白雲去来

蜷川正大の日々是口実

「フジサンタカイヨ、コレヤスイヨ」

2022-12-20 12:56:58 | 日記

12月16日(金)晴れ。

朝食は抜いた。昼は、「五島うどん」に、紅ショウガと玉ねぎのかき揚げ、三浦人参の天ぷらを作って「天ぷらうどん」。夜は、モランボンの「キムチ鍋のスープ」を使った鍋、イクラ、津軽漬け。お供は「三岳」。酔狂亭にて独酌。

昨日のブログで書いた「プラド美術館」に行った時の事の思い出をもう一つ。美術館のすぐ近くに扇子を売る露天が出ていた。そこのオヤジが、我々を目ざとく見つけ、手招きするので近くに行くと、「ジャパニーズか」と聞くので、「イエス」。その親父、おもむろにスペインの景色が描かれた扇子を広げて、片言の日本語でこうのたまった。「フジサンタカイヨ、コレヤスイヨ」これには、先生も私たちも馬鹿受けして大笑い。日本であれば、こんな駄洒落に誰も反応しないのだが、何といっても、ここはマドリッドである。片言の日本語を覚えてまで、扇子を売ろうというその商魂に我々一行は脱帽し、先生は、一本五百円程度の扇子を二〇本も買ってあげた。

その後、レストランや酒場に行く度に支配人やウエイターに、「フジサンタカイヨ、コレヤスイヨ」とプレゼントしていた。その扇子が、先生の駄洒落の道具ではなく、本来の機能を発揮して役に立ったのは「闘牛」を観に行った時の事。日差しが強くて、とても暑かった。その扇子が役に立ったのは言うまでもない。その旅から帰国した二か月後の10月20日、先生は、朝日新聞社の社長室で壮烈なる自決を遂げられた。来年は、その自決は事件から30年という節目の年となる。※マドリードの闘牛場の前で。私は41歳である。

 


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反ファシズムの代表的な作品。

2022-12-20 11:18:51 | 日記

12月15日(木)晴れ。

朝食は抜いた。昼は、中華街で買った「粽」とシジミの味噌汁。夜は、大行社の役員会議と納会に出席。二次会で六本木へ。うかつにも酒席で寝てしまい、若い人に家まで送ってて頂いてた。

11月15日の産経抄にピカソについて書いてあったことを思い出した。1938年、ピカソはスペインの共和国政府から依頼されて、パリ万博に飾る絵の題材について頭を悩ませていた。そんな折に、衝撃的なニュースに接する。ピカソの母国スペインは、共和国政府とフランコ将軍率いる反乱軍との間で激しい戦闘が続いていた。ピカソが知った衝撃的な出来事とは、バスク地方のゲルニカという古都を、フランコ軍を支援するナチス・ドイツが爆撃し多数の市民が死傷した。この事実を知ったピカソが、わずか2カ月で完成させたのが「ゲルニカ」である。また、余談ではあるが、この戦いで銃弾に撃たれた兵士を撮影したのが、有名なロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」である。

「ゲルニカ」は「20世紀最大の政治的絵画」と言われ、前述のキャパの「崩れ落ちる兵士」と共に反ファシズムの代表的な作品と言われて来た。私は、その有名な2作品を実際に見たことがある。まず「ゲルニカは、平成5年の8月、野村先生のお供をして行った、「マドリッド・モロッコの旅」の途中にマドリッドの「プラド美術館」にて展示されている「ゲルニカ」を見た。普段は「ソフィア王妃芸術センター」に展示してあるのだが、「芸術センター」が改修工事をしていたために「プラド美術館」に一時的に置いてあった。僥倖であった。「プラド美術館」では、「ゲルニカ」の他に、ゴヤの代表作とも言われている「裸のマヤ」「着衣のマヤ」をはじめ、ベラスケスの「女官たち」「ゲレダの開城」「マルガリータ王女」といった絵画に目を奪われ、さらにエル・グレコなどの世界的にも有名な作品を鑑賞した。

キャパの「崩れ落ちる兵士」の写真は、今から9年前の平成25年(2013)2月に「みなとみらい」にある「横浜美術館」にて開催されていた「ロバート・キャパ・ゲルダ・タロー二人の写真家展」に行って見た。代表的な二つの作品を見ることが出来たのは感慨深い。


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