八月十二日(月)雨後晴れ。
何やら、昨日が「山の日」とか言う休日だったために、今日は振替休日とのこと。何が「山の日」だよ。意味分かんネェー。じゃあ「川の日」も作ったらいいのに。「海の日」は明治陛下に縁の意味深い日だが、「山の日」って何だ。休みが多くて喜ぶのは子供だけではないか。先進国と言ったって、非正規の社員や建築現場の労働者の多くは日給月給である。休みが多ければそれだけ収入が減る。まあ浪人の身の私が悲憤慷慨して余り説得力がありませんけれど。
社友の島田不二雄さんのFBで、『人生で大切なことは泥酔に学んだ』という本を紹介されていた。私も以前、書評で読んで是非読みたいと思っている本だが、私も、随分前にある雑誌に『憂国奇人・怪人伝』というものを十回ほど連載したことがある。人生で大切なことを酔っぱらいに学んだことはないが、奇人には「五つの極意」がある。と教えてくれたのは、私の道の兄であり、三島由紀夫が創設した「楯の会」の会員であった故阿部勉氏である。「五つの極意」とは、すなわち、酒乱、淫乱、錯乱、風乱、貧乱のことで、酒、淫、錯、の三つの「乱」は読んで字の如しだが、残りの「風乱」、「貧乱」の二つを加えてこそ、奇人、怪人の極意と阿部氏は語った。
「風乱」とは、一歩家を出ると、何時帰ってくるか分からない人をいう。四、五日など当たり前で、時には二年も三年も行方が分からず、突然帰ってきたと思えば、ほかの女に生ませた子供を抱えている。旦那が逮捕されると奥方は、心配するより先に「居所がはっきりして良い」と喜ぶそうだ。
「貧乱」とは、そのまま「貧しく乱れる」ことである。右翼の活動家は、その昔から天下の素浪人をもって任ずる者であるから、とにかく年中金がない。しかし酔えば美人の膝枕、醒めては握る天下の権と、酒は飲む。それでも勉強は欠かさない。酒を飲もうか、本を買おうかと迷った揚げ句に、やはり本を買って酒をあきらめることも、しばしばある。生活費がなくとも本を買う。借金しても本を買う。どうしても金がないときは、先輩の家を訪ねて、なるべく希少価値のありそうな難しい本をかしこまって借りて、そのまま古本屋に売って酒代とする。先輩から、貸した本を催促されても「難しいのでもう少し」と引き伸ばせば、その内、先輩も、そんな本のことなど忘れてしまう。ただ貧しいだけで、酒ばかりのみ勉強をしないものは「貧乱」の資格はないと、阿部勉氏は言っていた。
何やら、昨日が「山の日」とか言う休日だったために、今日は振替休日とのこと。何が「山の日」だよ。意味分かんネェー。じゃあ「川の日」も作ったらいいのに。「海の日」は明治陛下に縁の意味深い日だが、「山の日」って何だ。休みが多くて喜ぶのは子供だけではないか。先進国と言ったって、非正規の社員や建築現場の労働者の多くは日給月給である。休みが多ければそれだけ収入が減る。まあ浪人の身の私が悲憤慷慨して余り説得力がありませんけれど。
社友の島田不二雄さんのFBで、『人生で大切なことは泥酔に学んだ』という本を紹介されていた。私も以前、書評で読んで是非読みたいと思っている本だが、私も、随分前にある雑誌に『憂国奇人・怪人伝』というものを十回ほど連載したことがある。人生で大切なことを酔っぱらいに学んだことはないが、奇人には「五つの極意」がある。と教えてくれたのは、私の道の兄であり、三島由紀夫が創設した「楯の会」の会員であった故阿部勉氏である。「五つの極意」とは、すなわち、酒乱、淫乱、錯乱、風乱、貧乱のことで、酒、淫、錯、の三つの「乱」は読んで字の如しだが、残りの「風乱」、「貧乱」の二つを加えてこそ、奇人、怪人の極意と阿部氏は語った。
「風乱」とは、一歩家を出ると、何時帰ってくるか分からない人をいう。四、五日など当たり前で、時には二年も三年も行方が分からず、突然帰ってきたと思えば、ほかの女に生ませた子供を抱えている。旦那が逮捕されると奥方は、心配するより先に「居所がはっきりして良い」と喜ぶそうだ。
「貧乱」とは、そのまま「貧しく乱れる」ことである。右翼の活動家は、その昔から天下の素浪人をもって任ずる者であるから、とにかく年中金がない。しかし酔えば美人の膝枕、醒めては握る天下の権と、酒は飲む。それでも勉強は欠かさない。酒を飲もうか、本を買おうかと迷った揚げ句に、やはり本を買って酒をあきらめることも、しばしばある。生活費がなくとも本を買う。借金しても本を買う。どうしても金がないときは、先輩の家を訪ねて、なるべく希少価値のありそうな難しい本をかしこまって借りて、そのまま古本屋に売って酒代とする。先輩から、貸した本を催促されても「難しいのでもう少し」と引き伸ばせば、その内、先輩も、そんな本のことなど忘れてしまう。ただ貧しいだけで、酒ばかりのみ勉強をしないものは「貧乱」の資格はないと、阿部勉氏は言っていた。