白雲去来

蜷川正大の日々是口実

酔狂亭で、月下独酌。

2018-02-10 14:57:10 | 日記
二月九日(金)晴れ。

群青の会の大熊雄次氏が毎年野村先生の誕生日の日に行っているのが「生誕祭」である。最初は、亡くなられた正田秀幸さんが建立した、野村先生の句碑のある群馬県の雷電神社にて開催していたが、諸般の事情から川崎で開催することになった。「生誕祭」といっても、本当にごく身近な人たちの集まりで、こじんまりした初春の集いのようなものだ。野村先生もお元気ならば、今年で八十三歳となる。まあ八十を過ぎた先生など、とても想像できない。

初めて訪れた町に古書店があると必ず寄るようにしている。といっても最近は、古書店が少なくなった。私の書棚にある旅先で買った本の背表紙を見る度に、その本を買った町や旅の風景を思い出すことが出来る。午前中に、便箋を買いに伊勢佐木町の有隣堂へ行った。お店の前で古書のワゴンセールをやっていて、覘いてみたら、何と友人の戦場カメラマン「不肖・宮嶋」さんの『ネェちゃん撮らさんかい』があった。定価を見たら二百円である。帯もなくちょっと傷んでいたが、あららら、お久しぶりと思って買った。サブタイトルは「ボスニア原色美女図鑑撮影記」である。表紙にカットされた三枚の写真の内の、一番右側にある写真は、私の事務所にも飾ってある。事務所開きの際に頂いたものだ。宮嶋さんと、野村先生のお供をして、スペインからモロッコを旅したことが懐かしい。

夜は、子供たちはアルバイト、愚妻はババアかい。ではなく女子会とやらで不在。家に一人でいてもつまらないので、近所の居酒屋にでも出かけようかとも思ったが、今月は、行事が立て込んでいる。無駄な出費は控えようと白楽天の「陶潜の体に効(なら)う詩」を思い出し酔狂亭で独酌。

朝にも亦独り酔うて歌い
暮にも亦独り酔うて睡る
未だ一壺の酒を尽くさざるに
已に三独酔を成す
嫌う勿れ飲むことはなはだ少なきを
且つ喜ぶ歓の致し易きを

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