった。立春の前日が節分。といっても、まさに「春とは名のみの寒さかな」である。

日本人は、暖かくなったから春になるという感じではなく、春になったから暖かく感じるのであろう。春と言う言葉を聞くと、すぐに頭に浮かぶのが、杜牧の「江南の春」。

千里 鶯啼いて 緑紅に映ず
水村 山郭 酒旗の風
南朝 四百八十寺
多少の楼台 烟雨の中

水辺の村にも山あいの村にも、飲み屋の印の青い旗が風に翻っている。今では、飲み屋のネオンが眩しいか。という訳で、友人らと、久しぶりに中華街にて一献会。紹興酒が肚に染みた。九時に解散して、一人で「サリーズバー」へ。ひょっこりエディ潘が来て、昔話に花が咲いた。

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口耳の学。

2017-02-04 12:01:44 | 日記
二月二日(木)晴れ。

「荀子」の言葉に、「小人の学は耳より入りて口より出ず」というものがある。耳で聞きかじったことをそのまま他人に受け売りするのだから、少しも自分の身につかない。そんな学問のことを「口耳(こうじ)の学」と呼んでいるそうだ。自分を向上させるには、学ぶことを忘れてはならない。だが、同じ学ぶにしても、「口耳の学」のような学び方では、かえって有害無益なのだという。

「荀子」は、続けてこう語っている。「むかしの人は、自分のために学問に励んだが、今の人は他人のために学問している。君子は学問によって自分を向上させるが、小人は学問によって自分を売り物にしている。問われもしないのにしゃべる、これをオシャベリという。一を問われて二まで答える。これをオセッカイという。どちらもよくない。君子とは、打たねば響かぬが、打てば響くものなのだ」せっかく学ぽうとするなら、「君子の学」をめざしたいものだ。「中国古典・一日一言」(守屋洋・PHP文庫)

真面目な話、これをパソコンの横に貼っておいて自戒の言葉としている。しかしながら、世間の多くは、私を含めてこの程度なのだ。今日の夜、いつも通る自宅の近くの気になっていた店を友人と二件ハシゴした。一軒目は、入った瞬間に、私の動物的な勘が、イケマセン。と反応した。ホルモン焼きの店なのだが、全くダメ。若い頃なら、我慢も出来たのだろうが、この歳になると、ホルモンがメインの店などに入ったのが失敗だった。肉は、値段と味と質が正比例する。という原則をうっかり忘れていた。次に入ったお店は、店構えは、酒飲み好みなのだが、まあ今風の、立ち飲みに毛の生えたようなお店。それはそれで良かったのだが、周りの人たちの話を耳をダンボにして聞いていたら、正に「口耳の学」。今朝読んだ、「産経抄」をそのまま自分の意見として喋っている、同輩のオヤジ。隣は、モロキュウをポリポリと齧りながら、ビールをちびちびと飲みつつ漫画を読んでいる青年。あっこれは口耳の学とは関係ないか。そう言う私も、飲むとトランプとトランポリンとの区別が無くなるし、喋っていることのほとんどが、誰かの「受け売り」と言うことが多い。酒を控えることしかないか。

反省の日々です。珍しく、外で飲んで九時過ぎに帰宅。

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受けて立つのも武士の意地。

2017-02-04 11:30:25 | 日記
二月一日(水)晴れ。

トランプ大統領の発する「大統領令」にアメリカはもとより、世界中が一喜一憂している。いや、一喜しているのは、彼の支持者だけか。日本のマスコミのほとんどが、トランプの「困ったちゃん」ぶりばかりを報じているが、私は、個人的には、ヒラリーが大統領になるよりもトランプの方がよほどましだと思っている。民主党の大統領の下で、これまで我が国がどれほど煮え湯を飲まされてきたか、歴史が証明している。

アメリカの大統領が変わるたびに、我が国は、日米安保を基軸とした「尖閣防衛」をその都度アメリカに確認するが、それはとりもなおさず、日本の防衛の弱点と言うものを、さらけ出しているようなものだ。沖縄に、空海自衛隊の強力な基地を建設して、自分の国は、自分で守る。という気概を示さずして、アメリカと互恵平等の軍事同盟など望むべきもない。

かつてケネディ大統領は、就任式での演説で、有名な、「そして、同胞であるアメリカ市民の皆さん、国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えようではありませんか」と、語った。トランプもまた、「信頼すべき、日本をはじめとする同盟国の皆さん、アメリカがあなたの国のために何をしてくれるかではなく、同盟国がアメリカのために何ができるかを考えようではありませんか」。とこう言っている。これが彼のスタンスならば、受けて立つのも武士の意地というものだ。

今月は、行事の予定が沢山入っている。嬉しいやら辛いやら・・・。夜は、好物の柳カレイをメインに酔狂亭で、月下独酌。

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