十一月四日(日)曇り。
鰻が好物だが、最近の鰻は庶民の食べるものではなくなったと、しみじみ思う。私が横浜で行く鰻の店は、まず関内の「わかな」、伊勢佐木町(吉田町)の「八十八」といった高級店に、庶民的な東神奈川の「菊屋」。そして懐具合が悪くとも、どうしても鰻を食べたい時は、横浜橋商店街の「八舟」へ行く。私が知っている限りでは、このお店が一番安いかもしれない。
亡くなられてしまったが、某私鉄会社のS副社長に良く連れて行って頂いたのが平沼の「野田岩」。ずい分前のことだが、山口申、岡田尚平、犬塚博英の諸先生と小早川久之先生宅を訪ねた折に、Sさんが「野田岩」の鰻を差し入れてくれた。でも私は、ここの「辛い」鰻が余り好きではない。
阿川弘之先生の『食味風々録』に出てくる鰻屋は、銀座築地寄りの「竹葉本店」、赤坂の「重箱」、飯倉の「野田岩」、日比谷高校迎いの「山の茶屋」などだ。阿川先生曰く「こういう老舗の職人が紀州備長の炭で焼き上げたばかりの蒲焼を、熱いうちに食うと、やはりありきたりの店の物とは格段の味の違いを感じる」。と書いている。上野の「伊豆栄」や南千住の「尾花」の名が無いのは残念。
上記の店は、いつか行ってみたい店だと思っている。『食味風々録』には、斉藤茂吉先生が、終戦直後のことだが、斉藤先生が鰻に釣られて、嫌いな講演を引き受ける話が出ていて面白かった。そう言えば、長良川の流れる岐阜には幾度も行っているのに、鰻を食したことがない。次回の楽しみにするか。
鰻が好物だが、最近の鰻は庶民の食べるものではなくなったと、しみじみ思う。私が横浜で行く鰻の店は、まず関内の「わかな」、伊勢佐木町(吉田町)の「八十八」といった高級店に、庶民的な東神奈川の「菊屋」。そして懐具合が悪くとも、どうしても鰻を食べたい時は、横浜橋商店街の「八舟」へ行く。私が知っている限りでは、このお店が一番安いかもしれない。
亡くなられてしまったが、某私鉄会社のS副社長に良く連れて行って頂いたのが平沼の「野田岩」。ずい分前のことだが、山口申、岡田尚平、犬塚博英の諸先生と小早川久之先生宅を訪ねた折に、Sさんが「野田岩」の鰻を差し入れてくれた。でも私は、ここの「辛い」鰻が余り好きではない。
阿川弘之先生の『食味風々録』に出てくる鰻屋は、銀座築地寄りの「竹葉本店」、赤坂の「重箱」、飯倉の「野田岩」、日比谷高校迎いの「山の茶屋」などだ。阿川先生曰く「こういう老舗の職人が紀州備長の炭で焼き上げたばかりの蒲焼を、熱いうちに食うと、やはりありきたりの店の物とは格段の味の違いを感じる」。と書いている。上野の「伊豆栄」や南千住の「尾花」の名が無いのは残念。
上記の店は、いつか行ってみたい店だと思っている。『食味風々録』には、斉藤茂吉先生が、終戦直後のことだが、斉藤先生が鰻に釣られて、嫌いな講演を引き受ける話が出ていて面白かった。そう言えば、長良川の流れる岐阜には幾度も行っているのに、鰻を食したことがない。次回の楽しみにするか。