白雲去来

蜷川正大の日々是口実

日本人の痛恨の日。

2020-08-21 14:50:08 | 日記
8月9日(日)晴れ。

昭和20年の今日、アメリカ軍が長崎市に対して原子爆弾を投下した。当時の長崎市の人口24万人のうち約7万4千人が死亡し、建物は約36%が全焼または全半壊した。同日、当時のソ連が「日ソ不可侵条約」を一方的に破り、満州、その後、南樺太、千島列島に侵略し日本人の多くを殺害、捕虜としてシベリアに連行するなどの蛮行を行った日で、日本人にとって「痛恨の日」でもある。

長崎の原爆をテーマにした映画で有名なのは、永井隆の随筆『この子を残して』を原作とした1983年に公開された木下惠介監督の同名の映画。この作品は『長崎の鐘』、『長崎の歌は忘れじ』、『TOMORROW 明日』などと並び、長崎市への原子爆弾投下を扱った作品の一つである。監督の木下は反戦映画として、主演の加藤剛(永井役)、および淡島千景(永井の義母・ツモ役)に、戦争を非難する数多くの言葉を語らせている。こういった映画は、監督やプロデューサーの思想的背景もあるが、当事者、加害者、被害者といったどの立場で作られたものを見るか。そしてどう判断するかは、アナタ次第。私は、原作を読んで非常に感動しました。

ソ連の蛮行をテーマにしたもので知られているのは、『樺太一九四五年夏・氷雪の門』。舞台は玉音放送後の樺太。ソ連軍が迫る中、最後まで電話交換手業務を続けた真岡郵便電信局の電話交換手だった9人の乙女の最期を中心に、ソ連による南樺太侵攻の史実に基づく映画。「氷雪の門」とは北海道稚内市の稚内公園内にある樺太で亡くなった日本人のための慰霊碑。同公園内にある九人の乙女の像は9人の電話交換手の慰霊碑である。この映画は、公開時に日本向けのモスクワ放送が、「ソ連国民とソ連軍を中傷し、ソ連に対して非友好的」という論評を流している。タス通信も「ソ連国民とソ連軍を中傷する反ソ映画」と論評し、ソ連の圧力によって公開が中止された。機会があれば是非ご鑑賞ください。(『燃えよ祖国』の有料購読者で興味のある方はご一報下さい。)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

激動の昭和史『軍閥』。

2020-08-21 14:17:50 | 日記
8月8日(土)晴れ。

のんびり起きたので、朝食は無し。家族で昔なじみの京城苑という焼肉屋さんでランチ。このお店は、今は吉田町商店街に移ったが、その前は福富町で長いことやっていた。私が初めて焼肉(昔は「朝鮮料理屋」とも言った)を食べたのは、この京城苑だった。十代の後半だったと記憶している。お店が場所を移して、趣が変わった分、思い出も初期化された後に上書きされてゆく。

食後に、「イセブラ」(伊勢佐木町をブラブラすること。今は、死語になった)して、有隣堂で書籍浴をしてから帰宅。夕方まで機関誌の校正をしたのちに、アマゾンプライムにて東宝の「8・15シリーズ」の『激動の昭和史・軍閥』を見た。1970(昭和45)年8月11日に公開された映画で、私は、馬車道にあった東宝会館で見た。2・26事件から東條内閣の成立、大東亜戦争、敗戦までを描いたものだが、抜群ではなかった軍閥を描いた歴史映画としては楽しめる。まあサイパン陥落など見たくもない場面もあるが、それはそれ。

当時の陸海軍の上層部の人間像やその人たちの対立と葛藤・・・。この映画をテキストにして興味ある人物に焦点を当てて学んでみるのも楽しいかもしれない。

夜は、蒸し鶏のネギ和え、鶏手羽餃子、ナスのおしんこを肴に、酔狂亭にて月下独酌。お供は「黒霧島」。






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする