白雲去来

蜷川正大の日々是口実

筋書きのないドラマを堪能した。

2021-01-04 11:51:35 | 日記

1月3日(日)晴れ。

元日の霧笛きこえて来たりけり。とは、野村先生の獄中句集『銀河蒼茫』の中の冬の句である。大晦日、午前零時となると横浜港に停泊している船が一斉に新年を祝う汽笛を鳴らす。若い頃は、その汽笛を聞きに山下公園へ行ったものだ。現在の家に引っ越してくるまでは、横浜の磯子という所に住んでいた。小高い丘の上に建つマンションであったせいもあって、窓を開けると、かすかに港の汽笛が聞こえた。横浜らしい年越しで、一人で聴くのは寂しさが募るが、家族で聞く分には幸福感に包まれる。

三が日は、文字通りの「寝正月」。元日に、我が家で小宴を催すつもりだったが、急遽中止したために、準備していた肴が余った。スマン、スマンのオスマンサンコンと心で詫びて、ささやかな贅沢を堪能した。

箱根駅伝は劇的な結末に終わった。復路の9区とアンカーだけを見ても、その醍醐味が味わえるようなレースで、創価大、駒沢大とは何の縁も所縁も友人もいないので、無責任な観戦者でしかないが、見ごたえのあるレースだった。両大学にアンカーのタスキが渡った時、誰が駒澤の逆転を予想しただろうか。「逃げろ」と思いつつも「追いつけ、抜けぇー」と相反する応援を交互に掛けながら、筋書きのないドラマを堪能した。


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