十一月二十六日(月)晴れ。
寒くなると「おでん」が恋しくなる。屋台で、おでんを肴に熱燗で一杯やる。これが好きなのだが、美味しいおでん屋が少なくなった。単に安いと言うことだけを売りにして、おでん種や味が、二流以下だ。東京には、そこそこおいしいおでん屋があるが、横浜には贔屓のお店が無い。夏場でも、お客が耐えないおでん屋というのが、本物の味だと思うが、味と風情の揃ったおでん屋に行ってみたいものだ。おでんに刺身に干物。私の酒の肴の三種の神器だ。
刺し身と干物と言えば、私にとってはイコール伊豆だ。随分前のことだが、伊豆の弓ヶ浜に遊んだことがあった。先輩の経営している民宿に泊まったのだが、申し訳ないが料理が素人以下で、嫌になったことがあった。伊豆には、様々な人と、様々な旅をした。しかし弓ヶ浜だけは方向が悪いのか、胸の痛みだけが甦って来る。若い頃に熱海の目の前にある初島に行った時のことを「旅の澪標(みおつくし)」と題して、タウン誌に書いたことがあった。その初島に盟友が会員となっているホテルに招待された。変わらぬ景色と、夏の暑さとに相俟って、眩暈がしたことを覚えている。
それでも伊豆が好きで、度々出かける。「踊り子号」の車窓から海を眺めていると、それだけで、冷えたビールを三本ほど飲める。熱海までは、まだシラフで、伊東あたりだと、頬が赤くなり、下田に着く頃には、足元が危うい。温泉で汗をかいて酒を抜き、旅館の料理に舌鼓をうつ。これくらいならば、年末ジャンボが当たらなくとも、何とかなる。
夜は、月に一度の町内の仲良しさんとの飲み会。ラーメン屋さん、土建屋さん、床屋さん、勤め人にお金持ちに、私のような浪人。もう十年以上も続いている。気の置けない人たちとの酒席は楽しい。
帰宅後は、録画していた「寅さん」を見ながら、ひとりゲラゲラ。何も考えずに、こういう映画を見るのは、精神的に良い。小市民、中市民、大市民がいるそうだが、私のような浪人は、小市民以下だ。渥美清さんの句に、鍋もっておでん屋までの月明り。と言うものがあるが、今ではファミレスで買うのが主流かもしれない。
寒くなると「おでん」が恋しくなる。屋台で、おでんを肴に熱燗で一杯やる。これが好きなのだが、美味しいおでん屋が少なくなった。単に安いと言うことだけを売りにして、おでん種や味が、二流以下だ。東京には、そこそこおいしいおでん屋があるが、横浜には贔屓のお店が無い。夏場でも、お客が耐えないおでん屋というのが、本物の味だと思うが、味と風情の揃ったおでん屋に行ってみたいものだ。おでんに刺身に干物。私の酒の肴の三種の神器だ。
刺し身と干物と言えば、私にとってはイコール伊豆だ。随分前のことだが、伊豆の弓ヶ浜に遊んだことがあった。先輩の経営している民宿に泊まったのだが、申し訳ないが料理が素人以下で、嫌になったことがあった。伊豆には、様々な人と、様々な旅をした。しかし弓ヶ浜だけは方向が悪いのか、胸の痛みだけが甦って来る。若い頃に熱海の目の前にある初島に行った時のことを「旅の澪標(みおつくし)」と題して、タウン誌に書いたことがあった。その初島に盟友が会員となっているホテルに招待された。変わらぬ景色と、夏の暑さとに相俟って、眩暈がしたことを覚えている。
それでも伊豆が好きで、度々出かける。「踊り子号」の車窓から海を眺めていると、それだけで、冷えたビールを三本ほど飲める。熱海までは、まだシラフで、伊東あたりだと、頬が赤くなり、下田に着く頃には、足元が危うい。温泉で汗をかいて酒を抜き、旅館の料理に舌鼓をうつ。これくらいならば、年末ジャンボが当たらなくとも、何とかなる。
夜は、月に一度の町内の仲良しさんとの飲み会。ラーメン屋さん、土建屋さん、床屋さん、勤め人にお金持ちに、私のような浪人。もう十年以上も続いている。気の置けない人たちとの酒席は楽しい。
帰宅後は、録画していた「寅さん」を見ながら、ひとりゲラゲラ。何も考えずに、こういう映画を見るのは、精神的に良い。小市民、中市民、大市民がいるそうだが、私のような浪人は、小市民以下だ。渥美清さんの句に、鍋もっておでん屋までの月明り。と言うものがあるが、今ではファミレスで買うのが主流かもしれない。